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シルバー以外のアクセサリー (ゴールド、ブラス、他) 5



No.18132 ブリタニア デザイン ヴィクトリアン ファージング ブローチ
ブローチ横の長さ 5.1cm、全体の重さ 7g、中央ファージング銅貨の直径 2.0cm、左右の1/3ファージング銅貨の直径 1.5cm、
中央に見えるヴィクトリアン ファージングの鋳造年は1865年です。 銅貨の縁辺部には大きな文字で『FARTHING』と書かれています。 両隣にはエドワーディアン頃の小さめ銅貨が配されており、書かれているのは、『One Third Farthing』の文字、O分の一 ファージングという意味です。 

ファージング銅貨の表に見えているのは女性像のBritanniaになります。 ファージング裏面はクイーン ヴィクトリア ヤングヘッドとなっています。 女性像の Britanniaは1672年以来ファージングに使われてきたデザインであります。 これより後の時代には、可愛らしいウェン(Wren)という小鳥のデザインをしたファージング銅貨が登場いたしました、ご参考まで。

女性像のBritanniaとはイギリスという国家を擬人化した象徴であって、アメリカ合衆国における自由の女神に相当しています。 もともとのモデルは17世紀の英国王チャールズ二世の時代に実在したリッチモンド公爵夫人と言われますが、長い歴史を経た現在では「Britannia」=「イギリスの国」という通念が確立していると言ってよいでしょう。 さらに歴史を遡ると、紀元前後に今日のイギリスをその領土の一部にしていたローマ帝国が、イングランド南部をラテン語でブリタニアと呼んでいたことに起源があります。

イギリスにおけるファージングは半世紀以上前にその役割を終えて、今では使われていない通貨です。 「Farthing」という言葉の響きにノスタルジーを感じますし、昔の通貨制度を考えてみるよい材料ともなって興味を惹かれます。

「Farthing」は四分の一ペンスに相当し、13世紀に初めて作られ、それから700年以上にわたって英国で使われてきた歴史がありますが、1960年を最後に役割を終えて、今ではもうありません。

ファージングが使われていた時代は、イギリスで通貨制度改革が行われた1971年より前の時代になります。 当桙ヘ1ポンドが240ペンス、ファージングは四分の一ペンスですから、1ポンド=960ファージングでありました。 日本で言ったら、江戸時代の1両=4000文にも匹敵しそうな小さなオーダーであったわけです。 1960年に役割を終えていますから、今日では存在しないのが当たり前ですが、素材となっている銅の価格が今では高騰している為に、ファージングの製造原価という側面から見ても、今ではとてもじゃないけど存在し得ないコインとなっていることも興味深く思います。

もう少し詳しく計Zしてみましょう。 ファージングは2.8グラム、その95.5%が銅というコインでした。 ニューヨーク マーカンタイル謌所における直近の銅価格は453gあたり3.27ドルでした。 英貨で1ポンドにあたる960枚のファージングを作る銅価格は18.53ドル。 ポンドドル相場 1.52$/£でポンドになおすと、12.2ポンドになります。 

1ポンド分のファージングを鋳造するのに、素材の銅価格だけで12.2倍のコストがかかるとしたら、そんなコインはとてもじゃないけど存在し得ないでしょう。 銅価格の変遷という事情が背景にあって、ハ真のファージング コイン ペンダントヘッドには、今となってはアンティークでしか手に入らない希少性が備わっているとも思うのです。
ブリタニア デザイン ヴィクトリアン ファージング ブローチ


No.18954 ヴィクトリアン ピンチバック 両面式 ロケット ペンダントヘッド
縦の長さ(丸留め具含む) 4.0cm、外側六角形の一辺の長さ 1.5cm、ガラスの直径 2.0cm、最大厚み 3mm、ヴィクトリアン後期の英国製、

