いぎりすもんや は英国発信のアンティーク情報サイトです。
  良い品をイギリスから直接、お求め易い価格でお届けします。

英国 アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ セール コーナーへ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ
アンティーク シルバー ティースプーン (5)へ

アンティーク シルバー ティースプーン (4)

あるお客様から、「バラ売りされているティースプーンはないでしょうか。ちがった年代、デザインを1本ずつ集めるのも楽しいのでは・・・」とお便りいただきました。

実は私も以前にティースプーンをちがった年代、デザインで1本ずつ集めるのも楽しいのではと思ったことがあったのです。 知り合いのアンティークディーラーのお宅にお邪魔してお茶をご馳走になった時、出てきたティースプーンが、プレーンなジョージアンスプーンでしたが、セットではなくちがった年代とデザインでした。 そのことでかえってスプーン一本一本を眺めたり、ホールマークを見比べたりと話が弾み、セットのティースプーンであったら出来なかったような会話を楽しむことが出来たのです。 この時、セットよりバラのアンティークの魅力を確かに感じたのですが、頭が固いと言いましょうか、英吉利物屋でティースプーンをご紹介するとなると、「ティースプーンはセットで」という先入観から抜け出せぬままに今日まで来てしまいました。 一方で仕入れの際に綺麗なティースプーンを一本見つけると、つい求めてしまうのですが、その後はサイトアップすることなくそのままになっていたのです。

お客様からのお便りでハッといたしました。 アンティークティースプーンをバラで集める魅力は確かにあるとあらためて思いました。 以下のコーナーでバラのティースプーンを少しずつご紹介していけたらと思います。

(下線付き太字の品物名をクリックいただくと、拡大写真とその他の説明写真がご覧いただけます。)



アンティーク シルバー ティースプーンの手持ち品はhttp://www.igirisumonya.com/teaspoon15.htmへ移しました。


No. 16468 Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 12.6cm、重さ 14g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.6cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.15cm、1806年 ロンドン、Peter & William Bateman作、SOLD

このスターリングシルバー ティースプーンは今から二百年ちょっと前の1806年作で、英吉利物屋の扱い品の中にあってもかなり古い品になります。 二百年という圧倒的な古さは、やはりアンティークとして大きな魅力になりましょう。  

写真二番目のホールマークは順に メーカーズマーク、ジョージ三世の横顔でデューティーマーク、1806年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。

メーカーズマークの刻印があまく、デューティーマークとかぶっており、読み取りにくいのですが、刻印全体の形や文字列の様子、「PB,WB」のうちPとBの一部が判読できること、また一緒に求めたもともとセットのティスプーンとメーカーが同一と考えられることから、Peter & William Bateman作で間違いないでしょう。

品物名にあります「ジョージ三世」ですが、1760年から1820年までの英国王ジョージ三世時代は長かったので、アンティークにおいても、この時代の品には「ジョージ三世...」と接頭辞のように国王の名前を冠することが多いのです。 

数多いシルバーウェアの中でもベイトマン ファミリーの品は別格に扱われることが多いようです。 一つには二百年に近い年月を経ているということがあるでしょう。 しかしそれでも、なぜ?と思われる方も多いはずです。 手にとって直に見てみると、ボール部分が先細なタイプで品の良さを感じ、柄の曲線のなんとも言えない優雅さ、手仕事のみが生み出す温かさが多くの人を惹きつけてきた要因であることがわかります。 

そうは言っても、ベイトマン以外のオールドイングリッシュ パターンの品とここがどうしても違うとは私は思わないのですが。 結局のところベイトマンがアンティークシルバーにおいて別格なのは、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、コレクターの需要が強いからということになるのでは、と思います。

ベイトマン ファミリーの系譜については、 「19.ベイトマン ファミリーのメーカーズマーク」の解説記事もご参考ください。 また、オールド イングリッシュ パターンについては、「4.イングリッシュ スプーン パターン」を、そしてデューティーマークについては、「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」解説記事の後半もご覧ください。

かなり古いスプーンをお求めいただいたお客様から、ジョージアンの時代に銀器を使っていた人たちはどんな人たちだったのかというご質問をいただきました。 遠い昔に銀器を使っていたのは豊かな人たちであったに違いありませんが、この問題はよく考えてみると、もっと奥の深い問題であることが分かります。

