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スターリングシルバー アクセサリー 5
No. 20236 ベル鳴らし人のギルド Good Luck シルバーベル&船舵 モチーフ 銀フォブ ペンダントヘッド with エナメルワーク
縦の長さ(留め具含む) 3.8cm、本体円周部の直径 2.5cm、厚み 1.5mm、重さ 6g、1930年 バーミンガム
グッドラック シルバーベル& 船舵 モチーフのスターリングシルバー フォブで、今から八十年以上前の1930年に作られた銀製品であることが、ブリティッシュ ホールマークを読み取ることで分かります。 当時のイギリス社会を映すアンティークであることに興味を惹かれます。
青色のエナメルワーク地に書かれている『Hereford
Diocesan Guild of Bell Ringers』を日本語にしてみれば、『ヘレフォード 教会管区 振鈴者 同業組合』となりましょう。 また、全体のフォルムが船舵となっているところも、この銀製アンティークのポイントです。
ギルドというのは同業組合のことで、そういえば、世界史の授業で習った記憶があります。 Bell
Ringers=ベル鳴らし人のギルドとは、なんとも悠長で、その言葉そのものから既にしてアンティークな雰囲気が漂ってまいります。
かつてのイギリスにはさまざまな同業組合があったわけですが、ベル鳴らし人=振鈴者 同業組合とは、忙しい二十一世紀の今日ではちょっと想像し難いもので、ゆったりしたそういう組合が、古きよき時代にはあったということに、なんだかほっとする、そんな銀製アンティークと感じます。
私の家の周りでは、日曜の午前と水曜の夕方には近くの教会から鐘の音が聞こえてきます。 あるいは結婚式がある時には、ずいぶん盛大に鐘の音が響き渡ります。 今ではボランティアの人たちが鐘を鳴らしたり、機械仕掛けの方が多いと聞きますが、その昔のイギリスではベルリンガー ギルド(ベル鳴らし人同業組合)の人たちが仕事にしていた時代もあったそうです。
ベルリンガー(振鈴者 orベル鳴らし人)とは、どんなものか、こんな映像を見つけましたのでご参考ください。
https://www.youtube.com/watch?v=WgPadl4qZ4w
https://www.youtube.com/watch?v=inI0KWRO2mw
ヒュー・グラント主演の映画 『フォー・ウェディング』(Four
Weddings and a Funeral)では教会の鐘が鳴り響く場面がたくさんあります。 結婚式の教会の鐘の音っていいもんだなと聞きましたが、裏方さんの様子を知ると、けっこうたくさんな人たちで、いい運動になりそうな様子。
裏面にはブリティッシュホールマークがしっかり刻印されているのも、この品のよい特徴です。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1930年のデートレターとなります。
ベルのモチーフは教会における結婚式の鐘(Marriage
Bells)を連想させます。 また、英語には「sound
as a bell (申し分ない状態で or きわめて健康で)」という言い回しがあり、ベルのよい意味合いが見て取れます。 さらには写真の品の場合は純銀製で、シルバーという素材は幸福に通じることからことから、銀のベルはグッドラック モチーフになりましょう。
もう一つ、船舵フォルムについてですが、モチーフとしてのホイールはTime(時の経過)、Fortune(運勢、幸運、財産)、Sun(太陽)等をシンボライズするデザインです。 また、クリスチャンモチーフとしての意味合いにおいては、セント・.キャサリンを表象するデザインとされます。 そうした中で特に中世の昔にあってはFortuneの意味合いが重視されていました。 パリのノートルダム寺院やアミアン大聖堂のゴシック建築に見られる中世の円形窓は、Wheel
of Fortuneを表現していると言われます。
時をくだって、船舵のデザインはマリンモチーフが流行った頃の影響が出ているとも考えられます。 エドワーディアンの頃にかけて、ブライトンなどの海浜リゾートが賑わって、ロープや船の舵、波、シーガル、ヨットといったマリンモチーフが人気となったのです。 そしてマリンモチーフの中でも船舵デザインは、未知の海原に途を切り拓いていくポジティブイメージを示すデザインとして好まれたものです。