上端の止め具をネジのように回して外すと、ピンチバックのフレームからガラスが外せます。 裏面も同様な外観で両面に写真が入る仕掛けです。 

デザインのよさに惹かれましたが、懐中梃vの留め具のような上部の円環構造も、昔っぽさが際立って、このロケットの魅力になっています。 

・閧ノ配された球形の粒々装飾はグラニュレーションと呼ばれ、ヴィクトリア期に好まれた装飾技法の一つです。 グラニュレーションは球をフレームに接合するものですから、外からの力にあまり強くないという弱点があるのですが、コイル状に波打った外・tレームがグラニュレーションをよく保護するように工夫されていて、なかなかのアイディアと感心します。

また、このコイル状外・tレームは、よく考えてみると、ウェーブパターンを意図したもので、デザイン性の高さ、タ用面での強さ、そしてモチーフの意味合いの三点から、なかなか奥の深いアンティークであると思うのです。

ウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。 

ロケットの素材はピンチバックと呼ばれるアンティークな素材です。 この素材は銅と亜鉛の合金で、ゴールドの色あいをもたらすジュエリー素材として、ヴィクトリアンの英国で好まれてしばしば使われました。 元々は1720年ごろにロンドンの時計メーカーであったクリストファー ピンチバックという人が発明したことから、ピンチバックの名で呼ばれるようになったのでした。

ヴィクトリアン ピンチバック 両面式 ロケット ペンダントヘッド


No. 18953 Good Luck 六ペンス コイン ペンダントヘッド 銀製の留め具円環付き
六ペンス コインの直径 1.9cm、厚さ 1mm、重さ 3g、バラ、アザミ、シャムロック&リークのデザイン、鋳造年は1954年から1967年まで、
ハ真一番目をご覧いただくと、下の方に「SIX PENCE」と読み取れるのがお分かりいただけると思います。

表側はエリザベス二世の横顔で、裏面は写真に見えるように四つの花のデザインです。 lつの花とはスコットランドのあざみ、北アイルランドのシャムロック、ウェールズのリーク、そしてイングランドのバラになり、lつが組み合わさってイギリス連合王国の統合を象徴しています。 このデザインは1954年から67年まで続いておりました。 

イギリスにおける六ペンスは1947年に銀貨から銅ニッケル合金に変わりました。 しかしながら、昔からイギリスにおいては六ペンスが、Good Luck(=幸運)のお守り、つまりは縁起物として好まれてきた事情があって、チャームやペンダントヘッドとされることが多いのです。

六ペンスという中途半端な金額が一つのコインになっているのは、昔のイギリスの十二進法にもとづく旧通貨制度の遺物であるからです。 千年ほどの長きにわたってイギリスで続いた制度ですが、l十年以上前の1971年には、ついに廃~となって、現代人には普通になじみのある十進法の制度になりましたので、これから将来にわたって、六ペンスが再び登場することは、もはやないでしょう。 そんなノスタルジックな背景にも英国風アンティークの趣が備わっているように思います。

マザーグースのナーサリーライムに、花嫁が身につけると幸せになれるといわれるサムシング・フォーに続いて、以下のように一節があり、六ペンスが好まれる背景になっています。

Something old, something new,
something borrowed, something blue,
and a sixpence in her shoe.

デイビット・スーシェ蜑奄フ名探偵ポワロシリーズの一つ、『The Theft of the Royal Ruby (=原作名:The Adventure of the Christmas Pudding)』に、六ペンスにまつわるクリスマスディナーの場面がありました。 

クリスマス プディングに指輪など小物をいくつか入れておいて、謔阨ェけたときに何が入っているか、おみくじのようにして楽しむ趣向があるのです。 ディナーテーブルを囲む人たちから、六ペンスを引き当てた人に、ひときわ大きな歓声があがります。 六ペンスというのは、日本のおみくじで言ったら大吉に相当することが見て取れて、興味深く思いました。

六ペンスによい意味合いが付与されてきた背景には、イギリスにおける長い歴史的な事情があるわけですが、そうした歴史の中に「イングランド銀行を救った六ペンス」の話もありますので、ついでにご紹介しておきましょう。

