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新着情報 その6


No. 17029 エルキントン フォージドスティール & シルバープレート ハンドル サービングナイフ磨き棒
長さ 33.7cm、重さ 198g、柄の最大幅 2.1cm、柄の最大厚み 1.15cm、エルキントン作、英国製 シェフィールド、一万二千円

17027 サービング フォーク17028 サービング ナイフ17029 磨き棒 写真四番目のように三点セットでお求めいただく場合は二万九千円となります。 

三本セットのどれもが、ナイフブレードや鑢など本体部分とハンドルがユニタイズド構造になっています。 つまりは、しっかり溶接されていて繋ぎ目がない、一体構造となっているもので、さすがはエルキントンというポイントになっています。 

写真の磨き棒は200グラムほどの持ちはかりがあって、33センチというと、時代劇の捕り物で使う十手のようなサイズです。 写真二番目で見えるように、ハンドルに近い鑢部分には素材を示す「FORGED STEEL」表示と、産地を示す「SHEFFIELD」 の表示、それから「MADE IN ENGLAND」表示があります。 ようはハンドル付の鉄の鑢(やすり)棒であって、大変に頑丈な作りの品です。

初めに見た時は、すぐにはピンと来なかったので、どのように使うものかと聞いてみました。

大きなサービングナイフと大きなサービングフォークと合わせて三点セットを構成しており、写真の品はサービングナイフの磨き棒というわけでした。 丸い円筒状の棒状部分は金属やすりとなっています。 この磨き棒とサービングナイフを両手で持って、ジャラーン、ジャラーンとすり合わせて、ナイフの刃先を磨く仕掛けです。

ローストビーフなどの大きな塊を切り分ける役割があって、豪快といえば豪快ですが、なんだか野蛮な感じもします。 

エルキントンについては、英国アンティーク情報欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」と「10. エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事もご参考ください。
エルキントン フォージドスティール & シルバープレート ハンドル サービングナイフ磨き棒


No. 17027 エルキントン ステンレス&シルバープレートハンドル サービング フォーク
長さ 28.3cm、重さ 120g、柄の最大幅 2.15cm、柄の最大厚み 1.2cm、エルキントン作、英国製 シェフィールド、一万五千円
シンプソンズ イン ザ ストランドに興味深い情報がありました。 シンプソンズといえば、ローストビーフで有名なロンドンでも指折りの老舗レストランですが、このタイプのフォークとナイフを使い方を教えるカービング講習会があるとのこと。 下にある写真をご覧いただくと、マスタークックの先生がナイフとフォークで切り分けている様子が分かります。
http://www.simpsonsinthestrand.co.uk/classes.php

詳しくはシンプソンズのサイトをご覧いただくとして、概要を申し上げると。 90分の講習会で切り分け技能を身につけると、シンプソンズ認定証がいただけます。 講習会の最後にはランチがあって、講習生は友人や家族を呼んで、習得したカービング技能をさっそくに披露することもお奨めだそうです。

私が特に興味を惹かれたのは、the forgotten art of carving とあったこと。 こんなでっかいナイフ&フォークでの切り分け術は、イギリスにあってさえ、今日ではなくなりつつある技能なのでしょうか。

他のところも見ていましたら、さすがは170年以上の歴史を誇るシンプソンズ。 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホや、チャールズ・ディケンズ、そしてシャーロック・ホームズといった有名人がお客さんとしてやってきたとのこと。 へーっと思って調べてみたら、『高名な依頼人』で、ワトソンが「その晩シンプソン料理店でホームズに会った。 表の窓ぎわの小さなテーブルに向かって、ストランドの通りを流れてゆく人の群れを見おろしながら、」とあって、なるほど確かにシャーロック・ホームズもシンプソンズを訪れているのでした。
http://www.simpsonsinthestrand.co.uk/index.php