ラッキーモチーフとしてのベルに加えて、航路を切り拓いていく船舵のよい意味合いも重ね合わせて、縁起物アクセサリーとして使ってみたいと思い、私はデスクの前の見えるところに飾っています。
エナメルワークとは日本語で言うと「七宝焼き」のことで、金銀などの貴金属にガラス質の釉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後七宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア時代の英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治政府の岩倉使節団」後半に解説があります。
No.19018 3つのどんぐり&英国王ジョージ5世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド
直径 2.4cm、留め具を含む縦長 3.0cm、厚み 1mm強、重さ 4g、3ペンス銀貨は1931年鋳造、
葉っぱのついた枝先にエイコーン(どんぐり)3つが三角井形に組まれたデザインは、1931年の3ペンス銀貨です。 コインの裏面には英国王ジョージ5世の横顔があります。
ピアストワークのフレームにホールマークはありませんが、このフレーム素材も銀で間違いないでしょう。 銀のやわらかな輝きに惹かれる
『3つのどんぐり&英国王ジョージ5世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド
』と思います。
どんぐりのデザインが可愛らしい銀でありますが、このどんぐりには、歴史および文化的な背景からイギリスでは、なかなかに深遠な意味合いが含まれており、こうしたモチーフのよさがポイントになるペンダントヘッドと考えています。
どんぐり3つのスリーエイコーンは、繁栄を象徴するクリスチャンモチーフで、教会のステンドグラスなどでも、よく見かけます。
エイコーン(Acorn=どんぐり)は古代ローマまで遡れるモチーフの一つで、ケルティックやスカンジナビアン アートにおいても、Life(生命)、Fecundity(豊かさ、生産力)、Immortality(永久になくならないこと)を表象するモチーフとして好まれてきました。 そして繁栄をシンボライズするクリスチャンモチーフとして、今日にも引き継がれています。
英語には、『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』という諺があって、一粒の小さなどんぐりで、樫の大木をシンボライズしているケースもしばしば見受けます。
イギリスでは銀貨のペンダントヘッドを時に見かけます。 シリング銀貨と比べて、この銀貨は小振りなサイズになりますが、かえってこのくらいのサイズの方が使いやすいかも。 3ペンスは直径1.6センチと小さいですが、やはり銀貨であるところは嬉しいものです。
ジョージ五世は1910年から1936年までの英国王で、その王妃がドールハウスでも有名なQueen Maryです。 メアリー王妃はアンティークや刺繍が趣味の奥方でした。
ヴィクトリアンからエドワーディアン以降しばらくは、大はクラウン銀貨に始まって、いろいろな銀貨が使われましたが、3ペンス銀貨は銀貨としては最小額になります。 最少額とは言えども銀貨であるわけで、そのあたりに面白さを感じます。
「3」という数、日本でもそうだと思いますが、英語ではラッキーナンバーに通じるものがあって、縁起物ではよく出会う数嘯ナす。 ホースシューでご紹介したことがある「Three
Horseshoes」もそうですし、チェスター アセイオフィスの「Three
Wheat Sheaves(3つの麦束)」も同様でしょう。
キリストが生まれた時に訪ねてきたという「東方の3賢人」の例もあります。 マクベスの「Three
Witches」はどうでしょうか、これはなにかと「3」だと、おちつきがよいということかも知れません。 日本でも「3度目の正直」、「仏の顔も三度」、「二度あることは三度ある」など馴染み深いもので、「3」にこだわる意味合いには納得感がありそうに思うのです。
最後に、イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。 ポンド、シリング、ペンスと3つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。
サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数でもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。
