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No.17034 ダブル グッドラック シリング 銀貨(「Lucky Shilling」) ブローチ
横の長さ 4.6cm、シリング銀貨の直径 2.35cm、全体の重さ 12g、シリング銀貨は1887年鋳造、8,800円

もともとラッキーモチーフのシリング銀貨でありますが、二枚重ねの構造で、ラッキー効果も倍増です。

ポワロ シリーズの『Murder in The Mews』を見ていたら、ジャップ警部と事件を目撃した男の子のあいだで、こんな会話がありました。

ジャップ警部:「Here you are, my boy, here's sixpence for you.」
男の子:「Very kind, sir, but you couldn't make it a shilling, could you?」
ジャップ警部:「Go on. Clear off.」

昔のイギリスでは貨幣体系がややこしくて、分かりにくいのですが、ちょっと知ッがあればフムフムとすっきり楽しめます。

シリング銀貨は12ペンスにあたりました。 つまりは、ジャップ警部が目撃証言をしてくれた男の子に、ご褒美として六ペンス銀貨をあげたら、男の子が、ありがとうとお礼を述べながらも、できれば倍額のシリング銀貨をもらえまいか?と言って、ジャップ警部に調子に乗るなと追い払われている場面です。

この品はラッキーシリングものの一つとなりますが、ヴィクトリア女王戴冠五十年記念のゴールデンジュビリー シリング銀貨が使われております。 お祝い気分とあいまって、やはり縁起物アクセサリーとして作られたものでしょう。

『裸の王様』、『みにくいアヒルの子』、『人魚姫』などで有名なアンデルセンの作品の中に、19世紀半ばに書かれた『シリング銀貨』というおとぎ話があります。 外国旅行に出かけた英国紳mの財布にあった一枚のシリング銀貨が、異国の地で財布からこぼれてしまい、いろいろな人たちを巡りめぐって、最後には元々の持ち主であった英国紳mのもとに戻ってくるというストーリーです。 

物語の中で、シリング銀貨に穴をあけて糸を通し「Lucky Shilling」として身に着けるという話が出てきます。 シリングは大き過ぎず、小さ過ぎず、ペンダントヘッドにちょうど良いサイズであることと、シルバーという素材は幸福に通じることから、遠いヴィクトリアンの時代よりラッキーシリングとして好まれてきた背景があるようです。 

ハ真のようなアンティークが作られた背景が分かって興味深いので、岩波文庫にありますアンデルセン童話集も合わせて読んでみてください。

ハ真二番目に見えるように、表に描かれているのはヴィクトリア女王の横顔です。 女王の若かりし頃はナショナル ポートレートギャラリーにある肖像画でご覧いただけるのですが、以下に写真がありますのでご参考まで。 「英国アンティーク情報、14.Still Victorian

クイーン ヴィクトリアが若干18歳の若さで英国王位を継承したのは1837年のことで、この年から六十余年に及ぶヴィクトリア梠繧ェ始まり、戴冠50年のジュビリー イヤーには、盛大なお祝いが行われました。 ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリスjの中でも特にポピュラーな国王となりました。

裏面にはヴィクトリア女王時代に好まれたシールドリバースのデザインに採用されています。 描かれているのは、右上にライオンの立ち姿でライオンランパント、左下にはハープクラウンド、そして三頭のライオンは『ライオンハート(R心王)』の愛称で知られる12世紀の英国王リチャード一世時代からのエンブレムです。 銀貨の下部にはヴィクトリア女王戴冠五十年記念のゴールデンジュビリーにあたる1887年の数嘯ェ見えます

ヴィクトリア梠繧フイギリスについては、「英国アンティーク情報」欄にあります「31. 『Punch:1873年222日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記魔熏わせてご覧ください。

ダブル グッドラック シリング 銀貨(「Lucky Shilling」) ブローチ



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