ジョージアンの時代に銀器を使っていた人たちは、百年ほど前のヴィクトリアン後期に銀器を持っていた人たちよりも、一段と社会階層が上のお金持ちだったと思われます。 ジョージアンの時代には、まだまだ銀は社会の上層階級の占有物であったからです。 ヴィクトリア期には英国の経済力も大いに伸長したので、ヴィクトリアン後期の英国では銀器が新興富裕層にまで普及し、その裾野が広がりました。 つまり銀器を使った昔のお金持ちといっても、ジョージアンの時代とヴィクトリアンの時代ではその意味合いや程度が大きく異なるのです。

「International Hallmarks on Silver」という本に、過去の銀世界生産量推計という面白い資料がありました。 その資料によれば、1830年当時の年間生産量は460トンほどで、ヴィクトリア時代最後の1900年は5400トンとあります。 時代と共に生産量が十倍以上に増しているわけですが、逆にみると、より昔の時代における銀の希少性について、お分かりいただけるのではないでしょうか。

ジョージアンとヴィクトリアンでは銀のスプーン一本を取ってみても、そのステータスシンボルとしての価値はかなり違っていたわけです。 もっと詳しく知るためには、英国社会史や経済史の理解が不可欠になりましょう。 これからも少しずつ調べて、個々のアンティークが持つ時代背景について、英吉利物屋サイトでお伝えしていければと思っています。

銀の価値を考えているうちに、もしこの銀スプーンを江戸時代にタイムスリップさせたら、いったいどのくらいの価値があったものだろうかと思考実験をしてみました。 当時の英仏独伊といった国々のスタンダードは金銀複本位制で、銀の地金はマネーと等価であり、各国通貨への換算額も容易に計算できます。 ところが、江戸時代の日本では違った貨幣制度が採用されておりましたので、ややこしいところがあります。 

例えば時代劇など見ておりますと、両替商というのが出てきて、しばしば御奉行様と結託しては悪事を働いたりしております。 両替商の仕事といっても、鎖国の江戸時代に、海外旅行用の外貨両替なんてことはありえません。 それでは、この両替商はいったい何を両替していたのでしょうか。 江戸時代の日本では、金貨である小判と、銀貨、そして寛永通宝といった銭、これら三種マネーの交換レートが市場にまかされており、変動相場制になっていました。 極論すれば、ドルとユーロとポンドというレート変動する三通貨が一国の中で流通していたようなもので、そこに両替商の存在意義があったのです。

そんなわけで、写真の銀スプーンは一種の銀地金でありますが、江戸時代のマネーに換算するには、小判か銀貨か銭か、難しさが伴うのです。

ここでは、なるべく簡単な試算ということで、天保一分銀への銀地金換算をしてみましょう。 イギリスでヴィクトリア時代が始まった1837年は、日本では天保8年にあたり、この年から天保一分銀の鋳造が始まっています。 天保一分銀は江戸時代の中でも、特にエポックメイキングな銀貨であって、それがまたヴィクトリアンと重なっていることから、この銀貨について少し詳しくなるのもよいでしょう。

天保一分銀の重さは8.62グラム、銀純度は99%ほぼ純銀でした。 写真のスプーンは重さが14グラムのスターリングシルバーですから、銀の重さは14g*92.5%=12.95gとなります。 そうしますと、銀地金換算で、この銀スプーンは天保一分銀 1.5枚ということになります。 

これはざっくり言って黄金小判で三分の一強ということで、当時の国際標準からすると相当な金額になってしまうのです。 その理由は徳川幕府の貨幣制度にありました。 幕府は長い年月をかけて銀高金安誘導に成功し、天保一分銀の鋳造をもって、素材に銀を含むことから銀貨ではあることは間違いないけれども、その実態は銀高金安を固定する計数貨幣を完成させたのでした。 

江戸時代の人々は小判と銀貨を使ってはおりましたが、その貨幣制度は「自由な貨幣鋳造」が認められていなかったという点で、金銀複本位制というよりも、むしろ現代の管理通貨制度に近い仕組みでありました。 なお、「自由な貨幣鋳造」とは、人々が造幣局に持ち込んだ金銀の地金を、造幣局が金属的に等価な金貨あるいは銀貨と交換してくれることを意味します。 

Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン


No.16775 オールド イングリッシュ パターン スターリングシルバー ティースプーン SOLD
長さ 10.3cm、重さ 10g、ボール部分長さ 3.6cm、最大幅 2.2cm、深さ 5mm、柄の最大幅 1.0cm、1938年 シェフィールド アセイオフィス、(6本あります-->4本あります-->SOLD)

