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アンティーク シルバー スプーン(3)


No. 16895 エドワーディアン スターリングシルバー フィドルパターン テーブルスプーン SOLD
長さ 21.3cm、重さ 73g、ボール部分の長さ 7.7cm、最大幅 4.8cm、ボールの深さ 1.2cm、柄の最大幅 2.45cm、柄の最大厚み 3mm、1911年 シェフィールド アセイオフィス、SOLD

今から百年以上前に作られたスターリングシルバー フィドルパターンのテーブルスプーンです。 フィドルパターンとは、スプーン柄の形がヴァイオリン(Fiddle)に似ていることに由来するスプーンパターンの名前になります。 もともとは18世紀のフランスで人気だったこのフィドルパターンは、19世紀に入った頃からイギリスでも次第に流行っていきました。 現代ではあまり見かけない形なので存在感があって、アンティークな雰囲気を楽しむにはよいでしょう。

重さが72グラムですから、2オンス以上ということになり、かなり重たいシルバーウェアです。 

裏面にはメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1911年のデートレターが刻印されています。

アンティークのテーブルスプーンというのは、現代の品と比べるとかなり大きなものです。 今日的にはテーブルスプーンとして使うにはちょっと大きすぎると思うので、私は大皿料理の取り分け用に使いますが、ボール部分の長さが7.7cmもあるので、サービングスプーンとしても十分過ぎる大きさと思います。

ひとつ興味深いことは、写真の銀スプーンは16381スプーンと同型タイプで、セットを構成していたと思われることです。 柄先のイニシャルが同じですし、サイズがほぼ同等であることから、仲間の品であることは間違いないのですが、デートレターを読み取ると、製作年が違っていますし、それぞれの銀スプーンを作ったシルバースミスも違っています。

リプレイスされた可能性や、あるいは足掛け数年にわたって、ゆっくりとセットが構成されていった可能性が考えられますが、当時はシルバースミスに頼めば、手持ちの品と同じものが作ってもらえた時代であったことが分かります。 エドワーディアン頃のシルバースミスが仕事に取り組む姿勢や、シルバーウェアとの気の長い付き合い方には興味を惹かれるところです。

銀のアンティークテーブルウェアは、他のアンティークと比べると壊れにくいですし、お手入れ次第で綺麗に使っていけます。 以前に以下のようなコメントをいただいたことがあり、私もそう思います。

『さて、実際に手に取ってみると、なかなか素敵な物です。銀だから価値があるというより、これだけの年月を経て、なおちょっとしたお手入れをするだけで、作られた当時とほとんど同じ状態で使い続けられるという点の価値はすごいと思います。まとめ買いした安いスプーンがいつの間にかどこかにいってしまったり、曲がったりすり減って黒くなり、何回も買い直していることを考えると、世代を超えて使われる銀器は節約の象徴のような気もしてきます。』
エドワーディアン スターリングシルバー フィドルパターン テーブルスプーン


No. 18103 スターリングシルバー スプーン with ピアストワーク
長さ 12.1cm、重さ 20g、ボール部分の最大幅 3.4cm、透かし柄の最大幅 1.95cm、1929年 ロンドン、
ピアストワークの丁寧な仕鱒Uりに、繊細なリースの彫刻、そして銀の質感も感じられて、しっかり出来oズ麗なアンティークと思います。 ハ真二番目に見えるように、柄の裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがどれも深く刻印されているのもよいでしょう。

ハ真二番目のホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1929年のデートレターになります。

それでは、ハ真の品が作られ使われた当桙フイギリスはどんなであったのか。 先日、お客様との遣り取りの中で、調べてみる機会がありました。

1929年に始まった世界恐慌といいますと、рスちは世界jをアメリカ中心に学んできましたので、米国株暴翌ゥら世界中一緒に奈翌フ底に翌ソて行ったかのように思ってしまいがちです。 

タ際のところは、1929年10撃フ米国株暴翌ゥら直ちに世界恐慌につながったわけではなくて、1931年頃まで、イギリスへの影響は比較的軽微でありました。 1931年5撃ゥら欧州の銀行倒Yが始まって、31年9激Cギリスは金本位制から離脱しました。 ところが金本位制離脱後には低金利政策が可能になって、1932年から37年までのイギリスは住宅建設ブームになっています。

当栫Aイギリスの金本位制からの離脱は大きな出来魔ナしたし、1930年代は総じて不況と言ってよいのですが、一方で住宅建設は好調でした。 光と影が同時に存在した1930年代のイギリスであったのです。
スターリングシルバー ジャムスプーン with ピアストワーク


No. 18206 エドワーディアン スターリングシルバー シュガーシフター スプーン with ピアストワーク
長さ 11.7cm、重さ 17g、ボール直径 4.45cm、ボール部分の深さ 1.1cm、柄の最大幅 1.85cm、1904年 バーミンガム、

今から百年と少し前のエドワーディアンの時代に作られたシュガー シフタースプーンです。 一般にシフタースプーンは華奢な感じの品が多いのですが、ねじれ柄の最大厚みは3ミリ強あって、柄先に向けても銀が厚めで持ちはかりもあるので、しっかりした印象を受けます。 

柄先は幅広に出来ていて、見事なエングレービングが強調されるのも芸術的です。 柄のねじり構造は強度と美しさを同時に追求するのに役立っています。 ボール部分のカットは雪結晶のようで美しく、眺めているだけで楽しめる品とも思います。 

透かしは手仕魔ナ、・・引いたギザギザ跡が残っています。 マグニファイイング グラスで詳細に調べてみると、・・引いた跡も繊細で、細工のよい品であることが分かります。 鐡魔ナ糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたのですが、当桙フ手間をかけた丁寧な仕魔ヘ、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのこと。

