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No. 5028 ボグ オーク &ベークライトのフラワーブローチ
横の長さ 4.35cm、最大縦長 1.9cm、ブローチ本体の最大厚み(留め金含まず) 7.5mm、重さ 5g、エドワーディアン頃の英国製、一万七千円

留め具が付いた基盤部分はベークライトで、その上にお花のデザインになったボグオークの彫刻がのった構造です。 より硬い素材であるベークライト フレームがボグ オークを守る格好になっていて、よく考えられたアクセサリーです。 フレームとボグオークの接続に少し緩みが感じられますが、外れることはないので大丈夫でしょう。

ボグ オーク(Bog Oak)のハンド カービングはかなり繊細で、可愛らしくもあり、美しい仕上がりと思います。

「Bog Oak」というのは、イギリスのような比較的寒冷な土地の泥炭地に埋まったオークの古木で、木材素材としてはかなり硬いことが、彫刻素材に適していることもあって、古くから装飾品の素材として使われてきました。 オークの落ち着いた輝きはとても英国風で、オークをふんだんに使ったマナーハウスの優雅な雰囲気に通じるアンティークな素材です。

ボグ オーク素材を使ったアクセサリーは、その深い色合いからも想像がつくところですが、ジェッドと同じ系譜にあるアンティークになります。 寒冷な気候が生み出したイギリスならではの素材という点でも興味を惹かれますし、素材が堅く丈夫なので、普段使いしていく上ではむしろジェッドよりも安心感があります。 英国で探しても品数はそれほど多くないアンティーク分野になりますが、このところ仕入れの際には気を付けているアンティークです。

オーク素材と英国マナーハウスについては、英国アンティーク情報欄の「20.アフターヌーン ティー」の解説記事もご参考まで。

素材のベークライトとは化学者Leo Baekelandが20世紀初めに発明し、1907年にパテントを取った史上初の人工硬質プラスチックです。 この素材の熱に強く非常に固い性質は、彫刻を加えるなど複雑な加工に耐えるという意味で、コスチュームジュエリーの材料として注目され、1920年代から40年代にかけてベークライトのコスチュームジュエリーが全盛となりました。

ベークライトは高温高圧の製造過程でしばしば爆発を起こし危険であったことや、第二次大戦後にはいろいろな高機能プラスチックが登場したことで、60年代半ばには生産中止となりました。 しかし逆に製造期間が限定されていたことから、アンティークとしての価値が増し、今日ではコレクター アイテムとなっており、特にアメリカには大勢の収集家がいます。

アンティーク ボグ オーク  ベークライトのフラワーブローチ

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