十二進法を使っていた名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times
Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと気が済まないのでしょう。
このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソンの頃のイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい王様が「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。
No.18907 クィーン エリザベス二世 戴冠25・N(シルバージュビリー)記念 スターリングシルバー インゴット ペンダントヘッド
インゴットの縦 3.5cm、留め具を含む縦長 4.25cm、最大横幅 1.25cm、銀の厚み 2mm、1977年 ロンドン アセイオフィス、
表側のデザインはエリザベス二世の横顔と、『SILVER
JUBILEE』の刻印、そして前と後ろに分かれて『1977』の表ヲです。
裏面には大きめな四つのシルバーホールマークが刻印されており、それらは、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン アセイオフィスのレオパードヘッド、1977年のデートレター、そしてメーカーズマークになります。
No.19051 黄道十二宮 しし座 LEO スターリングシルバー ペンダントヘッド
with 「LONDON」
直径 3.15cm、留め具の銀円環を含む縦長 3.9cm、重さ 11g、厚み 1.5mm、
いい感じに時を経て今にいたっている銀塊という風情に惹かれました。 ハ真でも分かるように、細かいキズはあるのですが、それらが丸みを帯びたといいましょうか、長い年撃フうちにカドが取れて、おだやな雰囲気になってきております。 何十年という年撃経ないと、こういう感じは出てこないものです。
ハ真二番目をご覧いただくと、下の方に小さな刻印があります、「STERLING」とあって、これは素材がスターリングシルバーであることを示しています。
もう一つ、こんどは上の方に、文字列があって、ルーペで見てみたら、「LONDON」と読めました。 初めに見たときから、イギリス地場の銀だろうなと感じていたので、驚きはありませんでしたが、そうは言っても、「LONDON」とあれば、アンティークシルバーとして、この銀塊についての手掛かりが増えることから、グッドポイントと眺めております。
No. 19043 ヴィクトリアン ハーフクラウン銀貨 スターリングシルバー ベル ブローチ
縦の長さ 2.5cm、最大横長 2.8cm、厚み(留め具とピン含まず) 1mm強、ヴィクトリアン後期の英国製、
ヴィクトリア梠繧ノ使われたハーフクラウン銀貨から幸運のベルを切り出して作られた、スターリングシルバーのブローチになります。 ハーフクラウンと言えば、銀貨の中でもかなり大判になりますので、ハ真の銀ベルも素材に厚みがあって、好印象です。
表側は平らに削った上で磨いてあって、もともとの銀貨の面影を感じさせないまでに完成度が高められています。 ところが、裏面をご覧いただくと、立ち姿のライオンの紋章(ライオンランパント)や、スリーライオンなどが見えてきて、この品は元々が百年ほど前の銀貨であったと分かるのは、ちょっとしたサプライズで、興味深い英国アンティークシルバーと思います。
ベルのモチーフは教会における結婚式の鐘(Marriage
Bells)を連想させますし、英語には「sound
as a bell (きわめて健康で、申し分ない状態で)」という言い回しもあります。 さらには純銀素材であることから、シルバーベルのよい意味合いが好まれて、身に着けるアクセサリーとして使われたものと思います。
рフ家の周りでは、日曜の午前と水曜の夕方には近くの教会から鐘の音が聞こえてきます。 あるいは結婚式がある時には、ずいぶん盛大に鐘の音が響き渡ります。 今ではボランティアの人たちが鐘を鳴らしたり、機械d掛けの方が多いと聞きますが、その昔のイギリスではベルリンガー ギルド(ベル鳴らし人同業組合)の人たちが仕魔ノしていた時代もあったそうです。
ベルリンガー(振鈴者 orベル鳴らし人)とは、どんなものか、こんな映像を見つけましたのでご参考ください。