これだけ美を追求した技巧が加えられていると、рヘどうしてもこの百年以上前に作られたエドワーディアンの小品が鑑賞用なのではないかと思えてなりません。

エドワーディアン スターリングシルバー シュガーシフター スプーン with ピアストワーク


No. 18205 ジャポニスム モチーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 13.0cm、重さ 21g、最大幅 3.2cm、ボールの深さ 0.8cm、柄先の銀球の直径 0.9cm、1896年 シェフィールド、James Deakin & Sons Ltd 作
竹を模したハンドルのデザインは、あまり見かけることがないので不v議な感じがいたします。 ブリティッシュ ホールマークを手掛かりに製作年を調べてみると、今から116年前のヴィクトリア梠繽Iり頃にあたる1896年作と分かりました。 そうなると、ジャポニスムな竹のデザインに納得がいきます。

ヴィクトリアンのジャポニスム モチーフ ブックの影響が明らかなアンティークで、рヘこういった日本とイギリスのカルチャーが交錯するシルバーを見つけると嬉しくなります。

どうして、こういった和風モチーフの銀製品がヴィクトリア梠繧フイギリスで見られるかというと、それは百五十年以上にわたる日本美術研究の蓄積がイギリスにあるからです。 

1853年のペリー来航以来、日本の工芸が広く西欧に紹介され、英国シルバーの世界にも日本の伝統的なモチーフとして蝶などの秩A泌・する鳥、扇、竹、さくら等のデザインが取り入れられていきました。1870年代、80年代のこうした潮流はオーセンティック ムーブメントとして知られています。

サムライの時代が終わった頃、1870年代前半における英国のジャポニスム謔闕桙ンについては、英国アンティーク情報欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治新政府の岩倉g節団」記膜續シで詳しく解説していますのでご覧になってください。

その後のジャポニスム研究は、モチーフブックなどの成果となって、以下のような書籍が次々と発表されていきます。
「Art and Art Industries of Japan(1878年、 Sir Rutherford Alcock)」、 「A Grammar of Japanese Ornament and Design(1880年、Cutler)」、「Book of Japanese Ornamentation(1880年、D.H.Moser)」

そして1880年代の後半にはジャポニスム モチーフブックの集大成である「Japanese Encyclopedias of Design(Batsford)」が出て、Japanese craze(日本・。の大流行)のピークとなりました。

ちなみに、イギリスにおけるジャポニスム研究書のさきがけとなった「Art and Art Industries of Japan(1878年、 Sir Rutherford Alcock)」の著メであるオールコックという名前、聞いた覚えのある方もいらっしゃるかと思います。

サー・ラザフォード・オールコックは、幕末の日本で数年間暮らしたイギリスの初代駐日公使です。 当桙フイギリス公使館は、現在の品川駅から徒歩七分、港区高輪の東禅宸ノ置かれていましたが、オールコック在任中には、攘夷派浪mが英国公使館を襲撃した東禅尠件など起こっています。 まさに命がけの日本勤務であったろうと思います。 彼は幕末日本滞在記である 『大君の都 (岩波文庫 上・中・下)』も残しています。

オールコックと言えば、幕末期のイギリス外交官としての仕魔ノ注意が向きがちですが、一方では日本美術に傾倒し、「Art and Art Industries of Japan(1878年、 Sir Rutherford Alcock)」という著作も残しているわけで、日本のよさを広く海外に紹介してくれた、よき広報官という側面もあったのでした。

オールコック初代駐日公使、「Art and Art Industries of Japan」、ヴィクトリア梠繧フJapanese craze(日本・。の大流行)、ジャポニスム研究、数多くのモチーフブック等々、こういう歴史的な背景があって、イギリスで作られ現代に到っている銀製品というわけです。

百年以上前のヴィクトリアン アンティークになりますが、コンディション良好sズ麗なことはポイントになりましょう。 

ボールの内側には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 ホールマークは順に 「James Deakin & Sons Ltd」のメーカーズマーク、1896年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールドの王冠マークになります。

「James Deakin & Sons Ltd」は1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。 1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、幕ニは順調に発展していきました。 1888年にはロンドンx店開設、ヴィクトリア梠繻繩の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。 

しかし多くのシルバースミスがそうであったように、幕ニのピークは英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。 その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。 メーカーズマークの「JD WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。
ジャポニスム モチーフ ヴィクトリアン スターリングシルバー ジャムスプーン



No. 15554 エドワーディアン スターリングシルバー クリスニング スプーン with ピアストワーク
長さ 15.7cm、重さ 28g、ボール部分の最大幅 3.2cm、透かし柄の最大幅 1.7cm、柄の最大厚み 2.5mm、1911年 シェフィールド、Walker & Hall作、
28グラムと持ちはかりがあって、しっかり出来たクリスニングのお祝い品です。 透かしは華美に過ぎず、それでいて品のよさが感じられて、英国風なシルバーウェアと思います。

全体としてみて銀がしっかり使ってあって、揩チた感じの心地よい エドワーディアン アンティーク シルバーウェアになっています。 作られたのは今から百年前の1911年で、エドワーディアンの時代が終わって一年目になりますが、デザイン上の区分としてはエドワーディアンでよいでしょう。

裏面のホールマークは順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1911年のデートレター、そして「Walker & Hall」のメーカーズマークになります。

このスプーンを作ったシルバースミス「Walker & Hall」のメーカーズマークは、O角フラッグの中に「W&H」と書かれたマークで、とても特徴があるので、一度見ると忘れられないマークです。 印象的なのはメーカーズマークばかりではなく、この銀工房の歴史をたどってみると、歴史も長く、評価の高いシルバースミスであったことが分かります。

