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No. 5158 ヴィクトリアン スターリングシルバー ブライトカット ティースプーン with クレスト
長さ 11.3cm、重さ 13g、ボール部分最大幅 2.3cm、柄の最大幅 1.15cm、柄の最大厚み 2mm強、1900年シェフィールド、Atkin Brothers Silversmith Ltd.作、五千円

ヴィクトリア時代の最後の年に作られたスターリングシルバー ティースプーンです。 柄先には鳥の紋章が彫ってあり、ブライトカットやその内側の装飾も繊細です。 長さ11.3センチに対して13グラムというのは、銀がしっかり使われていて、ティースプーンとしては重厚な感じと思います。

ジョージアンのブライトカットとは趣も少し違いますが、シルバースミスが良いので、仕上がりも上々なヴィクトリアン アンティークと言ってよいでしょう。 シルバースミスは一流どころのAtkin Brothers Silversmith Ltd.で、裏面のホールマークは順にメーカーズマーク、1900年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてシェフィールド アセイオフィスの王冠マークになります。 

英国の多くのシルバースミスはヴィクトリア期の19世紀後半創業という会社が多いのですが、このティースプーンを作ったAtkin Brothers Ltd.はその創業が1750年という老舗です。 

また第一次大戦を経て英国の勢いがピークを過ぎるとともに消えていったシルバースミスが多い中にあって、Atkin Brothers Ltdの勢いは衰えませんでした。 1930年代にはこの会社は当代一流の職人を抱える会社として名を馳せていました。 

1938年の英国産業展覧会ではAtkin Brothersご自慢の職人、親方衆がクイーンメアリーに謁見を許されお褒めの言葉を授かったとの記録が残っています。 親方衆の中には、Atkin Brothers勤続63年のハリーデニスや勤続62年のジョンストークスが含まれていました。 そして当時31人いた親方衆の平均勤続年数は47年4ヶ月だったそうです。 こうした親方たちの手仕事に支えられたシルバーウェアのクォーリティは相当高かったと考えられます。

徒弟制度の善し悪しは別として、当時のAtkin Brothersのような職人集団は、今日の世の中では望むべくもありません。 あるシルバースミスの方からお話を伺ったのですが、人件費の高騰した今日のイギリスにあっては、昔のシルバースミスと同じ仕事は到底出来ないとおっしゃっていました。

この品が作られた頃の時代背景については、英国アンティーク情報欄にあります 「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。 







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