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No. 18286 グッドラック ホースシュー カレンダー
長さ 7.0cm、重さ 61g、最大幅 6.9cm、最大厚み 1.0cm、八千五百円

ホースシューの下の方には「Good Luck」の文字が見えています。 ブラス素材でしっかり重たいGood Luck ホースシューのカレンダーです。 裏面にはイギリス製を示す「GT BRITAIN」の刻印があります。 Great Britain=グレート ブリテンは、俗に言うUnited Kingdomと同じ意味になります。

短い長さの日付札、中くらいの月札、長い曜日札がそろっていて、ポケットに差し込むと、写真のようにおさまる仕組みです。 この変更操作は慣れればすぐに出来ると思いますが、なにしろ手動式ですから、たぶんすぐにサボってしまって、カレンダー更新が止ってしまうことは目に見えています。

まあ、こういう品をのんびり使えた昔の時代はよきかな、という気がします。 毎日更新するのは大変なので、忘れちゃいけない日をあらかじめ設定して、デスク周りに飾っておけば、Good Luckなアラームの役割は果たしてくれそうに思います。

ホースシューはイギリスではグッドラックの意味があって人々に好まれます。 縁起のよさが好まれ、パブの看板に蹄鉄三つが描かれて、写真二番目のような「Three Horseshoes」なんていう名前のパブもありますので、「ホースシュー=幸運」の図式はイギリス人の暮らしに深く根ざしていることが分かります。

ついでながら、シャーロック・ホームズの『白銀号事件』を読んでいましたら、ホームズの「I think that I shall put this horseshoe into my pocket for luck.(このホースシューは幸運があるように、私が貰っておきましょう。)」という台詞に出会いました。 この探偵小説は1892年12月に発表されていますので、少なくともヴィクトリアンの頃には、「ホースシュー=グッドラック(幸運)」の連想があったことが分かります。 シャーロック・ホームズ シリーズには、アンティークなヴィクトリアンの暮らし向きが読み取れる場面が豊富なので、注意して読むと面白いようです。

それから、蹄鉄の滑り止めはカルカン(Calkin)と呼ばれるのですが、ちょっと注意して見てみると、このホースシューのカルカンは右側に三つと左側に四つの合わせてラッキーセブンになっています。 ホースシューが本来持っている幸運の意味合いに、カルカンのラッキーセブンが掛け合わされて、ラッキーの二乗になっていることから、より効果のありそうなホースシューに作られているのです。 

それでは、なぜホースシューが好まれるようになったのか。 ヴィクトリア時代に書かれた『The Horse Shoe, The True Legend of St. Dunstan and The Devil』 という書物には、ホースシューにまつわる伝説が書かれています。 その概要をご紹介してみましょう。

後にカンタベリー大司教になったセント・ダンスタンは、ハープを弾くのが上手で鍛冶屋の仕事もこなす器用な人でした。 ダンスタンが夜にハープを奏でていると、デビルがやって来て邪魔をするようになりました。 デビルの悪戯に困ったダンスタンは一計を案じて、蹄鉄を取替えに来たデビルの蹄足にホースシューの留め釘を深く打ち込んだのでした。 

痛がるデビルにダンスタンはこう言います。 「これからは礼拝の邪魔をしないこと、音楽を奏でる邪魔をしないこと、そしてホースシューを掲げた家には寄り付かないこと。 これを守るなら直して進ぜよう。」 デビルはダンスタンと契約をかわし、以降はホースシューが魔除けの役割を果たすようになり、さらには Good Luck をもたらすお守りとされるようになったのでした。

グッドラック ホースシュー カレンダー



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