Walker & Hallは1845年にジョージ ウォーカーによって創業され、ヴィクトリアン、エドワーディアンの時代を通じて有望なメーカーに成長しました。第一次世界大戦を境に大英帝国の最盛期が過ぎると、多くのシルバースミスも衰退する運命をたどりましたが、ウォーカー&ホールは第二次大戦後までもずっと仕魔続け、その技術は高い評価を受けていたことから、1970年代に至ってマッピン&ウェッブに買されました。
エドワーディアン スターリングシルバー クリスニング スプーン with ピアストワーク


No. 16667 アール・デコ シェルデザイン Trinity モチーフ スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 12.7cm、重さ 12g、ボール部分の最大幅 2.85cm、ボールの深さ 8mm、1934年 シェフィールド、Cooper Brothers & Son作、
作られてから八十年になろうというスターリングシルバー ジャムスプーンです。 ボール部分の基本デザインはシェルとなっていますが、1930年という年代を反映して、直線を基調としたアール・デコのシェルになっています。

柄の裏面にはメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1934年のデートレターが刻印されています。

ボール部分に近い辺りで3.5ミリの柄幅は、先端に向かって少しずつ増していって、柄先のトリニティー闡Oでは5ミリほどになります。 柄先に見えるトリニティーの最大幅は1.25センチです。 また柄の最大厚みは2ミリ繧ニなっています。

シェルパターンの歴史を振り返ってみますと、12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

クリスチャン モチーフのシェルに加えて、柄先のTrinity モチーフも興味を惹かれます。 トリニティーとは、「the Father, the Son and the Holy Spirit(父なる神、qなるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三メが一体であるとする三位一体説のことで、柄先に見える三つのこぶが三メをあらわしているというわけです。 

オックスフォードやケンブリッジの大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズカレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。

1920年代からのしばらくはアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当桙フ人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 
アール・デコ シェルデザイン Trinity モチーフ スターリングシルバー ジャムスプーン


No.16759 エドワーディアン スターリングシルバー スプーン with アール・ヌーボー ハンドル
長さ13.6cm、重さ 30g、ボール部分の直径 4.05cm、ボール深さ 6.5mm、飾り柄の最大幅 1.9cm、柄の最大厚み 3mm、1909年 シェフィールド、John Round & Son Ltd.作、
今から百年以上前のエドワーディアンの時代に作られたアール・ヌーボー ハンドルのスターリングシルバー スプーンです。

柄先のアール・ヌーボー植物デザインが特徴的な銀でありますが、30グラムと持ちはかりがあって、揩チた感じがしっかりしているのは英国風と思います。 柄元の辺りで銀の厚みは3ミリ強ほどあって、30グラムという持ちはかりと合わせて、閧ノしたときの重厚感として効いてきます。 こうした重厚感はトラディショナル イングリッシュ アンティーク シルバーのよい特徴と感じます。 古い品ですが、コンディション良好sズ麗なのもよいでしょう。

柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、シェフィールドの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1909年のデートレター、そしてJohn Round & Son Ltd.のメーカーズマークです。

メーカーのJohn Round & Son Ltd.はシェフィールドの大きなシルバースミスで、アンティークとしても今日でもよく見かける有名メーカーの一つです。 ジョン ラウンドによって1847年シェフィールドで創業され、当初はスプーンとフォークのメーカーでした。職人技の素晴らしさとデザインの優雅さで、汨謔ノその評価を確立して、息子のエドウィンをパートナーとして迎える頃には、銀器なら何でもこなすシェフィールドの大メーカーに成長していました。 第一次大戦を境にしてイギリスの国力が衰えていくと、多くのシルバースミスも衰退していった中で、John Round & Sonは1962年までシルバースミスとして仕魔続けていたというのも珍しい例と思います。
エドワーディアン スターリングシルバー スプーン with アール・ヌーボー ハンドル


No. 16637 シルバープレート Oつ葉のクローバー ピアストワーク ジャムスプーン
長さ 15.8cm、重さ 28g、ボール部分の最大横幅 3.65cm、柄の最大厚み 2.5mm、透かし柄の最大幅 2.7cm、透かし部分の厚み 2mm
シルバープレートの品ですが、條ヤをかけて作られた素晴らしい出来栄えで、美しいなかにも重厚な雰囲気を持った、いかにも英国風なアンティークと感じます。 柄先に向かって三つ葉のクローバーのデザインで、モチーフのよさに惹かれて求めました。  

さらに加えて、透かし部分は2ミリほどの厚みがあり、ピアストワークとしてはかなりの厚みになっていることが、この品の特筆すべきポイントになっています。 ハ真l番目に透かし部分側面の様qを撮ってみました。 ピアストワークの厚みを感じていただけると思います。

ボール部分がフラットな構造のジャムスプーンは、英国アンティーク ジャムスプーンとしては少ないタイプになることから、こうした平板タイプのジャムスプーンを特に集めるコレクターの方があります。 置いた時にテーブル面に接するボール部分下部にはプレートの薄れもありますが、あまり目立つところではありませんし、これはアンティークの味わいのうちでしょう。

閧ノしてみると、長さが15.8センチに、最大幅は3.65センチと、けっこう大きなサイズです。 ボール部分が平板タイプでもあることから、ジャムスプーンという用途に縛られずに、オードブルサーバーとして使っていくなど、多目的なスプーンになるでしょう。

・・引いた跡も繊細で、ルーペで詳細に調べてみると、細工のよい品であることが分かります。 鐡魔ナ糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたのですが、当桙フ手間をかけた丁寧な仕魔ヘ、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのこと。 

そもそもこれだけの仕魔ェ出来る職人さんは、現代では探しても見つからないわけで、このジャムスプーンのピアストワークを眺めているだけでもアンティークな気分に浸れます。

英語には「live in the clover (安楽に暮らす)」という言い回しがあり、こうした三つ葉のクローバーのよい意味合いが、このジャムスプーンには込められています。 クローバーと安楽の繋がりについて、牧草を刈り入れしていたファーマーの方から教えていただいたことがあるので、ご紹介しておきましょう。 