『Manias, Panics and Crashes (Kindleberger著)』という本によれば、南海泡沫膜盾フさなかの1720年9撃ノイングランド銀行で取り付け騒ぎが起こり、大勢の預金者がお金を引き出そうと、イングランド銀行に殺到しました。 窓焜Vョート寸前であったイングランド銀行が危うく倒Yを逃れたのは、六ペンスのおかげであったというのです。

預金を下ろしに大勢の人たちが押しかけて長蛇の行列となった事態に対して、イングランド銀行が採った作戦は、さくらを行列の前の方に並ばせるということでありました。 そしてさくらの人たちに対して、預金を小銭の六ペンスでもって払い戻すということをしたのです。 

大金を六ペンスで払うものですから、一人の払い戻しにも長い時間がかかりました。 さらには、x払った大量の六ペンスは、裏口からイングランド銀行に還流させて、また使うということを繰り返したのです。

こうして、どうにかこうにか資金ショートを免れて、やりくりしているうちに、セント・ミカエルの祭日がやってきて、人々のパニック心理もようやく翌ソ着きを取り戻すようになりました。 祭日明けには取り付け騒ぎも収まって、イングランド銀行は正常な業務に戻ることが出来たそうです。

イギリスという国の大本をなすイングランド銀行でさえも、その昔には六ペンスによって救われたという歴史的な事タも、六ペンスのポジティブイメージに一役買っているということは、少なくとも言えそうです。

最後にイギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「6ペンス」=「半シリング」になります。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。
昔、サマセット・モームの『撃ニ六ペンス』の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。

ついでに、『vうことなど』で、「六文銭と六ペンス」について考えています、ご覧いただければ幸いです。
Good Luck 六ペンス コイン ペンダントヘッド 銀製の留め具円環付きGood Luck 六ペンス コイン ペンダントヘッド 銀製の留め具円環付き


No. 18952 ギネス ビール 折りたたみナイフ
開いた長さ 7.3cm、閉じた長さ 4.5cm、重さ 20g、柄の幅 1.8cm、厚み 4mm、

ギネスの折りたたみナイフです。 ナイフの根元には「Sheffield England」の文字が、栓抜きには「Stainless Steel」とあります。

表側には『GUINNESS』の文字、そして裏面には写真二番目のように、トレードマークのアイリッシュハープが彫られています。

ちなみに写真O番目は、パブに行ってギネスビールを一杯というと、こんな感じ。 このグラスで1パイントになります。 

ついでに以下の記魔烽イ参考まで。
24. アンティークな英国パブ その1:英国アンティーク好きな方には見逃せない(と私は思うのですが、)イギリスのパブについてご案内します。 

ハープ関連の品として、「アイリッシュ コイン エナメルワーク ペンダントヘッド」もご参考ください。

ギネス ビール 折りたたみナイフ


No.18951 フラワーリース ピアストワーク アイボリー クロス with ライオン パサント 銀円環
縦の長さ(銀円環留め具含まず) 6.8cm、横の長さ 4.35cm、クロスの帯幅 9mm〜10mm、最大厚み 1.1cm、
アイボリー素材にフラワーリースをカービングしたクロスのペンダントヘッドです。 彫刻はとても手の込んだ立体感のある細工です。 古い品ではありますが、お手入れ状態がよくて、アイボリーの艶のよさは秀逸です。

アイボリーの最大厚みはお花の辺りが1.1センチほどあって立派なので、全体としてゴージャスな印象を強く受けます。 クロスの中央を囲むように施された透かし細工も豪華な雰囲気に花を添えているようです。

上部に見える太めな銀円環にはスターリングシルバーを示すライオンパサントの刻印があるのもよいでしょう。 この銀円環は太さもしっかりで重厚感が好ましく思えます。

ちなみに、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)は、英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークになり、重要な刻印です。 ライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。 

横歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から460年ほど前の1544年のことになります。 これは当档eューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。 歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。 日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。 

銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。 そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけです。 

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っております。

『рヘキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、р烽サう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

