アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い品一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 6853 ライオンの紋章 Elkington ヴィクトリアン スターリングシルバー ハノーベリアン パターン デザートスプーン
長さ 17.5cm、重さ 52g、ボール部分の長さ 6.2cm、最大横幅 3.5cm、ボール部分深さ 1.0cm、柄の最大幅 1.5cm、1899年 バーミンガム、Elkington & Co作、一本 一万八千円

今から百年以上前に作られたElkington & Coのスターリングシルバー スプーンです。 柄先が手前に曲がったタイプで、ハノーベリアンパターンと呼ばれます。 ボール裏面を見ていただくと、先が細くなったネズミの尻尾のようなデザインになっており、これがラットテールと呼ばれる構造です。 ラットテールはハノーベリアン パターンに付随して現れることが多いデザインです。

柄先に彫られた矢を持ったライオンの紋章が印象的で、ラットテールを伴ったハノーベリアン パターンの珍しさが特徴といえるヴィクトリアン アンティークと思います。

長さが17.5センチというのはデザートスプーンのサイズですが、重さは52グラムとテーブルスプーンほどの持ちはかりがあります。 ボール部分は銀が厚めな感じで、柄も最大で3ミリ強の厚さがあって、銀がしっかりと使われた重厚な作りになっています。 私は英国風な持ちはかりのあるシルバーウェアを見るとグッとくることもあるのですが、やはりエルキントンの名前にも惹かれて求めました。

ヴィクトリア時代のイギリスは資本主義の発展を背景に、新たな発見や発明が社会を引っ張っていった躍動的な時代でありました。 そうした中でこの品を作ったエルキントンは、当時の英国社会の雰囲気を体現するようなシルバースミスであったので、その歴史には大いに興味を惹かれるのです。 さらに明治時代の文明開化の頃の日本とも繋がりがあったことから親しみを感じます。

このあたりの事情について詳しくは、英国アンティーク情報欄にあります 「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」と「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」解説記事をご参考ください。

裏面のホールマークは順に、Elkington & Coのメーカーズマーク、バーミンガムアセイオフィスのアンカーマーク、1899年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。

アンティークのシルバーウェアは現代のものよりサイズが大きいので、昔のデザートスプーンは、今日的にテーブルスプーンとして使うとちょうどよいのではないかと思っています。 もちろんあの大きなテーブルスプーンをメインに使うのがいいという方もあろうかと思いますが、毎日の普段使いとしてはアンティークのデザートスプーンをメイン使いにされるというのは如何でしょうか。 





裏面の様子

アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い品一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