牧草など植物の成長には土中の窒素分が必要ですが、クローバーは進化した植物で、大気中の窒素を直接に取り込んで養分に出来るのだそうです、そのため、クローバーのある畑は肥沃になります。 また家畜の飼料としてもクローバーの繊維質とプロテインが動物たちの成長に欠かせないのだそうです。 と言うわけで、クローバーに恵まれた農場は栄え、安楽に暮らしてゆけるということでした。

シルバープレートウェアの見方については、アンティーク情報欄 「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治新政府の岩倉g節団」の解説記魔烽イ参考ください。
シルバープレート Oつ葉のクローバー ピアストワーク ジャムスプーン


No. 17033 エイコーン (Acorn = どんぐり) モチーフ シルバー スプーン
 一部 SOLD
長さ 13.5cm、重さ 13g、ボール部分最大幅 2.65cm、柄の最大幅 1.5cm、柄の最大厚み 1mm強、ドイツ製、 (5本あります-->3本あります。)
葉っぱに大小四つのどんぐりが可愛らしく、柄先のデザインもゴージャスな銀のスプーンです。 柄の最大幅は1.5センチあって、長さ13.5センチとあわせると、銀のティースプーンとしてはビックサイズと思います。

エイコーン(Acorn=どんぐり)は、古くはローマ梠繧ノまで遡れるモチーフの一つで、ケルティックやスカンジナビアン アートにおいても、Life(生命)、Fecundity(豊かさ、生産力)、Immortality(永久になくならないこと)を表象するモチーフとして好まれてきました。 そして繁栄をシンボライズするクリスチャンモチーフとして、今日にも引き継がれています。

また、英語には『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』という諺があって、一粒の小さなどんぐりで樫の大木を象徴する表現も好んで使われることが多いようです。 

ハ真のどんぐりデザインの銀スプーンは、元々ティースプーンとして作られたものと思います。 ただし、長さ13.5センチと大きめサイズなことから、現代的な使い方としては、普段gいの一本として、あるいはデザートスプーンとされてもよさそうなサイズです。

ハ真O番目に見えるように、柄の裏面にはドイツ製シルバーのスタンダードマークである「Crown & Moon」、銀純度80%を示す「800」マーク、そしてメーカーズマークが刻印されています。 柄先に見える楕円上のイニシャルエングレービング面に何も彫られていないので、お好みのイニシャルを彫って使うことも出来ましょう。
エイコーン (Acorn = どんぐり) モチーフ シルバー スプーン


No. 15087 スターリングシルバー ジャムスプーン with ピアストワーク
長さ 13.6cm、重さ 26g、ボール部分の最大幅 3.8cm、透かし柄の最大幅 2.2cm、1931年 ロンドン、
以前に同じタイプの銀スプーンを扱いましたが、こちらの方が大きめサイズになります。

ピアストワークの丁寧な仕鱒Uりに、繊細なリースの彫刻、そして銀の質感も感じられて、しっかり出来oズ麗なアンティークと思います。 ハ真二番目に見えるように、柄の裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがどれも深く刻印されているのもよいでしょう。

ハ真二番目のホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1931年のデートレターになります。

それでは、ハ真の品が作られ使われた当桙フイギリスはどんなであったのか。 先日、お客様との遣り取りの中で、調べてみる機会がありました。

1929年に始まった世界恐慌といいますと、рスちは世界jをアメリカ中心に学んできましたので、米国株暴翌ゥら世界中一緒に奈翌フ底に翌ソて行ったかのように思ってしまいがちです。 

タ際のところは、1929年10撃フ米国株暴翌ゥら直ちに世界恐慌につながったわけではなくて、1931年頃まで、イギリスへの影響は比較的軽微でありました。 1931年5撃ゥら欧州の銀行倒Yが始まって、31年9激Cギリスは金本位制から離脱しました。 ところが金本位制離脱後には低金利政策が可能になって、1932年から37年までのイギリスは住宅建設ブームになっています。

当栫Aイギリスの金本位制からの離脱は大きな出来魔ナしたし、1930年代は総じて不況と言ってよいのですが、一方で住宅建設は好調でした。 光と影が同時に存在した1930年代のイギリスであったのです
スターリングシルバー ジャムスプーン with ピアストワーク


No. 15641 植物模様 ハンドエングレービング デンマーク製 ブライトカット スプーン
長さ 15.0cm、重さ 21g、最大幅 3.6cm、柄の最大幅 1.4cm、柄の最大厚み 2mm、コペンハーゲン アセイオフィス、
植物模様 ハンドエングレービング デンマーク製 ブライトカット スプーン


No. 18260 スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 15.1cm、重さ 33g、ボール部分の長さ 5.7cm、最大幅 3.8cm、柄の最大幅 1.35cm、柄の最大厚み 3mm、1920年 シェフィールド、

もうすぐ百年になろうという古さのスターリングシルバー ジャムスプーンです。 33グラムと持ちはかりがあり、閧ノしてみると重厚な銀の質感に魅力を感じるアンティークです。 ボール部分のフォルムや、ゆったりゆるやかに伸びていく柄の様qには品のよさが感じられ、気に入りました。 

柄は最大で3ミリの厚みがあって、ジャムスプーンとしては厚めに出来ており、ボール部分の銀の厚みも含めて、純銀をたっぷり使ったふっくら系のジャムスプーンに仕上げっております。 ボールサイドに入った切れ込みのノッチ構造や、しっかりと持ちはかりのある作りなど合わせて考えると、英国アンティーク ジャムスプーンの典型といえる雰囲気を持った品と言えましょう。 

ハ真二番目のように、裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順にメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1920年のデートレターになります。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in ten years. (この品はあと十年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年撃フ経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

このシルバーウェアが作られたのは1920年ですから、正式なアンティークに昇格するまでにあとまだ数年が必要になる計Zです。 しかし、気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、このセットには、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