英国アンティーク情報欄にあります「40. 何故かクロスにとても惹かれます。 その理由を英吉利物屋風に考えてみました。」をご覧いただければ幸いです。
アイボリー フラワーリース ピアストワーク クロス with ライオン パサント 銀円環


No.18950 ブラス製 ダイス
正方形の一辺の長さ 0.9cm、重さ 7g、1920年代あたりの英国製、 (二つあります。)
閧ノしてみると、小さいわりには、ズシっと持ちはかりが感じられて、ブラスってこんなに重たかったかなと。

ピカールで磨けば光ると思いますが、こういう感じも渋くていいかも。

ダイスは運や巡り合わせといった「Luck」を意味するモチーフでもあり、闌ウに置いて眺めていると、なんかいいことありそうな気分になってきます。

рヘダイスというモチーフが好きで、いつも気にしている為か、閧ノ入ったものですが、日本の古きをたずねてみても、12世紀には後白河法皇が「賀茂の流れs睫の目と山法tは、意のままにならぬ」と嘆かれたとの伝えがあって、ダイスの歴史にも興味を惹かれるのです。

ブラスのお手入れについては、ブラス専用の磨き液がありますので、ご紹介しておきましょう。 рヘReckitt & ColmanミのBrassoという磨き液を使っています。 スペイン製ですが、なぜか缶の表には英国王室御用達のQE2マークがあります。 イギリスの方はブラスが好きで、マナーハウスのドアノブ、パブのカウンター、ホテルの調度品等、昔から英国風には欠かせない素材であったことが関係あるのかも知れません。

それから日本でも簡単に手に入るお手入れ用品として、日本磨料工業製の『ピカール』という品もあります。 gい比べてみて、ピカールの方がブラッソより溶剤の濃さが少ないように感じます。 その為か分かりませんが、ピカールはブラス(真鍮)以外にもあらゆる金属に使えるのみならず、プラスチック、象牙、管楽器等のお手入れに使用可能と書いてありました。 ブラッソの用途は金属の中でもブラス、コパー、ピューター、クロムに限定されますので、ピカールの方が用途が広くて便利かも知れません。
ブラス製 ダイス


No. 18919 シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド
直径 4.0cm、留め具を含む縦の長さ 5.2cm、最大厚み 4mm、全体の重さ 35g、5シリングコインは1953年鋳造、
エリザベス二世 戴冠記念 5シリングコインにエナメルワークを施したペンダントヘッドとなっています。 エナメルの反射光に奥行きが感じられて、装飾性が高いので、全体として美しいペンダントヘッドに仕上がっております。 カバーガラスに覆われているので、いつまでもエナメルの美しさを保てるのもよいでしょう。 エナメルコインを取り巻くフレームの下方には、フレーム素材が銀であることを示す「SILVER」の刻印があります。

ハ真一番目と二番目に見えるように、表サイドはエリザベス女王の乗馬pです。 裏面は写真O番目のようなデザインで、中央には王冠、l方向に楯状飾りがあって、スリーライオンの盾が二つ、ライオンランパントの盾が一つ、そしてハープの盾が一つあります。 さらに盾の間に見える四つの草花は、イングランドの国花であるバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク、北アイルランドのシャムロックであり、lつ合わせてイギリス連合王国の統合を象徴しています。

シリングとは1971年に廃~されたイギリス旧通貨制度における貨幣単位で、今ではもう存在していません。 

1971年までのイギリスでは、1ポンド=20シリング=240ペンスでありました。 こんな十進法でない通貨体系で千年ほどやってきたイギリスであったのです。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。 

そんな背景があって、今ではもうないシリングという言葉の響きにノスタルジーを感じるイギリス人が多いようです。

エナメルワークとは日本語で言うと「オ宝焼き」のことで、金属にガラスソv縉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後、オ宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア梠繧フ英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治政府の岩倉g節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。 

英吉利物屋ではヴィクトリアンの品を扱うことが多いので、五十年前というと新しい感じもするのですが、当桙振り返ってみると、やはりずいぶんと古い歴史の中の時代であることが分かります。 

