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No. 6926 エドワーディアン スターリングシルバー ティースプーン
長さ 10.9cm、重さ 11g、ボール部分の最大幅
2.15cm、ボールの深さ 6.5mm、1903年 シェフィールド、Charles
William Fletcher作、一本 四千五百円、(2本あります。)
元々四本求めたものですが、残り二本になりましたので写真を撮り直しました。
今から百年以上前のエドワーディアンの時代に作られたスターリングシルバー ティースプーンです。 お花のエングレービングが可愛らしく、彫りはとても繊細です。
写真では解像力不足でよくご覧いただけないのですが、小花のエングレービングは放射状に微細な彫刻線を施したものですし、柄先に向かうエッジの飾り彫りも限界的な職人技になっています。
柄の裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり刻印されているのもこの品のよい特徴でしょう。 それぞれ順にシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1903年のデートレター、そして「CWF」の刻印は「Charles
William Fletcher」のメーカーズマークです。
C.W.Fletcherはヴィクトリア時代から続くシルバースミスで、エドワーディアンの頃にはBrewis
& Coという銀工房を買収してその傘下におさめるなど勢いのあるメーカーでした。 このシルバースミスの歴史を見て特に興味深いのは、二十一世紀の今日でも存続し続けているメーカーであることでしょう。
英国の銀工房の多くは第一次大戦の頃を境にして、イギリスの国力が衰えるのとともに消えていったメーカーが多いのですが、C.W.Fletcherが残ったことには理由があります。 第一次大戦後にイギリスに代わって勢力の伸びてきたアメリカに軸足を移すことに上手く成功したのでした。 ニューヨークにあったJames
Robinson Inc.という会社を通じて、生産の九割までもをアメリカ向けに輸出する銀工房に変貌していったのです。
アメリカ人にとっても、歴史的な母国であるイギリスで作られた銀器というのは魅力であったようで、C.W.FletcherとJames
Robinson Incの提携は成功しました。 先代のFletcher氏亡き後の2002年にはJames
Robinson IncがC.W.Fletcherを買収して、引き続き銀器の製作と販売にあたっています。
次の記事もご参考まで。
Flatware Profile: James Robinson Inc.
また、ニューヨークのパークアベニューに店舗があるJames
Robinson Incのサイトは以下になります。
http://www.jrobinson.com/index.php