いぎりすもんや は英国発信のアンティーク情報サイトです。
  良い品をイギリスから直接、お求め易い価格でお届けします。

英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ

アンティーク ティースプーン 六本セット

アンティーク シルバー ティースプーンの手持ち品はhttp://www.igirisumonya.com/teaspoon15.htmへ移しました。



No. 15191 アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン with ピアストワーク
長さ 9.5cm、重さ 8g、ボール部分の最大幅 2.0cm、透かし柄の最大幅 1.3cm、柄の最大厚み 2mm弱、1943年 バーミンガム、一本 五千円 (6本あります。)

6本をまとめてお求めいただける場合には、写真五番目にあります木製のケースに入れてお送りします。

今から70年近く前に作られたスターリングシルバーのティースプーンです。 ピストワークに特徴があり、直線的な幾何学デザインは、アール・デコの系譜上にある品と言ってよいでしょう。 ボール裏面にはメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1943年のデートレターが刻印されています。

透かしが繊細で美しく、小振りで可愛い銀スプーンと思いますが、柄元あたりで銀の厚みは2ミリほどあって、銀が厚めなことは好印象です。 小振りサイズの割には、しっかり出来ていることには、ちょっと意外な感じもして、しかし考えてみると、そういうところはいかにも英国風と思うのです。

この品が作られた1943年は第二次大戦の最中になります。 英国は戦勝国とはなったものの、大変な時期であったことは間違いありません。 ロンドンはドイツから弾道ミサイルの攻撃を受けたり、爆撃機による空襲も頻繁にありました。 私の住むところはロンドンの北の郊外で爆撃の目標にはならなかったようですが、近所のお年寄りの話では、ロンドンを空襲した帰りの爆撃機が、残った爆弾を抱えていると重いので、帰路の燃料節約の為に落とし捨てていくコースに当たっていて、怖かったとのこと。 

とは言うものの、戦争最中の1943年に、茶道具のような不要不急の品を作っていたとは、当時のイギリスは結構余裕もあったんだなあ、とも思いました。 ただ、余裕で茶道具を作っていたかどうかは別として、イギリス人にとって、お茶はとても大事であることの証左かも知れません。

お茶とイギリス人といえば、こんな経験も思い出されます。 ある朝、駅に向かって歩いていたら、駅から戻ってくる人がいて、「Security Alert で、今さっき駅は閉まってしまった。あなたも家に帰ってお茶にした方がいいだろうよ。」と言われたことがあります。 セキュリティ アラートと言うのは、警戒警報のようなもので、不審物など見つかると駅が一時的に閉鎖されることがあるのです。 当該駅は閉鎖されますが電車自体は走っているわけで、日本的な感覚ですと、次に近い駅までバスなりタクシーで行ってでも職場に向かいそうに思うのですが、そうではなくて、「お茶にしよう。」と言うのが、なんとも英国風で、軽いカルチャーショックを覚えた記憶があります。

写真の銀ティースプーンが作られた当時のイギリスについて、もう一つご紹介しておきましょう。 1946年4月に発表されたエセル・ローウェル氏の『現在の意味』という論文に、第二次大戦中のロンドンにおける空襲後の一婦人の話があります。

『爆撃の一夜が明けてから、一人の婦人が砲撃された我が家の戸口に幾度も行って、心配そうに往来をあちこち見ていた。 

一人の役人が彼女に近づいて、「何か用ならしてあげましょうか。」

彼女は答えた、「ええ、どこかその辺に牛乳屋さんはいませんでしたか。うちの人が朝のお茶が好きなものですから。」

過去は敵意あり、未来は頼みがたい、が、道づれとなるべき現在は彼女とともにそこにあった。 人生は不安定であった。 しかし、…… 彼女の夫は一杯の朝の茶をほしがった。』(引用終り)

「絶対的現在(=永遠の今)」にしっかり足をつけて立つという意味で、私はこのお話が好きです。 まずは、お茶を一杯、いかがでしょう。
アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン with ピアストワークアール・デコ スターリングシルバー ティースプーン with ピアストワークアール・デコ スターリングシルバー ティースプーン with ピアストワーク

No. 7196 スターリングシルバー ティースプーン 6本セット SOLD
長さ 9.6cm、重さ 8g、1956年 バーミンガム、オリジナルケース付き、SOLD
観音開きになるオリジナルケースがついています。



