英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 15178 ヴィクトリアン スターリングシルバー ベリースプーン with ゴールドギルト
長さ 22.0cm、重さ 57g、ボール部分の長さ 7.9cm、深さ 1.2cm、最大横幅 4.7cm、1852年 エクセター、Robert, James & Josiah Williams作、二万八千円

あまり使われた様子がなく、コンディションが良い品です。 裏面のホールマークがしっかり深く刻印されていて、見ていて気持ちよいのも好きです。 写真三番目のホールマークは順に、メーカーズマーク、ヴィクトリア女王の横顔でデューティーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、エクセター アセイオフィスのキャッスルマーク、そして1852年のデートレターになります。 

ボール部分にはパイナップルなどのフルーツが打ち出し装飾で飾られ、さらにゴールドギルトが加えられて、ボールエッジのウェイブパターンも装飾的で豪華な雰囲気になっています。 柄の小花模様もワンポイントながら可愛らしいでしょう。 

この品はまず、エクセターのキャッスルマークが刻印されたテーブルスプーン サイズで、大きめなレア物アンティークであることに惹かれました。 

英国のホールマーク制度にあっては、ロンドン、シェフィールド、バーミンガムのアセイオフィスの役割が大きくて、三つを合わせたシェアは9割ほどになるでしょう。 逆に言えば、それ以外のアセイオフィス マークが刻印されたシルバーウェアは珍しいので、そこにレア物の価値を見出すコレクターがいるのです。

エクセターのキャッスル マークがレアな理由は、エクセターのアセイオフィスがヴィクトリアン後期の1883年に閉鎖されてしまったことにもよります。 エクセターものと言えば自動的に120年以上の古さを誇るアンティークとなるわけで、品物が少ないのは当たり前というわけです。

写真のようなアンティーク ベリースプーンがイギリスで作られるようになったのは、ヴィクトリア時代に大英帝国の海外版図が拡大し、エキゾチックな果物が手に入るようになった19世紀の中頃からです。 当時はジョージアンのテーブルスプーンを装飾加工して、ベリースプーンに仕上げることが流行したため、今日私たちがアンティークのベリースプーンを手にしてみると、ジョージアンのホールマークが刻印されていることがほとんどです。 このため、ベリースプーンには作られた時が二回あることになるのです。 ホールマークによって確認できる、ベースのジョージアンスプーンが作られた時が一回目で、ベリースプーンに加工されたヴィクトリアンの時代が二回目というわけです。 そして二回目の加工年は特定出来ないのが普通です。

ほとんどのアンティーク ベリースプーンはこうした過去を持っているのですが、写真のスプーンのホールマークを読み取ってみると、ヴィクトリア時代も始めの頃の1852年なので、このスプーンの作られた背景の解釈には二通りの考え方が出てきます。 一つは銀工房が初めからベリースプーンを作る目的で1852年に作った品であるという考え方、二つには1852年にベースになっているテーブルスプーンが作られて、ベリースプーンに装飾加工されたのはもっと後という考え方です。 ベリースプーン流行のピークはヴィクトリア時代後半の1880年頃から90年頃で、1852年にベリースプーンというのはちょっと早すぎるので、二番目の考えがおそらく真相に近いのではないかと私は思うのです。

ヴィクトリアン スターリングシルバー ベリースプーン with ゴールドギルト





イギリス アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