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No.18240 ヴィクトリアン スターリングシルバー MIZPAH メッセージ ブローチ
ブローチ横の長さ 3.9cm、縦の長さ 1.7cm、ピンの長さ 4.1cm、ブローチ本体の厚み(留め金含まず) 2mm、1888年 バーミンガム アセイオフィス、一万二千五百円

ヴィクトリア時代の終り頃に作られたMIZPAHモチーフのスターリングシルバー ブローチです。 MIZPAHと聞いても、私も含めてクリスチャンでない方々にはちょっとピンと来ないと思うのですが、ヴィクトリアンやエドワーディアンの頃の人たちにとっては、ほとんど誰もが知っている人気のキーワードでありました。

というのは、このMIZPAHのメッセージは、旧約聖書Genesis(創世記)の一節で、"And Mizpah; for he said, The Lord watch between me and thee, when we are absent one from another."に由来しており、恋人たちの間でお互いの愛が末永く続きますようにと、MIZPAH ジュエリーをプレゼントしあうことが、19世紀の終わり頃にとても流行ったことが背景にあるのです。

MIZPAHの銀文字は一段高くなった構造です。 周囲をひとまわり、ブライトカット様の装飾が施されていて、パラボラ状の彫刻切面がもたらす光の反射が綺麗です。 その内側には、これもブライトカットの応用である繊細なジグザグ彫りが効いていて、華やかな印象の仕上がりにしてあります。 さらにMIZPAH銀文字の上下には植物文様と小花が一つずつ彫られており、可愛らしいです。 それから、周りに配された銀の粒々はグラニュレーションと呼ばれ、ヴィクトリア期に好まれた銀装飾の手法です。 

全体として品のよさを感じさせてくれるヴィクトリアン アンティーク シルバーと思います。 ハンドエングレービング(手彫り彫刻)が、繊細かつ美しいことには驚かされますが、まさに一つ一つが手作りであったヴィクトリアン アンティークならではの仕事振りと言えるでしょう。 

この品のポイントは写真二番目にあるように、百年以上前のブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているところにもあります。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、1888年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。 

ヴィクトリアンという古さで、ブリティッシュ シルバーホールマークがこれほどはっきりしているのは、アンティークとしてグッドポイントと思います。

ヴィクトリアン スターリングシルバー MIZPAH メッセージ ブローチ


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