ハ真のジャムススプーンが作られた当桙フイギリスはどんな様qであったのか、アンティークの歴史的背景を知っていく上で参考になる、とてもよい映像送ソを一つご紹介しておきましょう。 デイビット・スーシェ蜑奄フポワロシリーズ『The Mysterious Affair at Styles (スタイルズ荘の怪事件)』です。 

原作は1920年に書かれており、梠辮ン定は第一次世界大戦(1914年-1919年)の後半、舞台はイギリスの美しい田園地帯にある村と、そこにあるマナーハウス(領主館)となっております。 一般にポワロシリーズは1930年代のイギリスに時代設定しているのですが、この話は「名探偵ポワロ登場」とも言うべき記念の第一作であって、原作通りに1917年か18年頃のイギリスを描いています。

そうなると、他の作品群と違って1910年代のイギリスが見られるのが著しい特徴です。 戦争のために祖国を離れて疎開してきている外国人たちの様qは、当桙フイギリスミ会の状況を映しております。 また、登場するクラシックカーを見るだけでも価値ありと言うイギリス人の友人もおります。 確かに1910年代のクラシックカーは、30年代と比べると一段とアンティークです。 クラシックカーのみならず、乗り合いバスや病院馬ヤなども登場して趣向が凝っています。 

また、マナーハウスの庭でのアフターヌーンティーの様qは楽しいですし、まだ電灯が普及していなかった時代ですので、ランプとロウソクというアンティークな暮らしの描かれ方にも興味を惹かれます。 ロウソク燭台やオイルランプ、夕方になって薄暗くなってもランプを付けない当桙フ暮らし、ディナーテーブルの様q、夜間も電灯はないのでロウソクを持ち歩いたり、ランプに灯を入れたりします。 梠纃l証のしっかりした映像作品を見ることは、アンティークの勉強に役立ちます。
スターリングシルバー ジャムスプーン


No. 18264 ねじり柄 デザイン シルバー スプーン
長さ 17.4cm、重さ 23g、最大幅 3.7cm、ボール部分の長さ 5.8cm、ボール部分の深さ 0.8cm、球飾り直径 1.0cm、

ねじり柄e畉麗な銀のスプーンで、ボール部分はゴールドギルトされています。 

ハンドル部分に見えるねじり構造は、柄の強度をアップするのと同時に、光の反射e畉麗で装飾的な美しさを追求するのに役立っています。 ハンドル部分は中まで銀e瀁密なソリッドシルバーなので、ねじりデザインを効かすのは、かなりの労力であったろうと思います。 

裏面の柄元にはメーカーズマークとシルバーマークがあります。 ノルウェー製のシルバーと思います。

ねじり柄 デザイン シルバー スプーン



No. 18542 アール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 12.6cm、重さ 13g、ボール部分の最大幅 2.85cm、ボール部分の長さ 3.3cm、ボールの深さ 6mm、1937年 シェフィールド、

今から70年以上前に作られたアール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーンです。 八角構造のボール部分に見える基本デザインがシェルとなっています。 1930年代という時代を反映して、直線を基調としたハンドル、八角形のボール部分、そしてシェルの放射状デザインとなっているのがポイントです。

柄の裏面にはメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1937年のデートレターが刻印されています。

もうすぐ八十年が経過しようというスプーンですが、コンディションがよくて、銀の輝きe畉麗な品です。 ジャムスプーンはもとより、ティーキャディー スプーンとして使ってみてもよさそうです。

このシェルパターンの歴史を振り返ってみますと、12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

1920年代からのしばらくはアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当桙フ人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコについてはいろいろな説明がありますが、この解説はかなり言いえているように思います。 イギリスを隅々まで旅してみて、どんな小さな田ノの村にも、第一次大戦の戦没メを悼む記念碑が建っているのを知りました。 英国人の暮らしを根底から揺るがした出来魔ナあったことが想像されるのです。

アール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーン


No. 15168 ジャーマン シルバーサーバー
長さ 20.4cm、重さ 51g、ボール部分直径 7.5cm、ハンドルの最大厚み 7.5mm、ドイツ製 「800銀」、
ボール部分の植物模様はハンドエングレービングで、光の反射e畉麗です。 柄は正四角錐の格好で柄先に向かって太くなりますが、最大厚みは7.5mmもあってしっかりした印象です。 柄には四面ともに波模様の彫刻が彫られているのもよいでしょう。

柄の裏面にはジャーマンシルバーのステートマークである「Crown & Moon」と、800銀を示すホールマークが刻印されています。
アンティーク ジャーマン シルバーサーバー


No. 15156 スウェーデン製 シルバー サービングスプーン
長さ 19.8cm、重さ 56g、ボール部分の長さ 8.1cm、最大横幅 4.55cm、ボールの深さ 1.0cm、柄先の最大直径 1.6cm、1880年代 スウェーデン製、
56グラムと持ちはかりがあって、しっかり出来た重厚な雰囲気には、どちらかというとイギリス風を感じるシルバー アンティーク サービングスプーンです。 ボール部分は大きめかつ深めで、いろいろな用途で活躍してくれそうです。 ハンドルもどっしりしていて好感が持てます。 

柄のデザインは、なかなかに凝った装飾で、綺麗に仕上げられたシルバー サーバーと感じます。

ハ真二番目をご覧いただくと、裏面の柄元にはお団q形状の「Oつの王潟Bマークがありますが、これがスウェーデン製シルバーウェアのステートマークになります。
スウェーデン製 シルバー サービングスプーン