No. 5725 アール・デコ スターリングシルバー  ピアストワーク コーヒースプーン 六本セット ケース付 SOLD
長さ 9.5cm、重さ 6g、ボール部分の最大幅 2.0cm、柄の最大幅 8mm強、1937年 バーミンガム
今から七十年以上前に作られたスターリングシルバー  コーヒースプーンで、アール・デコの直線的なデザインを特徴とし、手間のかかった透かし細工がポイントになっています。 ピアストワークは内側のみならず、輪郭の外側にも糸鋸を引いたギザギザ跡が残っており、外回り部分も糸鋸で切り取った作りとなっているのは珍しく、時間のかかった手仕事であることが分かります。 元々はコーヒー用ですが、ティースプーンとされてもよいでしょう。
アール・デコ スターリングシルバー  ピアストワーク コーヒースプーン 六本セット ケース付


No. 5127 ピアストワーク スターリングシルバー ティースプーン with オリジナルケース SOLD
長さ 11.2cm、重さ 11g、透かし柄の最大幅 1.55cm、柄の最大厚み 2mm、1968年 ロンドン、オリジナルケース付き
5090 ティーストレーナーの透かしとよく似たタイプのハンドピアストワークで、英国シルバーウェアにおける定番デザインの一つと言ってよいでしょう。 柄元の最大厚みは2ミリほどあって、ティースプーンとしては厚めでしっかり出来ています。 裏面のホールマークは順に、メーカーズマーク、1968年のデートレター、ロンドン レオパードヘッド、そしてスターリングシルバーを示すライオンパサントになります。



No. 5331 アール・デコ スターリングシルバー ティースプーン 六本セット SOLD
長さ 11.5cm、重さ 12g、ボール部分の長さ 3.8cm、最大横幅 2.5cm、ボールの深さ 0.5cm、柄の最大幅 1.2cm、1943年 バーミンガム、オリジナルケース付
直線的な幾何学デザインのスターリングシルバー ティースプーンで、アール・デコの系譜上にある品と言ってよいでしょう。 あまり使われた様子がなく、コンディション良好なティースプーンセットです。



No. 5050 エドワード八世 スターリングシルバー アノインティング ティースプーン 箱入り 六本セット SOLD
長さ 9.8cm、重さ 9g、ボールの最大幅 2.1cm、ボールの深さ 4mm、1936年 ロンドン
このスプーンが作られたのは今から七十年前の1936年で、英国王エドワード八世の戴冠の年にあたります。 国王の即位式で使われるクラウンジュエリーの一つにアノインティング スプーンがあり、コロネーション(戴冠式)を記念して、それを模したティースプーンが作られました。 オリジナルのアノインティング スプーンは12世紀から伝えられてきた英王室の三種の神器のような品であって、戴冠式で新国王に聖油をつけるのに使われます。



No. 5036 スターリングシルバー ティースプーン 箱入り六本セット SOLD
ティースプーンの長さ 10.6cm、重さ 12g、ボール部分長さ 3.7cm、最大幅 2.25cm、ボールの深さ 5mm、柄の最大幅 1.0cm、1910年 シェフィールド、ケース付き
エドワーディアンの時代が終った年に作られたスターリングシルバー ティースプーンで、あと少しで百年が経とうというアンティークです。 小花のエングレービングは素晴らしい出来栄えで、よく見ていくと、小花の表情がそれぞれ微妙に違っているのは手仕事の味わいになり、このセットの大きな魅力になっています。 柄の最大厚みは2ミリほどあって、持ったところふっくら感があって、シルバーがしっかり使ってあるのも好印象です。



No. 5123 スターリングシルバー ティースプーン 六本組 6シティーセット with オリジナルケース SOLD
長さ 11.1cm、重さ 11g、1960年 ロンドン、バーミンガム、シェフィールド、チェスター、グラスゴー、エディンバラ、オリジナルケース付き
イギリスの6つのアセイオフィスでホールマークを受けたスプーンを1本づつ集めてセットにしてあり、英国のトラディショナル ホールマークの見本のようなティースプーンセットです。

オリジナルケースの内蓋にアセイマークが解説してあります。 ロンドンの「レオパードヘッド」からバーミンガムの「錨」、そして最後はエディンバラの「お城とアザミ」まで一望出来るのは楽しい試みと思います。 

スターリングシルバーを示すスタンダードマークは、歩きライオン姿の「ライオンパサント」が一般ですが、グラスゴーのライオンだけ立ち姿の「ライオンランパント」であるのは面白い特徴です。(右端のスプーン)

六本ティースプーンセットに英国の六つのアセイオフィスからホールマークを集める試みは、チェスター アセイオフィスが1962年に閉鎖されることになって、それ以降は出来なくなったこともあり、希少性のあるセットになっていると思います。

英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋 トップ(取り扱い一覧)へ 新着品物 一覧へ アンティーク情報記事 一覧へ 英吉利物屋ご紹介へ