折りたたみ式のバーは長さが5センチあります。 このバーは刀の鍔(つば)と同じ役割を果たすものです。

写真二番目をご覧いただくと、鍔(つば)が立っています。 折りたたみ式でパチンと閉まって、普段は写真一番目や三番目に見えるように収納されます。 

17027 サービング フォーク17028 サービング ナイフ17029 磨き棒 写真四番目のように三点セットでお求めいただく場合は二万九千円となります。 

三本セットのどれもが、ナイフブレードや鑢など本体部分とハンドルがユニタイズド構造になっています。 つまりは、しっかり溶接されていて繋ぎ目がない、一体構造となっているもので、さすがはエルキントンというポイントになっています。 

イギリス名物のローストビーフ、あるいはローストターキー、あるいはギャモンステーキなど切り分けてサーブするのに使います。 日曜日に家族でパブに出かけてランチをする時など、上記のメニューはサンデーランチの定番です。 ここでご紹介するサービングフォークとサービングナイフを使って、シェフが豪快に切り分けてくれるというのが、サンデーランチのお決まり風景となっています。

というわけで、とても英国風なサービングセットと云えましょう。 どうして鍔かと思われるでしょうが、ペアになっているサービングナイフがかなり大きなもので、刀のようでもあり、豪快な英国風はいいですが、うっかり滑らせると危ないこともあって、防護用の鍔付きとなっているものです。

写真一番目と三番目をご覧いただくと、バーの上に文字が刻まれているのが分かります。 「MADE IN ENGLAND」と「STAINLESS」とあります。

エルキントンのアンティークは、岩波文庫の『特命全権大使米欧回覧実記(二)』を手元において楽しまれることをお勧めしたいと思います。 ヴィクトリア時代のイギリスの様子がサムライ時代の日本人によって報告されたアンティークな読み物です。

ヴィクトリア時代のイギリスは資本主義の発展を背景に、新たな発見や発明が社会を引っ張っていった躍動的な時代でありました。 そうした中でこの品を作ったエルキントンは、当時の英国社会の雰囲気を体現するようなシルバースミスであったので、その歴史には大いに興味を惹かれるのです。 さらに明治時代の文明開化の頃の日本とも繋がりがあったことから親しみを感じます。

明治維新から数年後の1872年に、欧米の進んだ制度や技術について見聞を広げ、新政府の政策に活かすことを目的として、岩倉具視を代表とする使節団が欧米に派遣されました。 使節団は一年十ヶ月に及ぶ大旅行をして、米、英、仏、独等、当時の先進国を見て回り、イギリスには四ヶ月滞在しました。

イギリスでの見聞記録は岩波文庫の収録されており、『特命全権大使米欧回覧実記(二)』として今日でも、この130年前のアンティークな記録を読み返すことが出来ます。 380ページに及ぶ大著ですが、すべては当時の英国の制度や技術を日本人の手で分析し報告したものです。 使節団は、先進的な制度や技術を見学させてもらいながら、ロンドンからスコットランドまで見て回っています。 当時の日英の格差は圧倒的でしたから、見るもの聞くもの、驚きの連続だったはずです、冷静な分析ながらこの書物の随所にその様子が現われています。

エルキントン社は当時英国でも一流の会社に成長しており、エレクトロプレートの技術を独占する会社として、使節団の工場見学のスケジュールに加えられていました。
報告書はエレクトロプレート技術にページを割いて詳細な報告を行っていますが、今読んで興味深いのはその先のくだりです。

『エルキントン氏会社の金銀器製造場に至る……(エレクトロプレート技術に関する詳細な報告は中略)……また、この場に日本の銅器、象嵌細工、七宝塗り等をあまた蓄え、苦心して模造をなせり。銅細工の場に、日本の紫銅の火鉢に、紫式部石山日記の図を彫刻したるものあり、……(中略)……その模鋳せるあり、その顔貌は真物に異ならず。凡そ西洋にて模造をなすものは、その原品の名誉ある証なり。社中の人より、日本にて象嵌の細工は、いかなる秘術ありて之をなすや、この場にて種々に術をかえて、模造すれども似ずとて、しきりにその術を学ばんことを望めり。また七宝塗りを模造せる場において、贋造と真物とを並列して、覧定せんことを要求せしによって、之を見るに鳳凰桐葉の画なるを、只に一の花紋を模するかの如くに模描し、一目にて真仮は判然なりしかば、皆その似ざることを嘆息せり。また柿本人麻呂像を持ち出して、その人は何人にて、略伝如何を問いけるにより、千二百年前の高名な歌人であることを述べたれば、喜びて筆記し、之に付箋したり。』