No. 15070 アダム&イブ ピアストワーク飾り スターリングシルバー デザートスプーン
長さ 14.9 cm、ボール部分最大幅 3.0cm、ボール部分深さ 0.8cm、重さ 36g、1922年 シェフィールド、William Hutton & Sons Ltd作、
ボール部分、柄、そして透かし部分とすべて銀に厚みが感じられて、36グラムと持ちはかりがあるスターリングシルバー スプーンです。 デザートスプーン サイズになりますが、現代的な使い方としては、普段gいの一本としても十分な大きさと思いますので、デザート用途に限らず、いろいろとお使いいただけるでしょう。 

柄先の透かし部分は最大厚みが2ミリほどあって、透かし断面には糸鋸を手仕魔ナ引いたギザギザ跡が残っています。 特に、この透かし部分の銀には厚みが感じられて、鐡魔フ作業は大変だったろうと思いますが、閧ノした時の重厚感は好印象な仕上がりです。 

鐡魔ナ糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたことがありますが、作業にかなりの時間を要するこうした透かし細工は、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのことでした。 そして、そもそもこれだけの技術を持った職人さんが現代ではいなくなっているのです。 

アダム&イブのモチーフから考えて、クリスティングのお祝い品と考えておりました。 ところが、d入先からの情報で追加で二本入手しました。 同タイプの銀製品があるということは、すぐれて個人的なクリスティングスプーンというよりは、教会関係の記念の品であるとか、なにか他の背景も考えられるかなと思います。 

ハ真O番目に見えるように、ボール裏面には四つのブリティッシュ ホールマークが刻印されております。 ホールマークは順にWilliam Hutton & Sons Ltdのメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1922年のデートレターになります。

「William Hutton & Sons Ltd」は1800年ちょうどにWilliam Huttonが始めた歴史のある銀工房です。 息子から孫へと家族経営が続き、まわりのシルバースミスを吸香羯しながら、汨謔ノ有力メーカーの一つに成長していきました。 そして、ヴィクトリアン後期には、Herbert, Robert, Edwardの三人の孫たちが共同パートナーとなって銀工房が運営されておりました。

末っ子のEdwardには、最も芸術センスがあったのか、本体である「William Hutton & Sons Ltd」のメーカーズマークの他に、独自のメーカーズマークである「EH」刻印の作品が今に残っています。

おそらく、二人の兄たちはファミリービジネスの規模を拡大するという経営面に、より長けていて、末っ子のEdwardは経営より銀そのものに関心が高い人だったのではないかと思うのです。

「William Hutton & Sons Ltd」のメーカーズマークは縦横に並んだ文字配列が特徴的なので、一度でも見れば記憶に残ることでしょう。 楕円形のメーカーズマーク中央に位置する大きなHの文字がマークを四つの領域に分割し、それぞれにW、&、Ss、LDの文字が配された凝った作りのメーカーズマークになっています。
アダム&イブ ピアストワーク飾り スターリングシルバー デザートスプーン




No. 15170 エドワーディアン スターリングシルバー サービングスプーン
長さ 19.0cm、重さ 40g、最大横幅 5.0cm、柄の最大幅 2.0cm、柄の最大厚み 2mm強、1911年 シェフィールド、James Deakin & Sons Ltd作、
今から百年近く前に作られたスターリングシルバー サービングスプーンです。 ボール部分のカットが優雅で美しく、柄に施された繊細なエングレービングと合わせてエレガントなシルバーウェアに仕上がっています。 この品が作られた1911年は、エドワーディアンの時代が終った直後で第一次大戦が始まる前であることから、デザインや様ョ的にエドワーディアンと呼んで差し支えない時代の雰囲気を反映した銀器になっているものと思います。

ハ真O番目のように、裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているのもよいでしょう。 ホールマークは順uAJames Deakin & Sons Ltd」のメーカーズマーク、1911年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールド アセイオフィスの王冠マークになります。

「James Deakin & Sons Ltd」は1865年にジェームス・ディーキンによってシェフィールドで創業されたのが始まりです。 1886年には彼の三人の息子達、ウィリアム、ジョン、アルバートもパートナーに加わり、ファミリービジネスとして上述の社名に変更し、幕ニは順調に発展していきました。 1888年にはロンドンx店開設、ヴィクトリア後期の1890年代には、スコットランドのグラスゴーとアイルランドのベルファストにも支店を開設しています。 

しかし多くのシルバースミスがそうであったように、幕ニのピークは英国の国力がピークであったビクトリア後期からエドワーディアンの時代にあったようです。 その後は事業を次第に縮小していき第二次世界大戦が始まった1940年には店を閉めました。 メーカーズマークの「JD WD」はJohn & William Deakinのイニシャルになっています。
エドワーディアン スターリングシルバー サービングスプーン







No. 15413 マッピン&ウェブ P&O シルバープレート テーブルスプーン
長さ 21.0cm、最大横幅 4.5cm、重さ 80g、ボール部分の長さ 7.6cm、ボールの深さ 1.2cm、柄の最大幅 1.35cm、柄の最大厚み 3mm、エドワーディアンから1930年代頃の英国製、Mappin & Webb作

マッピン&ウェブ作になるシルバープレートのテーブルスプーンです。 柄の裏面には「Mappin & Webb」の刻印と 「P&O」の刻印があることから、マッピン&ウェッブのシルバープレート テーブルスプーンで、「P&O」のオーシャンライナーで使われていた品と分かります。 

M&Wのシルバープレートでオーシャンライナーd様品というのは、デートレターはなくても、M&Wや船会社の事業の盛衰から、年代がある程度推定できるという意味で、とても興味を惹かれます。 デートレターがなくても、歴史の流れを考@することによって、gわれていた時代が見えてくる。 五十年、百年が経った時に、こういう品こそが、本当に興味深いアンティークなのではないかと思います。

詳しくは以下に述べるとして、gわれていたのは、エドワーディアンから1930年代あたりまでの時代と考えられます。

なお、「P&O」とは、1822年創業のイギリスの船会社 Peninsular and Oriental Steam Navigation Company を意味しています。