https://www.youtube.com/watch?v=WgPadl4qZ4w
https://www.youtube.com/watch?v=inI0KWRO2mw
ヒュー・グラント蜑奄フ映画 『フォー・ウェディング』(Four
Weddings and a Funeral)では教会の鐘が鳴り響く場面がたくさんあります。 結婚式の教会の鐘の音っていいもんだなと聞きましたが、裏方さんの様qを知ると、けっこうたくさんな人たちで、いい運動になりそうな様q。
裏面に見えているデザインについて、もう少し敷衍して申し上げますと、ヴィクトリア女王時代に好まれたシールドリバースのデザインになります。 描かれているのは、右上にライオンの立ち姿でライオンランパント、左下にはハープクラウンド、そして三頭のライオンは『ライオンハート(R心王)』の愛称で知られる12世紀の英国王リチャード一世時代からのエンブレムです。
余談ですが、リチャード一世は十年間の治世中に国内にいたのがたったの六ヶ撃ニいう王様で、海外での戦いに明け暮れた英国王でした。 戦いで名を馳せ、ライオンハートの称号を得て、その勇気と生きざまは騎mの模範とされています。 そして現代ではサッカーのイングランド代表が使うエンブレムが、まさにこのスリーライオンなのです。
デザインとモチーフの良さに加えて、シルバースミスのテクニックの高さに惹かれて気に入りました。 銀貨からベルを切り出す糸鋸を使った作業、表面の飾り文字とエングレービング、縁辺部のブライトカットなど仕上がりのよい作品と思います。
ハ真一番目に見える文字はEとRが重なったものです。 イニシャルERあるいはREの方にお薦めしたいと思います。
ハーフクラウン銀貨はヴィクトリア梠繧フ2.5シリング(=0.125ポンド)にあたります。 遠い昔の銀貨というのは、トレジャーハントに通じるロマンを感じますし、クラウンという響きも好きです。 ではいったい、ハーフクラウン銀貨はヴィクトリア梠繧ノどのくらいの価値を持っていたのでしょうか、それを知るためには、当桙ニ現代の賃金や物価水準も検討しないと答えが出てきません。
Roger Bootle≠フ「The Death of Inflation」という本によれば、ヴィクトリア梠繧ヘ長期にわたって物価が安定した時代だったようです。 例えば、ロンドンタクシーの前身である乗合馬ヤの初乗り運賃は1694年に1マイル当り1シリング(つまり現代の0.05ポンド)と設定され、この運賃がヴィクトリア梠繧通じて変わらなかったことが紹介されています。 今日、ロンドンタクシーで1マイル乗ると、渋滞がなければ3.5ポンドほどですが、タ際には5ポンドほどかかるのではないでしょうか。 この比較でみると、今日の物価はヴィクトリア梠繧ニ比べて70倍から100倍になっていると考えられます。
また、シャーロック・ホームズの話には、ヴィクトリア梠繧フ給料や家賃についての記述があるので検討してみると、ロンドン ロンバート街の株ョブローカーの週給が3ポンドとか、郊外のこぎれいな別荘の年間家賃が80ポンドなどとあり、この面から見てもやはり、ざっくり100倍とみてよさそうです。
そうしますと、ハーフクラウン銀貨とは当档鴻塔hンのサラリーマンが一日働いて、やっと四枚得られる金額であることが分かります。
昔の物価水準や個々の物の値段について分かってくると、アンティークや当桙フ時代状況により親しみが湧いてきます。 その上であらためてドイルやディケンズ、そしてブロンテの小説を読んでいけば、英国アンティークと、それを取り巻く時代背景について理解がいっそう深まることでしょう。
追記:ハーフクラウン銀貨はサラリーマンが一日働いて四枚得られる金額と書きましたが、これは都会のロンドンのことですし、当桙ニしては比較的高給かもしれません。 『特命全権大使 米欧回覧タ記(二)(英国編)』によれば、バーミンガムのペン製造工場について以下のような記述があります。 「ウェルス♂・ミのペン製造場に至る。...中略...職人に婦人多し、その給料は一日に平均2シリング半、」 こちらの事例で言えば、ハーフクラウン銀貨はちょうど一日分の給料に当たります。
ハ真のベルブローチ素材として使われたハーフクラウン銀貨は、タはけっこうな金額の素材であったことがお分かりいただけると思います。
『特命全権大使 米欧回覧タ記(二)(英国編)』については、英国アンティーク情報欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治新政府の岩倉g節団」の記膜續シの解説もご参考ください。
