アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い品一覧)へ >> アンティーク シルバー バターナイフ(1) >> No. 5826 バターナイフ

新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 5826 エドワーディアン スターリングシルバー バターナイフ SOLD
長さ 18.6cm、重さ 34g、ブレード最大幅 2.6cm、柄の最大幅 1.6cm、柄の最大厚み 2.5mm、1903年 シェフィールド、Cooper Brothers & Son作、一万七千円、(8本あります-->7本あります-->6本あります-->5本あります-->4本あります-->3本あります-->2本あります-->1本あります-->SOLD)

装飾が素晴らしく、豪華であることに加えて、34グラムと持ちはかりがあるので、銀を使っている楽しみが増えます。 全体として、エドワーディアンという時代の優雅な雰囲気が伝わってくるアンティークと思います。

この品は複数求めましたので、元々の用途について少し悩みました。 もし一本だけ見たら、バターナイフと思うでしょう。 エドワーディアン頃のテーブルセッティングによれば、お屋敷においては12人分ないしは24人分のシルバーウェアのセットが備えられ、バターナイフは数人で一本が配されましたので、バターナイフがまとめて残っていることもあり、そうかも知れません。

しかしバターナイフが複数揃っていることはどちらかと言うと稀なので、フィッシュイーターという可能性も考えました。 ところがまた、フィッシュイーターには魚のデザインが入っていることが多いですし、お揃いのフォークも一緒にないことから、フィッシュイーターらしくないとも考えられるのです。

元々の用途について考えておりましたが、この品をお求めいただいたお客様から以下のようなコメントをいただき、やはりバターナイフと、私も考えを固めました。 お客様からのコメントは皆様にも参考にしていただけると思いますので、ご紹介させていただきましょう。

『前に購入しました、バターナイフ、使い勝手がおそろしく良いです。 通常の形態のバターナイフには戻れません。 なんで、線対称の形のナイフが主流にならなかったのかがとても不思議です。』

『詳細ではこんな感じです。 先端刃付けの角度がよく、バター、マーマレードの塗り切りが自然にできます。 少し大きめなこともあ り、塗り広げるだけでなく、ジャムやマーマレード を(イギリス風に?)盛るように塗るのに最適です。 チーズなどは、エングレービングに食い込んでしまい、使用後に洗うのもうまく行きません。 ジャム、マーマレードナイフというくくりはないのでしょうか。 畑様の説明通り、フィッシュイーターにも使えそうですが、銜えてみるとエッジが唇に鋭く当たる感じ がするので、口に入れることを想定したシルバーで はない気がします。 』

ゴージャスな柄の飾りが印象的ですが、このデザインはバンドワーク パターンと呼ばれ、フォリエイト スクロール(葉っぱが巻いたデザイン)とインターレーシングになった帯状飾りがその特徴になっています。 このバンドワーク パターンは17世紀のフランス装飾様式に起源があり、18世紀には宮殿のフロアパネルや家具の装飾として好まれ、その後は銀器や陶器のデザインにも取り上げられるようになったものです。

それから、ブレード部分に施されたウェーブパターンは、繊細な手彫りのエングレービングになっています。 波模様モチーフには、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)という意味合いが象徴されており、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたクリスチャンモチーフのデザインです。

波模様の基本デザインは深めなタッチで彫られていますが、背景の少し色合いが濃く見えるシェード部分は、細かい彫刻線で影を付けていった仕事です。 ブレード先の方ほど彫りが繊細になる仕掛けになっており、解像力不足でよくご覧いただけないのが残念ですが、マグニファイイング グラスで鑑賞いただくと当時の手仕事のレベルに驚かれると思います。

裏面のブリティッシュ ホールマークは順に、メーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1903年のデートレターです。

この品が作られた当時の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄の「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。

アンティーク エドワーディアン スターリングシルバー バターナイフ




アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い品一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