旅客機が登場する前の時代においては、例えばイギリスからアメリカに向かう大西洋航路を行き交った豪華客船 オーシャンライナーは、映画 『タイタニック』を見るまでもなく、国と国を結ぶ交通の花形でありました。 

考えてみると、日本航空や全日空のなかった時代のことですから、文部省の官費留学生として英語研究の為にイギリス留学した夏目漱石などは、香港、シンガポール、インド洋、スエズ運河、地中海を経由して、フランス上陸後は鉄道を使って、一ヶ券シほどかけてイギリスまで旅しております。 

百年前の船会社と言うのは、やっぱり格好いい、憧れの職場だったことでしょう。 当桙フ船会社は、海外旅行をする人々を運ぶ旅客輸送と、船荷の輸送を合わせて行う会社であって、例えて言えば、日本航空と日本郵船と日本通運が一緒になったような役割を果たしていました。

旅客輸送を航空機に取って代わられる以前の、船会社のステイタスを想像してみることが、ハ真のアンティークを見る上で役に立ちます。 ノスタルジーを感じさせてくれる客船関連のアンティークとでも言いましょうか、рヘこういう品が好きなので気になります。 旅が好きなもので、ノスタルジックな船旅には特に興味を惹かれます。 イギリスのサザンプトンからフランスのノルマンディーまで船でたびたび渡りました。 ドーバー海峡をフェリーで船旅というのも、條ヤはかかるけど味わいがあって楽しいものです。 そういえば、日本では横浜港からロシアのナホトカまで船旅したこともありました。 

M&Wのシルバープレートでオーシャンライナーd様品というのは、デートレターはなくても、M&Wや船会社の事業の盛衰から、年代がある程度推定できるという意味で興味を惹かれます。

英米を結ぶ大西洋航路のオーシャンライナーは1960年代に、ついに消えてしまったわけですが、勢いがあったのは1930年代までで、その後は下り坂でした。 オーシャンライナーが衰退していく過程で、M&Wは高級品メーカーになっていく途上にありました。 下り坂と上り坂が交錯しあう辺りが、M&Wからオーシャンライナーd様のシルバープレートウェア供給が止まった限界点だったと考えられます。

マッピン&ウェブについては以下の記魔烽イ参考ください。
http://www.igirisumonya.com/punch.htm

ついでながら、旅客機について一つ思うこと。 1980年代には例えばルフトハンザの食沫pスプーンやナイフやフォークは、エコノミークラスに到るまですべてスティール製が供されていたことを覚えています。 今ではコスト削減で、gい捨てのプラスチック製が普通でしょう。 それどころか、かつてオーシャンライナーを駆逐した航空会社そのものが、一国に一つの航空会社が必要なのかどうかまで問われる時代になってきました。 ナショナル・キャリヤーなんて言葉があったのは今は昔という感じで、欧州各国の航空会社は合併が進んでいます。

客船や旅客機で使われたスプーン一つから、ノスタルジックな昔を思い、世の中の動向についても、いろいろと考えてみることが出来るのは楽しいことと思います。

旅の手段と言えば、船、飛行機、鉄道、ゥ動車でしょうか。 旅関連のアンティークで、客船もの、航空機もの、鉄道もの、ゥ動車ものコーナーを作ってみたい気がしています。

マッピン&ウェブ P&O シルバープレート テーブルスプーン


No. 15178 ヴィクトリアン スターリングシルバー ベリースプーン with ゴールドギルト
長さ 22.0cm、重さ 57g、ボール部分の長さ 7.9cm、深さ 1.2cm、最大横幅 4.7cm、1852年 エクセター、Robert, James & Josiah Williams作、
あまり使われた様qがなく、コンディションが良い品です。 裏面のホールマークがしっかり深く刻印されていて、見ていて気揩ソよいのも好きです。 ハ真O番目のホールマークは順に、メーカーズマーク、ヴィクトリア女王の横顔でデューティーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、エクセター アセイオフィスのキャッスルマーク、そして1852年のデートレターになります。 

ボール部分にはパイナップルなどのフルーツが打ち出し装飾で飾られ、さらにゴールドギルトが加えられて、ボールエッジのウェイブパターンも装飾的で豪華な雰囲気になっています。 柄の小花模様もワンポイントながら可愛らしいでしょう。 

この品はまず、エクセターのキャッスルマークが刻印されたテーブルスプーン サイズで、大きめなレア物アンティークであることに惹かれました。 

英国のホールマーク制度にあっては、ロンドン、シェフィールド、バーミンガムのアセイオフィスの役割が大きくて、Oつを合わせたシェアは9割ほどになるでしょう。 逆に言えば、それ以外のアセイオフィス マークが刻印されたシルバーウェアは珍しいので、そこにレア物の価値を見出すコレクターがいるのです。

エクセターのキャッスル マークがレアな理由は、エクセターのアセイオフィスがヴィクトリアン後期の1883年に閉鎖されてしまったことにもよります。 エクセターものと言えば自動的に120年以上の古さを誇るアンティークとなるわけで、品物が少ないのは当たり前というわけです。

ハ真のようなアンティーク ベリースプーンがイギリスで作られるようになったのは、ヴィクトリア梠繧ノ大英帝国の海外版図が拡大し、エキゾチックな果物が手に入るようになった19世紀の中頃からです。 当桙ヘジョージアンのテーブルスプーンを装飾加工して、ベリースプーンに仕上げることが流行したため、今日私たちがアンティークのベリースプーンを手にしてみると、ジョージアンのホールマークが刻印されていることがほとんどです。 このため、ベリースプーンには作られた時が二回あることになるのです。 ホールマークによって確認できる、ベースのジョージアンスプーンが作られた時が一回目で、ベリースプーンに加工されたヴィクトリアンの時代が二回目というわけです。 そして二回目の加工年は特定出来ないのが普通です。

