英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 16637 シルバープレート 三つ葉のクローバー ピアストワーク ジャムスプーン
長さ 15.8cm、重さ 28g、ボール部分の最大横幅 3.65cm、柄の最大厚み 2.5mm、透かし柄の最大幅 2.7cm、透かし部分の厚み 2mm弱、一万二千円

シルバープレートの品ですが、時間をかけて作られた素晴らしい出来栄えで、美しいなかにも重厚な雰囲気を持った、いかにも英国風なアンティークと感じます。 柄先に向かって三つ葉のクローバーのデザインで、モチーフのよさに惹かれて求めました。  

さらに加えて、透かし部分は2ミリほどの厚みがあり、ピアストワークとしてはかなりの厚みになっていることが、この品の特筆すべきポイントになっています。 写真四番目に透かし部分側面の様子を撮ってみました。 ピアストワークの厚みを感じていただけると思います。

ボール部分がフラットな構造のジャムスプーンは、英国アンティーク ジャムスプーンとしては少ないタイプになることから、こうした平板タイプのジャムスプーンを特に集めるコレクターの方があります。 置いた時にテーブル面に接するボール部分下部にはプレートの薄れもありますが、あまり目立つところではありませんし、これはアンティークの味わいのうちでしょう。

手にしてみると、長さが15.8センチに、最大幅は3.65センチと、けっこう大きなサイズです。 ボール部分が平板タイプでもあることから、ジャムスプーンという用途に縛られずに、オードブルサーバーとして使っていくなど、多目的なスプーンになるでしょう。

糸鋸を引いた跡も繊細で、ルーペで詳細に調べてみると、細工のよい品であることが分かります。 手仕事で糸鋸を引いていくのですから、職人さんの優れた技術と多くの時間がかかります。 現代のシルバースミスの方からお聞きしたのですが、当時の手間をかけた丁寧な仕事は、現代の労働コストが上昇した英国では、大変なお金がかかり、もはや出来ないとのこと。 

そもそもこれだけの仕事が出来る職人さんは、現代では探しても見つからないわけで、このジャムスプーンのピアストワークを眺めているだけでもアンティークな気分に浸れます。

英語には「live in the clover (安楽に暮らす)」という言い回しがあり、こうした三つ葉のクローバーのよい意味合いが、このジャムスプーンには込められています。 クローバーと安楽の繋がりについて、牧草を刈り入れしていたファーマーの方から教えていただいたことがあるので、ご紹介しておきましょう。 

牧草など植物の成長には土中の窒素分が必要ですが、クローバーは進化した植物で、大気中の窒素を直接に取り込んで養分に出来るのだそうです、そのため、クローバーのある畑は肥沃になります。 また家畜の飼料としてもクローバーの繊維質とプロテインが動物たちの成長に欠かせないのだそうです。 と言うわけで、クローバーに恵まれた農場は栄え、安楽に暮らしてゆけるということでした。

シルバープレートウェアの見方については、アンティーク情報欄 「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事もご参考ください。

シルバープレート 三つ葉のクローバー ピアストワーク ジャムスプーン



裏面の様子



イギリス アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