この品が作られた当桙フ英国相は、第二次大戦を勝ち抜いたあのチャーチル相です。 そしてこの頃にロンドンで起こったのが有名な「Great Smog」でした。 1952年12・日、ロンドンでは折りからの寒さの中、風が止み濃い霧がたち込み始めました。 この霧はそれから3日間ロンドンを覆うことになります。 寒さで人々が石炭ストーブをどんどん焚くものですから、霧の原因となる微粒子核が撒き散らされて、霧がどんどん深くなっていったのです。 ものすごい霧で、2〜3メートル先はおろか、伸ばした自分の指先さえはっきり見えなかったと伝えられています。 映画館や劇場でもドアの隙間から霧が入り込んで、スクリーンや舞台が見えず、キャンセルが相氓ャました。 そして濃霧による交通事故や不清浄スモッグによる呼吸器障害のために、ロンドンで四千人もの死メが出る大惨魔ニなったのです。 

昔からロンドンと言えば、霧の街として有名でしたが、「Great Smog」は長いロンドンの歴史の中でも最悪の出来魔ニなりました。 そしてこれを契機に数年後の1956年には清浄空気法が定められることとなったのです。 石炭ストーブ梠繧フ「Great Smog」のエピソードは今日では考えられない出来魔ナすが、この品が作られた時代に思いをいたす面白い手掛かりにはなるでしょう。

イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。 

昔、サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。

シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド






No.17049 コーラル(宝石珊瑚) ネックレス
ネックレス一周の長さ 47cm、重さ 26g、X瑚(さんご)一つの長さ 5mm〜16mm、

たくさんのコーラル(X瑚)を使ったネックレスです。 X瑚は艶のあるバーミリオンで、留め金は差込ョでカチッとしっかり留まります。

コーラル(宝石珊瑚) ネックレス


No. 18738 ヴィクトリアン 徽章
横の長さ 3.9cm、縦の長さ 2.3cm、本体部分の厚さ 1mm、重さ 6g、ヴィクトリア梠繧フ英国製、
ちょっと珍しいアンティークが入りました。 ブラス製 ヴィクトリアン 徽章ですが、どこで使われたものか分かりますでしょうか。 しばらくしてから答えをお伝えいたします。 ジェレミー・ブレッドのシャーロック・ホームズ シリーズに小道具として登場していないか、『踊る人形』あたりの作品で、調べてみようと思っています。

ブラス磨きでお手入れしたゆズ麗になりました。 アルファベットO文字ですが、・閧ノ葉っぱの飾りがついていて、味わいがあります。

ブラスは銅と亜鉛の合金で、銅と亜鉛の含有量比によって呼び名が違っていきます。一般には銅が七割で亜鉛が三割くらいになりますが、亜鉛が多ければイエローブラスになって、銅が増えれば赤みが増してローズブラスになります。 ハ真のアンティーク徽章の場合は、かなり明るい色合いのイエローブラスになります。

ブラスは昔から英国アンティークには欠かせない素材として使われて今日に到っております。 劣化するようなことはまずなく、丈夫さから言えば金銀より上な素材ですので、ずっと身につけていかれても、変わらずにお使いいただけることがポイントでした。

ブラスのお手入れについては、ブラス専用の磨き液がありますので、ご紹介しておきましょう。 рヘReckitt & ColmanミのBrassoという磨き液を使っています。 スペイン製ですが、なぜか缶の表には英国王室御用達のQE2マークがあります。 イギリスの方はブラスが好きで、マナーハウスのドアノブ、パブのカウンター、ホテルの調度品等、昔から英国風には欠かせない素材であったことが関係あるのかも知れません。

それから日本でも簡単に手に入るお手入れ用品として、日本磨料工業製の『ピカール』という品もあります。 gい比べてみて、ピカールの方がブラッソより溶剤の濃さが少ないように感じます。 その為か分かりませんが、ピカールはブラス(真鍮)以外にもあらゆる金属に使えるのみならず、プラスチック、象牙、管楽器等のお手入れに使用可能と書いてありました。 ピカールの方が用途が広くて便利かも知れません。
ヴィクトリアン 徽章