英国の先進技術を見学に行った使節団が、逆に日本の工芸技術について、エルキントンのイギリス人技術者から質問攻めにあって、多いに面目をほどこした様子が見て取れます。 柿本人麻呂の挿話に至ってはそのほほえましい情景が眼に浮かび、当時の日本人でなくても鼻が高い思いです。

エルキントンについては、英国アンティーク情報欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」と「10. エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事もご参考ください。
エルキントン ステンレス&シルバープレートハンドル サービング フォーク


No.17026 ヴィクトリアン ピンチバック 両面式 ロケット ペンダントヘッド
縦の長さ(丸留め具含む) 4.0cm、外側六角形の一辺の長さ 1.5cm、ガラスの直径 2.0cm、最大厚み 3mm、ヴィクトリアン後期の英国製、一万八千円

上端の止め具をネジのように回して外すと、ピンチバックのフレームからガラスが外せます。 裏面も同様な外観で両面に写真が入る仕掛けです。 

デザインのよさに惹かれましたが、懐中時計の留め具のような上部の円環構造も、昔っぽさが際立って、このロケットの魅力になっています。 

周りに配された球形の粒々装飾はグラニュレーションと呼ばれ、ヴィクトリア期に好まれた装飾技法の一つです。 グラニュレーションは球をフレームに接合するものですから、外からの力にあまり強くないという弱点があるのですが、コイル状に波打った外周フレームがグラニュレーションをよく保護するように工夫されていて、なかなかのアイディアと感心します。

また、このコイル状外周フレームは、よく考えてみると、ウェーブパターンを意図したもので、デザイン性の高さ、実用面での強さ、そしてモチーフの意味合いの三点から、なかなか奥の深いアンティークであると思うのです。

ウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。 

ロケットの素材はピンチバックと呼ばれるアンティークな素材です。 この素材は銅と亜鉛の合金で、ゴールドの色あいをもたらすジュエリー素材として、ヴィクトリアンの英国で好まれてしばしば使われました。 元々は1720年ごろにロンドンの時計メーカーであったクリストファー ピンチバックという人が発明したことから、ピンチバックの名で呼ばれるようになったのでした。

ヴィクトリアン ピンチバック 両面式 ロケット ペンダントヘッド


No. 17025 草花文様 ウェーブパターン ヴィクトリアン 9カラット ローズゴールド フロント ペンダントヘッド
縦の長さ 3.8cm、横の長さ 0.9cm、重さ 5g、本体厚み 1mm強、ヴィクトリアン後期からエドワーディアン頃の英国製、一万五千円
この短冊形のペンダントヘッドはベースメタルの上に、9カラットのローズゴールドの薄板を被せた作りで、「9カラット ローズゴールド フロント」と呼ばれる素材で作られております。

デートレター等のホールマークが無いので年代特定が難しいのですが、9カラット ローズゴールド フロントという素材と共に、手彫りのエングレービングの見事さ、草花文様のウェーブパターン デザインからみて、ヴィクトリアン後期からエドワーディアンにかけての品でありましょう。

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む為に、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドとも呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドアクセサリーでもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあるしイギリスっぽいので、私は9カラットのローズゴールドが好きです。

彫刻デザインの波模様はオーソドックスなヴィクトリアンおよびエドワーディアン アンティークの特徴です。 波模様のウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれました。

波模様の背景で色合いが濃く見える部分は、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影を付けていった細工で、手仕事としては限界的な繊細さを持っていることがルーペで見ると分かります。 写真では十分にその繊細さがお伝え出来ませんが、アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、眺めているだけでも楽しめるアンティークに仕上がっています。
草花文様 ウェーブパターン ヴィクトリアン 9カラット ローズゴールド フロント ペンダントヘッド


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