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No. 18170 ヴィクトリアン スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフ with イニシャル「M」
長さ 19.1cm、重さ 48g、ブレードの最大幅 2.65cm、フィドル柄の最大幅 2.1cm、柄の最大厚み 3mm、1895年 ロンドン、Edwin Charles Purdie作、12,300円

フィドル柄の先に見えるイニシャル「M」が特徴的です。 このアルファベットの字体は、イングリッシュ ホールマーク ブックをお持ちでしたら、バーミンガム アセイオフィスの1824年から1848年までのデートレター サイクルで使われている字体と同じになりますので、ご覧になってください。

この品が作られたのはヴィクトリアン終わり頃の1895年で、日本では日清戦争の頃にあたり、今から百二十年近くも前のことになります。 19センチの長さに、ブレード幅が最大で3センチ近くあって、現代のバターナイフと比べるとかなりのキングサイズであることから、バターナイフと言われても今日的にはちょっとピンと来ないかも知れません。 しかし、これがアンティークでしか感じることが出来ない昔のシルバーウェアの味わいになっています。 

鏝状(こて状)構造に加えて、幅広なブレードと大きなサイズを考えると、今日的にはオードブルサーバーとして使っても良さそうに思います。 48グラムという持ちはかりも純銀の心地よい重みを楽しむのに十分です。 

バターナイフは元々バタースペードという鏝状(こて状)のシルバーウェアから発展してきた経緯があります。 このバターナイフはブレード面に対して柄先が2センチ半ほど高い位置にくる構造で、その昔の「こて状バタースペード」の面影を残しているという意味で、バターナイフの歴史的発展過程を示しているわけで、博物館的な興味を感じさせてくれるアンティークとも言えましょう。

柄の裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻んであるのも好印象です。 ホールマークは順にメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1895年のデートレターになります。

それから、この品のデートレターをご覧いただくと、その形が盾状をしていて特徴があります。 ロンドンアセイオフィスにおける19世紀のほぼ第四四半期にあたる1877年から1895年までのデートレター サイクルは「盾」と覚えておかれると、アンティークハントの時には便利です。 この時代はイギリスの国力が大いに伸張した時期にあたることから、今日においてもこの頃のアンティークに出会う可能性も高いのです。 デートレターをすべて暗記することは難しくても、「ロンドンの盾はヴィクトリアン後期」と知っておくと、アンティークハントの際には使える知識になります。

この品が作られた当時の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」と「14. Still Victorian」の解説記事もご参考ください。 それから、「9.トラディショナル イングリッシュ バターナイフ」の解説記事もご参考ください。

ヴィクトリアン スターリングシルバー フィドルパターン バターナイフ with イニシャル「M」




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