ほとんどのアンティーク ベリースプーンはこうした過汲持っているのですが、ハ真のスプーンのホールマークを読み取ってみると、ヴィクトリア梠繧燻nめの頃の1852年なので、このスプーンの作られた背景の解釈には二通りの考え方が出てきます。 一つは銀工房が初めからベリースプーンを作る目的で1852年に作った品であるという考え方、二つには1852年にベースになっているテーブルスプーンが作られて、ベリースプーンに装飾加工されたのはもっと後という考え方です。 ベリースプーン流行のピークはヴィクトリア梠繻續シの1880年頃から90年頃で、1852年にベリースプーンというのはちょっと早すぎるので、二番目の考えがおそらく真相に近いのではないかと私は思うのです。
ヴィクトリアン スターリングシルバー ベリースプーン with ゴールドギルト








No. 15164 スターリングシルバー サービングスプーン with フラワーエングレービング
長さ 20.6cm、重さ 77g、ボール部分の長さ 6.9cm、ボール部分最大幅 5.2cm、柄の最大幅 2.5cm、1913年 シェフィールド、John Round & Son Ltd.作、
かなり重たい純銀サービングスプーンで、エングレービングも素晴らしいと思います。 柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、シェフィールドの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1913年のデートレター、そしてJohn Round & Son Ltd.のメーカーズマークです。

メーカーのJohn Round & Son Ltd.はシェフィールドの大きなシルバースミスで、アンティークとしても今日でもよく見かける有名メーカーの一つです。 ジョン・ラウンドによって1847年シェフィールドで創業され、当初はスプーンとフォークのメーカーでした。 職人技の素晴らしさとデザインの優雅さで、汨謔ノその評価を確立して、息子のエドウィンをパートナーとして迎える頃には、銀器なら何でもこなすシェフィールドの大メーカーに成長していました。 第一次大戦を境にしてイギリスの国力が衰えていくと、多くのシルバースミスも衰退していった中で、John Round & Sonは1962年までシルバースミスとして仕魔続けていたというのも珍しい例と思います。



No. 15176 ジョージアン スターリングシルバー ハノーベリアン パターン テーブルスプーン with ヴィクトリアン デコレーション
長さ 20.4cm、重さ 46g、ボール部分の長さ 7.3cm、深さ 1.0cm、最大横幅 4.25cm、1775年 ロンドン、
ジョージアンのテーブルスプーンを素材にして、ヴィクトリア梠繧ノデコレーションを加えたベリースプーンです。 ボール部分のフルーツ装飾は立体感があって、光に当たるとゴールドの色合いが美しいだけでなく、柄の表側は装飾も凝っています、また、柄の裏面には軽く打ち出しの細工も施されています。 

ゴールドギルトされたボール部分にフルーツの打ち出し装飾という、このタイプのスプーンはベリースプーンと呼ばれます。 ゴールドギルトは装飾的な美しさを追求すると同時に、ゴールドは果物の酸にも強いからという実用上の理由もあって、ベリースプーンに採用されています。 ヴィクトリアンの食卓では、ラズベリー、ブラックベリー、ストロベリー等のベリー類のコンポートが好まれたようですが、これらを総称したサマーフルーツは今でもイギリス人のお気に入りです。 

ベリースプーンがイギリスで作られるようになったのは、ヴィクトリア梠繧ノ大英帝国の海外版図が拡大し、エキゾチックな果物が手に入るようになった19世紀の中頃からです。 当桙ヘジョージアンのスプーンを装飾加工して、ベリースプーンに仕上げることが流行したため、今日私たちがアンティークのベリースプーンを手にしてみると、ジョージアンのホールマークが刻印されていることがほとんどです。 このため、ベリースプーンには作られた時が二回あることになるのです。 ホールマークによって確認できる、ベースのジョージアンスプーンが作られた時が一回目で、ベリースプーンに加工されたヴィクトリアンの時代が二回目というわけです。 そして二回目の加工年は特定出来ないのが普通です。

この品の場合は、ベースのジョージアンスプーンがハノーベリアンパターンで、かなり古い品であることも、おもしろい特徴になっています。 ホールマークがボール部分に近い、柄の細い部分に刻印されていて、古いスプーンに特徴的なボトムマーキングになっているのもよいでしょう。 裏面のホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドンレオパードヘッド、そして1775年のデートレターになります。

ハノーベリアンパターン パターンは柄先が手前に曲がっていることをメルクマールに、オールドイングリッシュパターンと区別されます。 1710年頃登場し1770年頃まで作られていましたが、これはジョージアンの時代でもジョージ一世とジョージ二世が国王であったジョージアン前期とほぼ重なっています。

英国のシルバーウェアにはデートレターの制度があるので、製作年を特定できるわけですが、この品には二世紀半以上前のアンティークである手掛かりが、他にもいくつか残っていますので、順に検討してみましょう。

このスプーンはイニシャルが柄先の裏面に刻んであります。 このことは当桙フテーブルマナーとして、今とは逆にスプーンが伏せた格好でセッティングされていたことを示唆しています。 スプーン一つの形状から、昔の暮らしを想像できることはとても興味深く思います。

ホールマークの刻印のされ方自体も歴史を語っています。 第一にホールマークの横に長い形です。 ライオンパサントやロンドンレオパードヘッドは六、オミリの横長があって、これはオールドファッションなブリティッシュ ホールマークの特徴です。 第二にホールマークの刻印箇所が柄のボールに近い部分であることです。 この手法はボトムマーキングと呼ばれ、1700年頃から1770年頃に流行った方法になります。

イギリスのアンティークスプーンのデザインパターンや、テーブルマナーの変遷について、詳しくは「英国アンティーク情報」欄にあります「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記魔烽イ覧ください。
ジョージアン スターリングシルバー ハノーベリアン パターン テーブルスプーン with ヴィクトリアン デコレーション






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