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No.19042 木製鏡筒ボディー&ブラス製 単眼鏡 SOLD
伸ばした長さ 18.2cm、収納時の長さ 9.8cm、重さ 86g、最大直径 3.8cm、対物レンズの口径 3.1cm、接眼レンズ口径 0.6cm、SOLD

ボディーの部分は木製で、伸縮部や対物&接眼レンズのフレーム部分はブラス製です。 かなり渋い味わいの伸縮式単眼鏡と思います。 正確に言えば、昔、ガリレオが木星の四つの衛星を発見したことで有名なガリレオ式望遠鏡と呼ばれるものです。

接眼レンズはブラスのフレームごと、取り外しが出来て、内部の掃除が可能です。 求めた時にはレンズの内側にホコリがありましたが、綺麗になりました。 古い望遠鏡でありますが、今でも十分に実用可能です。 ピント合わせは、遠くを見る時には伸縮部を短めにし、近くを見るときは伸縮部を長め引き出して調整します。

興味深く思ったのは、意外と近いところでもピントがあって見えることです。 伸縮部全体がかなり長い構造の為でありましょう。 伸縮部を長めに伸ばして見ると、3メートル先あたりでもピントがあって綺麗に見えます。 通常の双眼鏡やオペラグラスなどですと、対物&接眼レンズ間の距離合わせ稼動範囲が短いので、あまり近いところではピントが合わず、ぼけて見えるのが普通です。  

写真四番目のように対物レンズを見ると、写真では判別できない程度ながら、レンズ円周の最上部でレンズとフレームの間にわずかに隙間があります。 ぱっと見では気がつきませんが、クリーニングをしながら、よく細部まで見ていくと気がつく程度、レンズはフレームにしっかりと固定されており、がたつきはなく、見え味に影響ありません。 

アンティーク 単眼鏡の使い勝手や性能を調べてみました。 この時期のイギリスはあいにく天気が悪く、星空が見える好天の夜を待っておりましたが、ようやく機会に恵まれました。

写真の単眼鏡=ガリレオ式望遠鏡は、対物レンズに凸レンズを、接眼レンズに凹レンズを使用することで、正立像をむすびますので、地上用に使いやすく出来ています。 ちなみに一般の望遠鏡はケプラー式と呼ばれて倒立像であり、宇宙には上下がないので、星を見るには構いませんが、地上で使うと天地が逆転して困ります。

ガリレオ式の望遠鏡には、視野が狭いという特徴があります。 接眼レンズの中央に目を置いても、視野の周辺は暗くなり、見える範囲が狭まってきます。 このことはガリレオ以来、この望遠鏡についてまわった構造的な問題で、その為にこの方式は望遠鏡の主流にはなっていきませんでした。

ただ、古いもの好きに言わせれば、視野の周辺が暗くなるガリレオ式の見え方にはなんともアンティークな風情を感じます。 視野が狭いといわれるガリレオ式で、いったいどの程度なのか、実験してみました。

写真五番目で左に見える対空双眼鏡の実視界は3.3度、右の双眼鏡は7度あります。 実視界3度というと、例えば昨晩ですと、オリオン座が見えていて、有名な「オリオン座の三ツ星」は端から端まで3度ほどになります。 対空双眼鏡だと三ツ星の端から端がちょうどおさまる感じで、双眼鏡だと余裕で三ツ星が視野におさまります。 見比べてみて、単眼鏡の視野は4度程度と判断しました。 狭いとは言え、数字にすると意外とあるなと思いました。

私は視力が弱いので、メガネで見ても、プレアデス星団(昴)の七ツ星が数えられませんが、この単眼鏡を通してみれば、星数がカウントできました。 対空双眼鏡をオリオン大星雲に向ければ、圧倒的な迫力で星の世界が眼前に展開します。 この単眼鏡にはそんな力はありませんが、ガリレオはこんな望遠鏡で星を見ていたのかと思えますし、視力のよくない私としては、昴が識別できたところで丸印を上げたいと思います。

木製鏡筒ボディー&ブラス製 単眼鏡










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