オールド イングリッシュ パターン スターリングシルバー ティースプーン


No.16665 ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ブライトカット ティースプーン SOLD
長さ 12.1cm、重さ 11g、ボール部分の長さ 4.1cm、最大幅 2.6cm、ボールの深さ 5mm、柄の最大幅 1.25cm、1800年前後の作、SOLD
ジョージ三世の時代に作られたオールドイングリッシュ パターン スターリングシルバー ティースプーンです。 ジョージアンの時代の中でも、ジョージ三世の治世(1760年から1820年まで)が最も長かったこともあり、この時代のアンティークには「ジョージ三世」の名を冠することが英国ではよくあります。 

デートレターが判読できませんが、ホールマークは順にスターリングシルバーを示すライオンパサント、ジョージ三世の横顔はデューティーマーク、そしてメーカーズマークになります。 デューティーマークの形から判断して、1800年前後に作られた銀スプーンで間違いないところです。

ブライトカットは十分に美しく、二世紀前のティースプーンには現代人を惹きつける何かがあるように思います。 古いシルバースプーンをお求めいただいたお客様からのコメントをご紹介させていただきましょう。 『例のティースプーンは勉強の合間に入れるお茶に毎日欠かさず使っています。 不思議なもので、使っていると、以前より輝きが出てきたように思います。 また、親しみというか、スプーンに不思議な親近感までわいてきて、ちょっと危ないのかと思ってしまうほどです....(^^;』 銀というのは、かなり古いアンティークであっても、使っているうちに、また銀本来の輝きを取り戻してくるところが嬉しいものです。

今から二百年以上前に作られており、二世紀以上の時を経ているという古さはやはりアンティークとして大きな魅力になりましょう。 英国の歴史は比較的安定していたことが特徴で、隣国フランスのように大きな革命や動乱を経験せずに今日に至っており、そのおかげもあってイギリスにはアンティークのシルバーが多く残っているとも言えます。 しかし、このティースプーンが作られた18世紀後半はイギリスにおいてもかなり世の中が荒れて、政治が混乱した時代でした。 

一つには産業革命の影響で英国社会に大きな変化が起こりつつあって、ロンドンでは打ち壊しのような民衆暴動が頻発していたことがあり、二つには国王ジョージ三世がアメリカ植民地経営に失敗してアメリカ独立戦争を招いたことなどが混乱に拍車をかけました。 18世紀後半にロンドンで起こったゴードン暴動では死者が五百人を超える惨事となって革命一歩手前だったようです。 

さらに加えて海外からの不安定要因がイギリスを脅かし始めます。 1789年に始まったフランス革命は次第に先鋭化していって、ついに1793年には国王を処刑してしまうまでになりました。 このティースプーンが作られた頃というのは、おっかなびっくり隣国フランスの様子を窺いながら、当時のイギリスはいつ対岸の火事が飛び火してくるか、ひやひやものでありました。 もし英国史がそのコースを少し外していたら、このスプーンを今こうして見ることもなかったかもしれない、などと思ってみたりもするのです。

ブライトカットは18世紀の終わり頃から、英国においてその最初の流行が始まりました。 ファセット(彫刻切面)に異なった角度をつけていくことによって、反射光が様々な方向に向かい、キラキラと光って見えることからブライトカットの呼び名があります。 この装飾的なブライトカット技術が初めて登場したのは1770年代でしたが、それは良質の鋼(はがね)が生産可能となってエングレービングツールの性能が向上したことによります。

オールドイングリッシュ パターンについてはアンティーク情報欄「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事を、またジョージ三世については「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」後半部分をご覧ください。
ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ブライトカット ティースプーン


No. 16662 ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ブライトカット SOLD
長さ 12.2cm、重さ 10g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.5cm、ボールの深さ 5.5mm、柄の最大幅 1.3cm、1810年頃の英国製、一万円 SOLD
ジョージ三世の時代に作られたオールドイングリッシュ パターン スターリングシルバー ブライトカット ティースプーンです。 ジョージアンの時代の中でも、ジョージ三世の治世(1760年から1820年まで)が最も長かったこともあり、この時代のアンティークには「ジョージ三世」の名を冠することが英国ではよくあります。 

ブライトカットの綺麗なアンティークシルバーですが、柄の周囲に施された鉤彫りも繊細な手仕事で、二百年前のシルバーウェアとは言え、昔の銀職人さんが作ったんだなあというか、人の作った温かみが今に伝わってまいります。
ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ブライトカット 


