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No. 18542 アール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーン
長さ 12.6cm、重さ 13g、ボール部分の最大幅 2.85cm、ボール部分の長さ 3.3cm、ボールの深さ 6mm、1937年 シェフィールド、八千五百円

今から70年以上前に作られたアール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーンです。 八角構造のボール部分に見える基本デザインがシェルとなっています。 1930年代という時代を反映して、直線を基調としたハンドル、八角形のボール部分、そしてシェルの放射状デザインとなっているのがポイントです。

柄の裏面にはメーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1937年のデートレターが刻印されています。

もうすぐ八十年が経過しようというスプーンですが、コンディションがよくて、銀の輝きが綺麗な品です。 ジャムスプーンはもとより、ティーキャディー スプーンとして使ってみてもよさそうです。

このシェルパターンの歴史を振り返ってみますと、12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

1920年代からのしばらくはアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコについてはいろいろな説明がありますが、この解説はかなり言いえているように思います。 イギリスを隅々まで旅してみて、どんな小さな田舎の村にも、第一次大戦の戦没者を悼む記念碑が建っているのを知りました。 英国人の暮らしを根底から揺るがした出来事であったことが想像されるのです。

アール・デコ シェル デザイン スターリングシルバー ジャムスプーン



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