英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 18260 スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 15.1cm、重さ 33g、ボール部分の長さ 5.7cm、最大幅 3.8cm、柄の最大幅 1.35cm、柄の最大厚み 3mm、1920年 シェフィールド、一万六千五百円

もうすぐ百年になろうという古さのスターリングシルバー ジャムスプーンです。 33グラムと持ちはかりがあり、手にしてみると重厚な銀の質感に魅力を感じるアンティークです。 ボール部分のフォルムや、ゆったりゆるやかに伸びていく柄の様子には品のよさが感じられ、気に入りました。 

柄は最大で3ミリの厚みがあって、ジャムスプーンとしては厚めに出来ており、ボール部分の銀の厚みも含めて、純銀をたっぷり使ったふっくら系のジャムスプーンに仕上げっております。 ボールサイドに入った切れ込みのノッチ構造や、しっかりと持ちはかりのある作りなど合わせて考えると、英国アンティーク ジャムスプーンの典型といえる雰囲気を持った品と言えましょう。 

写真二番目のように、裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順にメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1920年のデートレターになります。

英国で「アンティーク」という言葉を厳密な意味で使うと、「百年以上の時を経た品」を指すことになります。 そんな訳で、英語で言うと「It will become an antique in ten years. (この品はあと十年でアンティークになります。)」という言い方をされることがあります。 アンティークコレクターにとっては、やはり百年という年月の経過は大きなメルクマールになりますので、上記のような会話がなされる機会も多いのです。 

このシルバーウェアが作られたのは1920年ですから、正式なアンティークに昇格するまでにあとまだ数年が必要になる計算です。 しかし、気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、このセットには、そんな楽しみ方もあるかと思うのです。

写真のジャムススプーンが作られた当時のイギリスはどんな様子であったのか、アンティークの歴史的背景を知っていく上で参考になる、とてもよい映像資料を一つご紹介しておきましょう。 デイビット・スーシェ主演のポワロシリーズ『The Mysterious Affair at Styles (スタイルズ荘の怪事件)』です。 

原作は1920年に書かれており、時代設定は第一次世界大戦(1914年-1919年)の後半、舞台はイギリスの美しい田園地帯にある村と、そこにあるマナーハウス(領主館)となっております。 一般にポワロシリーズは1930年代のイギリスに時代設定しているのですが、この話は「名探偵ポワロ登場」とも言うべき記念の第一作であって、原作通りに1917年か18年頃のイギリスを描いています。

そうなると、他の作品群と違って1910年代のイギリスが見られるのが著しい特徴です。 戦争のために祖国を離れて疎開してきている外国人たちの様子は、当時のイギリス社会の状況を映しております。 また、登場するクラシックカーを見るだけでも価値ありと言うイギリス人の友人もおります。 確かに1910年代のクラシックカーは、30年代と比べると一段とアンティークです。 クラシックカーのみならず、乗り合いバスや病院馬車なども登場して趣向が凝っています。 

また、マナーハウスの庭でのアフターヌーンティーの様子は楽しいですし、まだ電灯が普及していなかった時代ですので、ランプとロウソクというアンティークな暮らしの描かれ方にも興味を惹かれます。 ロウソク燭台やオイルランプ、夕方になって薄暗くなってもランプを付けない当時の暮らし、ディナーテーブルの様子、夜間も電灯はないのでロウソクを持ち歩いたり、ランプに灯を入れたりします。 時代考証のしっかりした映像作品を見ることは、アンティークの勉強に役立ちます。



スターリングシルバー ジャムスプーン



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