No. 16652 ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 13.7cm、重さ 16g、ボール部分の長さ 4.6cm、最大横幅 2.8cm、ボールの深さ 0.6cm、柄の最大幅 1.4cm、1827年 ロンドン、八千円 SOLD
今から百八十年以上前に作られたスターリングシルバーのティースプーンです。 もうすぐ二世紀が経過しようという古さは、たいへんな魅力になろうかと思います。 あまり使われずに今に至っているようで、コンディションが良好なのもよいでしょう。 柄の裏面にはブリティッシュ ホールマークがどれもしっかり深く刻印されているのもポイントです。 

柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、メーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1827年のデートレター、そしてジョージ四世の横顔でデューティーマークとなっています。

16600 銀スプーンと同等品になりますので、説明記事の内容は二本に同様に当てはまります。 ところが、写真三番目をご覧いただくと、ブリティッシュ ホールマークの下方にポッチの刻印がありますが、その刻印場所に違いが認められて、まず個性が感じられます。 そして、二本を手元でじっくり眺めてみると、柄元の銀の厚みや、柄先に向う流線形のくびれの様子など、細かいところに違いが認められて、これこそが二世紀前の手仕事の味わいなのだなあと感慨深く思います。

ちなみに、ブリティッシュ ホールマーク下方にポッチの刻印は、ジャーニーマンズ マークと呼ばれます。 ジャーニーマンズ マーク(Journeymanは徒弟の上で、マスターの下に位置する。)と言うのは、シルバースミスの工房の中で誰が手掛けた仕事かを示す職人ごとのマークです。 ジャーニーマンズマークの分析はアンティークシルバーの研究の中でも最前線にあって、こういうことを地道に調べている専門家がいるイギリスはとても面白い国とも思うのです。
ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン


No. 16600 ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 13.6cm、重さ 15g、ボール部分の長さ 4.6cm、最大横幅 2.8cm、ボールの深さ 0.6cm、柄の最大幅 1.4cm、1827年 ロンドン、八千円 SOLD
ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン


No. 16472 ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 13.5cm、重さ 15g、ボール部分の長さ 4.5cm、最大横幅 2.8cm、ボールの深さ 0.6cm、柄の最大幅 1.4cm、1827年 ロンドン、八千円 SOLD

今から百八十年以上前に作られたスターリングシルバーのティースプーンです。 もうすぐ二世紀が経過しようという古さは、たいへんな魅力になろうかと思います。 あまり使われずに今に至っているようで、コンディションが良好なのもよいでしょう。 柄の裏面にはブリティッシュ ホールマークがどれもしっかり深く刻印されているのもポイントです。 

柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、メーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1827年のデートレター、そしてジョージ四世の横顔でデューティーマークとなっています。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますが、このティースプーンが作られたのは1827年ですから、余裕でアンティークのカテゴリーに入るどころか、あと十数年で"ダブル"アンティークになるわけで、そんな辺りにもアンティークファンとしての楽しみ方がある品であります。

ジョージアン スターリングシルバー オールド イングリッシュ パターン ティースプーン


No. 15969 ヴィクトリアン フラワーエングレービング スターリングシルバー ティースプーン SOLD
長さ 11.3cm、重さ 10g、ボール部分の最大幅 2.25cm、ボールの深さ 6.5mm、柄の最大幅 1.2cm、1894年 ロンドン、William Hutton & Sons Ltd作、(6本あります-->2本あります-->SOLD)
アンティークスプーンの個性と魅力については、やはり当時と現在では人手のかけ方が桁違いであることが背景にあろうかと思います。 スプーン等のテーブルウェアの分野では、百年前には労働集約的な職人さんの作業が大半でした。 現在では人件費の高騰から、人手をかけることはビジネスの弱点になりかねず、大半は機械化されております。 そう考えると、桁違いどころか、人手のかけ方はおそらく百倍あるいは千倍違うというのが本当でしょう。

また、アンティークスプーンには、現代の品と違ったよさのみならず、同じシリーズのスプーンであっても、手仕事ですから彫りの様子がそれぞれに違っており、個体差があってそこにもさらなる個性を感じさせます。 

今から百二十年近く前に作られたヴィクトリアン スターリングシルバー ティースプーンになります。 小花が二つ、その他にもハンドエングレービングは凝った技巧が華やかです。 柄先に絞りの入ったフォルムも珍しく、レアなヴィクトリアーナと思います。 ヴィクトリアン後期の1894年に作られており、その古さはやはりアンティークとして魅力になりましょう。 

