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41. イギリスで引越しすると。


私たち家族はイギリスに住んで十五年になり、引越し経験は豊かな方なのですが、今回の引越しでは不都合がこれまでより多くて困りました。

イギリスというところがどういう風なのかよく分かる事例と思いますので、皆様にもご紹介させていただきましょう。

引越しに先立つ一ヶ月ほど前に車の調子が悪くなって、知り合いに紹介してもらったガレージに修理を頼みました。引越しまで十分な余裕があるし、なんの不安もなく修理に出したのですが、一週間経っても完了の知らせがありません。

ちょっと心配になって問い合わせたところ、「今やっているから、出来たら夕方までには届ける。」とのこと。ところがそれっきり何の知らせもありません。二日ほど待って、どうなったのか電話をすると、「今やっている、もうすぐ届ける。」とのこと。

引越し直前には、どうしても当日は車が必要だから早くしてと、悲鳴に近い感じで強く頼みました。ところが結局は間に合わずしまいでした。引越し屋さんの助けがあっても、人の移動には車が必要です、当日は娘の友人のお母さんが助けてくれて、何とか済みました。

ガレージとの遣り取りは十回以上に及び、そのたびに今にも届けるようなことを言っては、それっきりというなんとも我慢のならない状況に陥って分かったことは、この人はその場しのぎを連発して結果的にうそになっているにもかかわらず、悪いことをしている意識すらないらしいということでした。

イギリスには様々な人たちがいて、その多様性は日本で想像する以上であるようです。そういう多様な人たちの中でも、ひどい人に遭遇すると、思わぬ苦労をするという経験でした。

イギリスで引越しすると。(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)
Ivy Cottage遠景:ハーペンデンバリーという谷間にある離れの田舎家で、コテージまでは緩やかな下りになっていて、写真で見て左右に横切る小川を渡りきると、その向こう側はこんどは緩やかに上るフィールドです。


そして、次はブリティッシュ・テレコム(BT)との、これまた十回以上にわたる交渉です。引越しにあたってはBTと事前に取り決めが出来ていて、引越し当日には新しい家で電話が使えて、インターネット回線も当日から使えるように手配済みであると説明を受けていました。

ところが、当日の午後遅くなっても電話が使えません。おかしいと思ってカスタマー係に問い合わせると、「大丈夫、お宅の電話はつながっています。」とのこと。そう言われたって、受話器を取り上げても何の音もしないし、使えないのです。

「カスタマー係としては、手元の情報を調べてもつながっているとしか申し上げられません。あとは故障係と話してください。」

故障係と話すと、「お宅の電話が壊れている可能性があるので、隣の家から電話を借りてきてつないでみてください。」言われた通りに実験しても、やはり使えないので、また電話しました。

故障係の言うことには、「調べてみたら、BT引越し係が電話を使えるよう手配していなかったようです。今日はもう遅いから、明朝に引越し係に問い合わせてください。」

BTの中で三つの係をたらい回しにされて、第一日目には解決せずに時間切れとなりました。

翌朝、引越し係に電話すると、「いやいや大丈夫、お宅の電話はつながっています。」と振り出しに戻ってきたので、さすがに切れそうになりました。無責任なたらい回し体制なので、これまでの遣り取りをいちいちこちらが説明しないとなりません。

すったもんだの交渉で、ようやくエンジニアが我が家にやってくることになりましたが、数日後だと言うので、そんなの困るとこれまた交渉。ようやく電話がつながりました。

そもそも何ゆえに同じBTの中なのに、人によって言うことが違うのか、電話回線が有るのか無いのか、プロフェッショナルが状況を把握するのにこれほど時間がかかるとは、不思議でなりません。

イギリスで引越しすると。(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)
ようやく来てくれたBTエンジニアのおじさん:コテージのすぐそばの電柱に登って電話回線を復旧させてくれました。 BTおじさんが救いの神様のように見えました。 右の方に見える緑のサインポストは、パブリック フットパスの案内表示です。


よかった、やれやれと、思ったのも束の間。次はインターネットがつながらないことが判明しました。

インターネットと電話は部署が違うので、インターネットのサポート係やカスタマー係や契約係と交渉しました。
これまた係によって説明が違うことには閉口しましたが、結局のところ、引き継がれたはずの契約は切れてしまっており、あらためて契約が必要なこと、その場合インターネット回線の開設には十日以上かかるとのこと。

BTのミスでこれほど迷惑を受けながら、急ぎで復旧させる救済措置がないことには我慢がならないところですが、受け入れました。

ガレージにしてもBTにしても、イギリスという国やそこで働く人たちの全般的な傾向をある程度まで反映しており、他のプロバイダーに乗り換えても、サービスレベルが格段によくなるようには、残念ながら期待も出来ないというのが理由です。どうも愚痴ばかりになってしまって、すみません。

引越しで離れの田舎家に移って、ここでしか得られない感興もありました。何事もポジティブ思考が大切なので、今回の経験を通じてイギリスの一面が見られたと思って、前向きにとらえたいです。

(以上)


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