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No. 16667 アール・デコ シェルデザイン Trinity モチーフ スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 12.7cm、重さ 12g、ボール部分の最大幅 2.85cm、ボールの深さ 8mm、1934年 シェフィールド、Cooper Brothers & Son作、一万三千円

作られてから八十年になろうというスターリングシルバー ジャムスプーンです。 ボール部分の基本デザインはシェルとなっていますが、1930年という年代を反映して、直線を基調としたアール・デコのシェルになっています。

柄の裏面にはメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1934年のデートレターが刻印されています。

ボール部分に近い辺りで3.5ミリの柄幅は、先端に向かって少しずつ増していって、柄先のトリニティー手前では5ミリほどになります。 柄先に見えるトリニティーの最大幅は1.25センチです。 また柄の最大厚みは2ミリ弱となっています。

シェルパターンの歴史を振り返ってみますと、12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

クリスチャン モチーフのシェルに加えて、柄先のTrinity モチーフも興味を惹かれます。 トリニティーとは、「the Father, the Son and the Holy Spirit(父なる神、子なるイエス・キリスト、そして聖霊)」の三者が一体であるとする三位一体説のことで、柄先に見える三つのこぶが三者をあらわしているというわけです。 

オックスフォードやケンブリッジの大学に行きますと、キングスカレッジやクイーンズカレッジなどの名前に加えて、トリニティーカレッジもおなじみです。 トリニティーという概念は、昔から重要な役割を果たして来たことがうかがい知れます。

1920年代からのしばらくはアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコ シェルデザイン Trinity モチーフ スターリングシルバー ジャムスプーン

アール・デコ Trinity モチーフ & シェルデザイン スターリングシルバー ジャムスプーン

アール・デコ Trinity モチーフ & シェルデザイン スターリングシルバー ジャムスプーン

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