写真三番目に見える裏面のホールマークは順に「William Hutton & Sons Ltd」のメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1894年のデートレターとなります。
ヴィクトリアン フラワーエングレービング スターリングシルバー ティースプーン


No. 15631 リボン飾り ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン スプーン SOLD
長さ 14.0cm、最大横幅 2.9cm、柄の最大幅 1.5cm、柄の最大厚み 3mm強、重さ 23g、1898年 ロンドン、八千円 SOLD
リボンが横に渡してあって、左右両端がクルッと巻いた、このパターン、どうもヴィクトリアン終わり頃からエドワーディアン頃のデザインに多いように思います。 当時のイギリスで流行っていたと云うことでしょう。 夏目漱石のロンドン留学の頃と重なっております。 漱石もロンドンで影響を受けて、『三四郎』に出てくるリボンの話に繋がっていったのではないかと考えております。
リボン飾り ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン スプーン


No. 15709 Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 12.5cm、重さ 14g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.6cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.15cm、1806年 ロンドン、Peter & William Bateman作、SOLD
このスターリングシルバー ティースプーンは今から二百年ちょっと前の1806年作で、英吉利物屋の扱い品の中にあってもかなり古い品になります。 二百年という圧倒的な古さは、やはりアンティークとして大きな魅力になりましょう。  

写真二番目のホールマークは順に メーカーズマーク、ジョージ三世の横顔でデューティーマーク、1806年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。
Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン


No. 15701 Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン SOLD
長さ 12.5cm、重さ 13g、ボール部分の長さ 4.1cm、最大幅 2.55cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.15cm、1807年 ロンドン、Peter & William Bateman作、SOLD

このスターリングシルバー ティースプーンは今から二百年ちょっと前の1807年作で、英吉利物屋の扱い品の中にあってもかなり古い品になります。 二百年という圧倒的な古さは、やはりアンティークとして大きな魅力になりましょう。 ただ、言うまでもないことかも知れませんが、Peter & William Batemanという銀工房の名前がより重要なポイントで、「PB WB」のメーカーズマークがはっきり判読できることもグッドです。 

写真二番目のホールマークは順に メーカーズマーク、ジョージ三世の横顔でデューティーマーク、1807年のデートレター、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。

品物名にあります「ジョージ三世」ですが、1760年から1820年までの英国王ジョージ三世時代は長かったので、アンティークにおいても、この時代の品には「ジョージ三世...」と接頭辞のように国王の名前を冠することが多いのです。 

数多いシルバーウェアの中でもベイトマン ファミリーの品は別格に扱われることが多いようです。 一つには二百年に近い年月を経ているということがあるでしょう。 しかしそれでも、なぜ?と思われる方も多いはずです。 手にとって直に見てみると、ボール部分が先細なタイプで品の良さを感じ、柄の曲線のなんとも言えない優雅さ、手仕事のみが生み出す温かさが多くの人を惹きつけてきた要因であることがわかります。 

そうは言っても、ベイトマン以外のオールドイングリッシュ パターンの品とここがどうしても違うとは私は思わないのですが。 結局のところベイトマンがアンティークシルバーにおいて別格なのは、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、コレクターの需要が強いからということになるのでは、と思います。

ベイトマン ファミリーの系譜については、 「19.ベイトマン ファミリーのメーカーズマーク」の解説記事もご参考ください。 また、オールド イングリッシュ パターンについては、「4.イングリッシュ スプーン パターン」を、そしてデューティーマークについては、「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」解説記事の後半もご覧ください。
Peter & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン


No. 15729 ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ハンドエングレービング SOLD
長さ 12.8cm、重さ 17g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.7cm、ボールの深さ 7mm、柄の最大幅 1.3cm、柄の最大厚み 2mm弱、1867年 ロンドン、Henry Holland作、SOLD
今から百四十年以上前のヴィクトリアン中期に作られたシルバー スプーンで、銀は厚めで持ちはかりがあり、しっかり出来たヴィクトリアーナです。 流麗なハンドエングレービングは、植物文様とウェーブパターンの融合デザインですが、ヴィクトリアン中期の質実剛健な雰囲気もよく出た彫刻で興味を惹かれます。 

また、写真のアンティークが作られたのは、日本史で言えば幕末、明治維新というエポックメイキングな年に当っており、その意味でも歴史を感じさせてくれるアンティークと思います。

