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No. 20025 ハート&アイビー モチーフ エドワーディアン スターリングシルバー ブローチ
横の長さ 4.9cm、最大縦長 1.9cm、ハートの横幅 1.85cm、厚み(ピンと留め具含まず) 2.5mm、重さ 4g、1908年 バーミンガム、一万四千円

この分野のアンティークは現代の品には見られない雰囲気と、一つ一つが個性的で同じものをまず見かけないのが特徴で、ホールマークから製作年やメーカーの特定が可能なことも多いので、私は興味深いアンティーク分野と思っています。

くり貫きハートの内側にアイビーの葉っぱが三枚、そして蔦が伸びていって左右に大きめなアイビーの葉っぱがついています。 ハート&アイビーはともにヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に流行ったモチーフなのです。

現代でも馴染み深いハートのデザインですが、その歴史をたどりますと、英国におけるハートのモチーフはジョージアンの頃登場し、ヴィクトリア期に大流行した経緯があります。 

また、19世紀後半からしばらく、ヴィクトリアンやエドワーディアンのイギリスでは、当時の自然主義的傾向にアイビーがよくマッチした為、バルコニーやガーデンファーニチャーに絡まるアイビーが大変好まれました。 アイビーは蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 そしていつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すクリスチャンモチーフともなっています。

四つのブリティッシュホールマークがしっかり刻印されているのも、この品の優れた特徴です。 ホールマークは順に メーカーズマーク、バーミンガムアセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1908年のデートレターになります。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 この銀のブローチが作られたのは1908年ですから、正式な‘アンティーク’に晴れて昇格したばかりの品ということになります。 

一言に百年といっても、やはりそれだけの時の経過は大変なことと思います。 ちなみにこの頃の歴史年表を眺めてみますと、1910年:エジソンが電球を発明とか、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没とか、出てきます。

このアンティークが作られた時代というのは、電灯もなかった時代なわけで、こうしたアンティークを手にしながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみであろうと思うのです。

写真の銀ブローチが作られた1908年は明治四十一年にあたっており、この年の九月から十二月まで漱石の『三四郎』が朝日新聞に連載されておりました。 この小説は明治四十年夏の終りから翌年初までの東京を舞台にして話が進んでいきますので、『三四郎』はアンティークな当時の暮らしを知る資料になりえます。

ハート&アイビー モチーフ エドワーディアン スターリングシルバー ブローチ

裏面の様子

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