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No. 6264 エドワード八世 ブラスのお裁縫セット
筒の長さ 5.0cm、直径 1.8cm、全体の重さ 13g、1936年 英国製、二万三千円 SOLD

興味深いアンティークが入りましたので、ご紹介しましょう。 ブラス素材のお裁縫セットで、タッセルは新しいものに付け替えられているようですが、美しいエングレービングの筒にタッセルが付いている様子は、印籠のような工芸品を思わせます。 エドワード八世のコロネーション(戴冠)を記念した品であること、そしてエドワード八世の在位期間は一年に満たなかったことから、この王様のポートレートがまるでイングリッシュ ホールマークのデートレターのような役割を果たしているわけです。 お裁縫セットのような品では、細かく製作年を特定することは普通は困難ですので、エドワード八世のおかげで1936年を特定できるこの品は、アンティークとしては稀有な特徴を有しています。

また、在位期間があまりにも短かったエドワード八世ものは、このお裁縫セットに限らず、アンティークとしてはレアものの範疇に入ると言ってよいでしょう。

チャールズ皇太子がカミラさんとの再婚を発表したことで、このところまた「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が話題の人になっています。 エドワード八世は1936年に英国王になりましたが、その年の12月には退位を宣言し、この年は英国中が大揺れとなりました。 それというのも、エドワード八世は当時41歳の独身で王位につき、英国民はさて次はお妃探しと盛り上がったのですが、彼には皇太子時代からシンプソン夫人という愛人があったのです。 シンプソン夫人はアメリカ国籍で、夫のある身、さらには離婚歴もありということで、英国国教会や当時の英国政府が黙って見過ごせることではなかったわけです。 不倫を解消せよと迫る世論に対して、国王が下した決断は王位を捨ててシンプソン夫人をとるというものでした。 エドワード八世はアメリカや、日本を含めた諸外国では、「王位を賭けた恋」を成就させた王様として人気があります。 彼は晩年に至るまで一度も自らの決断を後悔したことはなかったと伝えられています。

ちなみにヴィクトリア女王の時代が終わって20世紀に入ってからの英国王は、1901年のエドワード七世、1910年のジョージ五世、1936年のエドワード八世、1937年のジョージ六世、そして1952年から現在のエリザベス二世になります。




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