アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

No. 15093 フランス製 シルバー ペンダントヘッド
直径 2.1cm、最大厚み 1.5mm、縦の長さ(留め具含む) 3.1cm、重さ 5g、フランス製、一万円

表と裏がともに立体感のあるレリーフデザインで、マリア像の顔立ちもよろしくて気に入りました。 写真一番目の表側のみならず、写真二番目に見られるように、裏面のデザインも素敵です。 ホールマークはありませんが、重さを含めた手にした感じや金属の風合い、そして銀磨き液でお手入れしたところ綺麗になった様子からみて、素材が銀であることは間違いないでしょう。

当時としては、素材が銀ですので大量生産品ではないのですが、私がルーペで観察してみるに、レリーフ状に盛り上がった細工で、これを彫刻刀で彫り出すことは、如何に当時の巧であってもまず無理なことと思われます。 細部は彫刻刀を加えた可能性があろうかと思いますが、型押しで全体を調整したものと考えます。

写真一番目で丸いペンダントヘッドを時計とみて 5時のあたりに文字があるようだが、何だろうかとご質問がございました。 あらためて手元に出して調べてみましたところ、ルーペを使って見てみますと、確かに文字がありました。 肉眼では見えないほど小さな文字なので、サイトの写真でご覧になって、よく気がつかれたものだと驚いております。

文字は「PENIN」とあります。 ご質問いただいた方から情報をいただきましたので、皆様にもご紹介させていただきましょう。 「PENIN」とあるのは、フランス リヨン市のメダル彫刻家 Adolphe Peninのサインであるとのこと。 Penin家は4代にわたってメダル彫刻家なので、Penin家のどなたかのサインと思われますが、Peninとしか書かれてないのはアドルフ・ペナンが多いようです。

ちなみに L.PENINであればリュドヴィク・ペナン、P.PENINはポール・ペナンとなります。 緻密な彫刻で美術品のような作品が特徴で、マリア様の表情も良いことから、一目でPenin家のものと確信されたそうでした。

それから、このフランス アンティークにまつわる追加情報になりますが、写真の品は北フランスの海岸沿いにあるボローニュ・サ・メールという街で求めました。 この街は紀元前一世紀にはジュリアス・シーザー率いるローマ軍が駐屯し、イギリス征服を進める前線基地となった古い歴史をもっています。

英仏海峡を見据える要衝であったことから、旧市街は今日でも城壁に囲まれた城塞のままで、石畳の通りからノートルダム寺院の尖塔が見えて、タイムスリップしたような雰囲気を楽しめるアンティークな趣の街となっています。

城壁に囲まれた旧市街は、散策にいいところです。 ビストロとか多くて、ランチで賑わっておりました。 海のそばなので、ムール貝を食べている方が多かったのを記憶しております。 私ども家族もムール貝にしました。 品物は新市街のアンティークショップで見つけました。 銀製品は少なかったので、見つけたのはラッキーだったと思います。

フランスへは仕入れも兼ねて時々旅で出かけます。 たいていはドーバー海峡を越えて車で行きますので、北フランスからベルギー辺りが多いです。 しかし、あまり土地勘がないので、アンティークの仕入れはそれほど多くできません。 旅をしたり、フランスの食材を買ったりするのが主な目的になってしまいがちです。

それから、思うに、英吉利物屋の取り扱い品は銀が多いのですが、フランスにはシルバー アンティークがそもそも少ないように思います。イギリスと比べてのお話ですが。

もう一つ、あらためてペンダントヘッドを手元で眺めておりまして、PENINのサインが裏面にもあることに気がつきました。 表のサインについては、お客様との遣り取りとして、説明に書いたとおりです。 裏面にも下の方に小さくPENINとあります。 追加情報まで。

写真三番目はボローニュ・サ・メールのアンティークなポスターです。 日傘をかざしてオペラグラスを手にした貴婦人と、魚網を担いだ漁師の組み合わせが、なんだか可笑しいのですが、パリから一日に24本出ている急行で三時間だとか、汽船が就航している様子からみて、エドワーディアンの頃のボローニュ・サ・メールでしょう。

フランス製 シルバー ペンダントヘッド

フランス製 シルバー ペンダントヘッド



アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