No.18736 アイビーリーフ デザイン マザー オブ パール ネックレス
ひとまわりの長さ 40.0cmcm、重さ 18g、最大アイビーリーフの長さ 3.0cm、
アイビーリーフの葉模様細工が涼しげなマザー オブ パールのネックレスです。 汗ばむ季節は金属よりこういう素材を身につけたくなるものです。

後ろから見た時にしゃれたデザインの留め具が目を引きます。 留め具には一粒の愛らしいパールがあしらわれています。

マザーオブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくるようで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きe畉麗です。 

マザー オブ パールの品をお買い上げいただいたお客様から、氓フようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
『竊の白蝶貝のうっすらとした輝きがとてもンY麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、梵ワ、空全体がぱあっと明るくなる様qや纓髴とさせます。』

イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。

また、19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、当桙フ自然蜍`的傾向にアイビーがよくマッチした為、バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが大変好まれました。 アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠タないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。
アイビーリーフ デザイン マザー オブ パール ネックレス


No.18735 地中海X瑚のネックレス
ひとまわりの長さ 43.5cm、重さ 30g、最も長い珊瑚枝の長さ 3.9cm、

}の部分が華やかな印象を与えます。コーラルピンクの自然な濃淡のバリエーションが胸元を美しく飾る一品です。

地中海X瑚のネックレス


No.16869 ヴィクトリアン or エドワーディアン ロールドゴールド ネックレス
飾り部分の縦長 3.0cm、最大横幅 2.0cm、最大厚み 3mm縺Aロールドゴールドチェーン一周の長さ 45cm、全体の重さ 15g、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、

閧ノしていると、桙経たアンティークのみが持っている格調の高さが、おのずから伝わってくる品と思います。

ヴィクトリアン or エドワーディアン ロールドゴールド ネックレス


No. 18285 9カラット ゴールド クロス with ブリティッシュ ホールマーク
縦の長さ(留め具含まず) 2.9cm、横の長さ 1.85cm、留め具を含む全長 3.7cm、厚み 1mm、重さ 3g、バーミンガム アセイオフィス、

ソリッドな9カラット ゴールド クロスです。 

ソリッド(solid)とは、このクロスがホロー(中空)構造ではなくて、中まですべてが9カラット ゴールドv瀁密構造であることを言います。

9カラット ゴールド クロス with ブリティッシュ ホールマーク


No. 18284 フラワー &ウェーブ パターン 9カラット ロールド ゴールド クロス

縦の長さ(留め具含まず) 4.0cm、横の長さ 2.35cm、厚み1mm

大きめなクロスで、フラワー &ウェーブ パターンがゴージャスです。 ハ真二番目に見えるように、裏面には「ROLLED GOLD」の刻印があります。 素材のよさもポイントと言えましょう。

Rolled Goldとはベースメタルに9金や18金の薄金板を重ねた構造の素材で、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国で流行ったアンティークな素材です。 カラット数は表ヲはありませんが、イギリスでは一番多く見かける9カラット ゴールドでありましょう。

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery Britishな装飾素材と思います。

フラワー &ウェーブ パターン ロールド ゴールド クロス




No.18282 9カラット ローズ ゴールド クロス with フラワー エングレービング
クロス本体の縦長 2.0cm、留め具の円環含む縦長 2.35cm、横の長さ 1.1cm、厚み 1mm強、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製、

小振りなクロスになります。 かなり小さいですが、こういうサイズがよろしい場面もありましょう。 ローズ ゴールドという素材の良さと、彫刻の良さに惹かれました。

ハ真では奥行きが分かりづらいですが、厚さが1ミリ強のホロー(中空)構造をした、9カラット ゴールド クロスです。 小振りな品ながら手彫りのエングレービングは素晴らしい出来栄えで、丁寧な仕魔ェしてあるアンティーク クロスと思います。 