1867年6月には坂本竜馬が「船中八策」を提示しております。 ところが11月にはその竜馬が暗殺されてしまいました。 12月には王政復古の大号令、そして翌年1月には鳥羽・伏見の戦いに続いていきます。 こうして振り返ってみると、写真の銀スプーンの凄い古さがお分かりいただけるでしょう。 
ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ハンドエングレービング


No. 15508 ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ハンドエングレービング SOLD
長さ 12.8cm、重さ 17g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.7cm、ボールの深さ 7mm、柄の最大幅 1.3cm、柄の最大厚み 2mm弱、1867年 ロンドン、Henry Holland作、SOLD
今から百四十年以上前のヴィクトリアン中期に作られたシルバー スプーンで、銀は厚めで持ちはかりがあり、しっかり出来たヴィクトリアーナです。 流麗なハンドエングレービングは、植物文様とウェーブパターンの融合デザインですが、ヴィクトリアン中期の質実剛健な雰囲気もよく出た彫刻で興味を惹かれます。 

また、写真のアンティークが作られたのは、日本史で言えば幕末、明治維新というエポックメイキングな年に当っており、その意味でも歴史を感じさせてくれるアンティークと思います。

ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ティースプーン with ハンドエングレービング


No. 14812 ヴィクトリアン スターリングシルバー ティースプーン SOLD
長さ 12.3cm、重さ 15g、ボール部分の長さ 4.2cm、最大横幅 2.55cm、ボールの深さ 0.7cm、柄の最大幅 1.4cm、1900年ロンドン、James Wakely & Frank Wheeler作、SOLD (11本あります-->10本あります-->8本あります-->7本あります-->6本あります-->5本あります-->4本あります-->SOLD ) 

写真のアンティーク ティースプーンをお求めいただいたお客様から、このティースプーンが到着してのご感想をいただきました。 私が書く説明以外に、実際にお求めいただいた方からのコメントも、ご検討いただいている皆様のお役に立とうかと思います。 ご感想をお寄せいただいたお客様方からご承諾がいただけましたので、コメントを掲載させていただきます、ご参考ください。

『実物は画像で拝見するのと比べ物にならない綺麗さですね! エングレイビングの細かさに感動し、暫くうっとりと眺めておりました。 本当に芸術作品で、ネックレスとして首から提げられないかと、一寸本気で考えてしまいました。(笑) キラキラと涼やかな感じでとっても素敵です。』 埼玉県 K.E.様より

『英吉利物屋さま

こんにちは。 スプーン、到着致しました。 ありがとうございます。 普通に郵便物としての受け取りでした。

本当にすばらしいスプーンですね。 何とも言えない細工の美さ、しばらくうっとりと眺めて過ごしました。 使うのがもったいないぐらいですが、今日早速食事の後のティータイムに主人と楽しみたいと思います。

これからもすばらしいアンティークシルバーの世界を、淡路島より拝見させて下さいませ。 今日は本当に感動の日でした。 心より御礼申し上げます。』 兵庫県 K.K.様より

私は島巡りや岬や灯台巡りに魅力を感じますもので、英吉利物屋のアンティークを淡路島でもお使いいただけること嬉しく思っております。 あいにく淡路島には伺ったことがありませんが、礼文島、佐渡ヶ島、隠岐の島、伊豆七島、瀬戸内の島々、直島など旅しました。 以前に香港島に住んでおりました時には、家族四人で対岸まで手漕ぎボートで渡ったこともありました。 イギリスに住んでからも、界隈の島には関心があり、ワイト島、マーシー島、ホーリー島など巡っております。 干潮の時だけ道が出来て、満潮になると道が水没して渡れないマーシー島など興味深かったです。 英吉利物屋のアンティークを淡路島でもお使いいただけると、ひそかな自慢になります、ありがとうございました。
ヴィクトリアン スターリングシルバー ティースプーン


No. 15043 ヴィクトリアン スターリングシルバー エッグスプーン with 翼を広げた鷲 クレスト(紋章) SOLD
長さ 11.8cm、重さ 18g、ボール部分長さ 3.6cm、最大横幅 2.6cm、ボールの深さ 7mm、1881年 ロンドン、George W Adams(=Chawner & Co)作、SOLD
ヴィクトリアン スターリングシルバー エッグスプーン with 翼を広げた鷲 クレスト(紋章)

イギリス アンティーク 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ セール コーナーへ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