彫刻のモチーフは小花が中心としたウェーブパターンです。 波模様モチーフには、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)という意味合いが象徴されており、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたクリスチャンモチーフのデザインです。

波模様の基本デザインは、深めなタッチで彫られています。 その背景に色合いが濃く見える部分も微細な彫刻で影を付けた細工です。

アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、このクロスに施された手仕魔フ素晴らしさも分かっていただけると思います。 ウェーブの基本デザインの背景に色合いが濃いめに見えるシェード部分は、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を走らせた、ハンド エングレービングとしては限界的な仕魔ノなっています。 また、そうした背景部分の繊細さはもちろんですが、基本デザインの深めな彫りも丁寧な仕魔ナ、じっくり観察していくと、彫りの跡から彫刻刀を振るった向きまでもが窺い知れ、銀金職人さんの息遣いが伝わってくるところにも惹かれる品と思います。

カラット数は表ヲはありませんが、イギリスでは一番多く見かける9カラット ゴールドでありましょう。 裏面には刻印らしいものがあって、判読は難しいのですが、おそらく「9CT」刻印だろうと見ています。

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery Britishな装飾素材と思います。
小振り 9カラット ローズゴールド クロス with フラワーエングレービング


No.18136 草花リース & クロス モチーフ ヴィクトリアン ピンチバック ロケット SOLD
楕円の長径 2.6cm、短径 2.2cm、最大厚み 8mm、ヴィクトリアン後期の英国製、SOLD

草花リーフ & クロス モチーフ ヴィクトリアン ピンチバック ロケット


No.18135 帆船ゴールデン・ハインド号 &エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー コイン with エナメルワーク
直径 2.55cm、重さ 6g、最大厚み 2mm、銅貨は1966年 鋳造、
エナメルワークの美しいグッドラック ハーフペニーです。 幸運を呼ぶお守りのように扱われてきた品と思います。 エナメルの上からカバーグラスがかかっていて、エナメルのコンディションがよいままずっと保てるようになっています。

イギリスには現在の最小通貨単位である1ペニー硬貨について、『Find a penny, Pick it up, and then all day, You'll have good luck.』 (ペニーを見つけて、揩チとけば、そしたらその日は一日グッドラックあり。)という言いまわしがあります。 ハ真の品はハーフペニーなのですが、少なくとも半分くらいのグッドラック効果はありそうに思うのです。

Good Luck ハーフペニーコインは1966年の銅貨で、ヘッド(表)側はエリザベス二世の若かりし頃のポートレート、テイル(裏)側はキャプテン・ドレークの世界・qで有名な帆船ゴールデン・ハインド号のデザインです。 

今日のイギリスは品のよい国のように見られることが多いですが、歴史を紐解きますと、節操のないことで名高い時代も長くありました。 キャプテン・ドレークは世界を航海して略奪をきわめて、当桙フ国家予Zに匹敵するほどの金銀財宝を奪って帰ってきたので、エリザベス一世から叙勲を受けました。

フランシス・ドレークの帆船については以下のミュージアム情報もご参考まで。
http://www.goldenhinde.com/

そして、エリザベス二世といえば、イギリスの現女王であり、ロンドン オリンピックの開会式ではジェームス・ボンドとの共演も話題となりました。 戴冠六十・Nのゴールデンジュビリーを迎えても、まだまだお元気で、パワーを与えてくれそうです。 ハ真のコインは今から半世紀ほど前のもので、その頃から女王を続けてきたことは、やはり凄いことだと思います。

イギリスは1971年の通貨制度変更で、それまでの12進法から10進法に改めましたので、旧制度のハーフペニーコインは1969年を最後にイギリスにおける約七百年の歴史を閉じました。 そういう事情で、1966年の貨幣ではありますが、現在のイギリスでは通用しません。

ハ真のハーフペニーが使われていた時代は、イギリスで通貨制度改革が行われた1971年より前の時代になります。 当桙ヘ1ポンドが240ペンス、ハーフペニーは二分の一ペンスですから、1ポンド=480ハーフペニーでありました。 1969年に役割を終えていますから、今日では存在しないのが当たり前ですが、素材となっている銅の価格が今では高騰している為に、ハーフペニーの製造原価という側面から見ても、今ではとてもじゃないけど存在し得ないコインとなっていることも興味深く思います。

もう少し詳しく計Zしてみましょう。 ハーフペニーは5.67グラム、そのほとんどが銅というコインでした。 ニューヨーク マーカンタイル謌所における直近の銅価格は453gあたり3.27ドルでした。 英貨で1ポンドにあたる480枚のハーフペニーを作る銅価格は19.6ドル。 ポンドドル相場 1.52$/£でポンドになおすと、12.9ポンドになります。 

1ポンド分のハーフペニーを鋳造するのに、素材の銅価格だけで12.9ポンドのコストがかかるとしたら、そんなコインはとてもじゃないけど存在し得ないでしょう。 銅価格の変遷という事情が背景にあって、ハ真のハーフペニーには、今となってはアンティークでしか手に入らない希少性が備わっているとも思うのです。

あらためて詳細に見てみると、なかなか細工のよいアクセサリーであることが分かります。 帆船や女王が浮き出す形でエナメルがきっちり入っていますし、奥ゆきの感じられるエナメルワークは、光にあたった反射光e畉麗です。 エナメルワークとは日本語で言うと「オ宝焼き」のことで、金銀などの貴金属にガラスソv縉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後七宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア梠繧フ英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治政府の岩倉g節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。

最後にイギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1ポンド」=「ハーフペニー480枚」になります。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。

昔、サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。 

この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。

このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。

ハーフペニーを手にされたお客様からコメントをいただきました。
「Half pennyが意外と大きかったのでびっくり、寸法が表記されていても印象って違うものですね。」

р熄奄゚に見たときはちょっと驚きました。 イギリスで最小単位のコインと言っても、素材は銅で重たいですし、直径 2.6センチは大きいです。 日本の硬貨のイメージとはかなり違っています。

帆船ゴールデン・ハインド号 &エリザベス二世 グッドラック ハーフペニー コイン with エナメルワーク


No. 18134 ヴィクトリアン or エドワーディアン 9カラット ローズゴールド フロント クロス
クロス本体の縦 2.8cm、横 1.8cm、留め具を含む縦長 3.5cm、本体の厚み 1mm、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、

ホールマークはありませんが、ハンドエングレービングの様qから、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンの手仕魔ナあることを、品物自らがおのずと知らせてくれる。 そういうタイプのアンティーク クロスになります。 彫りの様qがとても繊細であることから、お手元にルーペをご用意いただけば、いっそう楽しみが増すヴィクトリアーナと思います。

彫刻デザインの波模様はオーソドックスなヴィクトリアンおよびエドワーディアン アンティークの特徴です。 波模様のウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。

波模様の背景で色合いが濃く見える部分は、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影を付けていった細工で、鐡魔ニしては限界的な繊細さを持っていることがルーペで見ると分かります。 ハ真では十分にその繊細さがお伝え出来ませんが、アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、眺めているだけでも楽しめるアンティークに仕上がっています。

クロス中央に見える山のような、襷のような、あるいは帯のようなこの形は、ヴィクトリアン後期のジャポニスムの影響を受けているようにも感じます。 Rの八合目あたりには雲がかかったような彫刻が施してあり、さらには山の裾野にも二つの雲が見えています。 

ハ真のクロスはベースメタルの上に、9カラット ローズゴールドの薄板を被せた作りで、「9カラット ローズゴールド フロント」と呼ばれる素材で作られています。

デートレター等のホールマークが無いので年代特定が難しいのですが、9カラット ローズゴールド フロントという素材と共に、闥、りのエングレービングの見事さ、ウェーブパターンを含んだ全体のデザインからみて、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンにかけての品で間違いないでしょう。

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery Britishな装飾素材と思います。

ヴィクトリアン or エドワーディアン 9カラット ローズゴールド フロント クロス





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