No. 18309 フランス製 シルバープレート メダル エンジェルと聖人
直径 2.5cm、最大厚み 2.5mm、重さ 7g、19世紀終り頃のフランス製、
顔立ちのよさに惹かれました。 縁辺部分にはユリの花や植物文様のレリーフが見えます。
エンジェルないしはキリストと思われる幼qの足もとには作者の署名があります。
モチーフや署名の様qからみて、19世紀終り頃のフランス製と思います。
No. 19009 ヴィクトリアン スターリングシルバー スカーフリング
楕円の長径 2.8cm、短径 2.1cm、ヴィクトリアン終り頃の英国製
ハ真二番目に見えるように、丸いポッチがうまく組み合ってしっかりとまる仕掛けです。 ホールマークはありませんが、闥、りのエングレービングが見事なこと、そして金属の風合いからみて、ヴィクトリアン後期のスターリングシルバー工芸品で間違いないでしょう。
No. 19008 五フラン銀貨 ペンダントヘッド
直径 3.7cm、長さ 4.45cm、厚み 2mm強、重さ 26g、銀貨の鋳造年は1823年、
銀貨そのものが大きいので、アクセサリーとしてはごっつい系になります。
No.18898 フラワー デザイン スターリングシルバー ペンダントヘッド
花の最大横幅 2.5cm、厚み 1.5mm、ペンダントヘッドの長さ(丸留め具含まず) 3.9cm、
フラワーモチーフのスターリングシルバー ペンダントヘッドです。 美しい銀細工でありますが、銀は厚めな構造で、見た感じよりしっかり出来ている印象です。
花びらは中央部分にもっとも厚みがあって、先端に向かって平らになっていきます。
pic 2 のように、裏面にはお花の両下端部分にスターリングシルバーを示す「925」の刻印があります。
No. 19326 ヴィクトリアン or エドワーディアン シルバープレート ヴェスタ SOLD
縦 4.5cm、横(留め具含まず) 4.6cm、最大厚み 0.9cm、重さ 27g、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製、SOLD
No.18457 スターリングシルバー ヴェスタ
縦 3.6cm、横(留め具含まず) 2.9cm、厚さ 9.5mm、重さ 17g、留め具の円環直径 7.5mm、
ハ真の品はヴェスタと言って、スターリングシルバーのマッチケースです、スワンマッチという特別なマッチを入れて使います。 スワンマッチはマッチ箱で擦るのではなく、映画などで見たことがあると思いますが、靴の裏などザラザラしたところに擦りつけて発火させるマッチで、日本ではロウマッチとも呼ばれます。 ヴェスタの底はギザギザになっているので、スワンマッチならこのギザギザ底での摩Cで火がつくのです。
рヘタバコは吸いませんが、アンティーク ランプやキャンドルの灯火を見ていると翌ソ着いた気分になれるので、これが日課のようになっていて、灯を入れるにはやはりヴェスタがよろしくて、そのため必品になっています。 また、ロウマッチをシュッと擦ると映画の主人公みたいな気分にもなれるので、何は無くとも火をつけてみたりもします(少し変ですが。)。
以前にヴェスタをお買い上げいただいたお客様からは、「アクセサリーとして使用しますが、スワンマッチを収納させておいてサプライズを楽しもうと考えています。」ということで、タバコ以外の使い途という点で私と同じだったのは嬉しく思いました。
蓋を開けると写真二番目で小さく見えているように、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示す「925」マーク、そしてメーカーズマークが刻印されています。 反対サイドにもスターリングシルバーを示す「925」と「STERLING」の刻印があります。
ヒンジ部分には棒状ばねの仕掛けがあって、蓋はパチンと気揩ソよく閉まります。 マッチを入れる時にはヴェスタの縦長に合わせて、納するスワンマッチをナイフで調整する必要があって、なんでそんな面倒なことを、と言われてしまいそうですが、р煌ワめて愛好家にとっては、これがノスタルジックなヴェスタ&アンティーク マッチの醍醐味なのです。
英国アンティーク情報欄にある「22. 明かり、ロンドンアンティーク柾>」の記魔烽イ参考まで。 рェ使っているオイルランプの写真もあります。
スワンマッチは英国では簡単に手に入ります。 ニュースエージェントやスーパーマーケットでも売っていることからして、愛好家が多いのだろうと思います。 スワンマッチの箱には「since
1883」とありますので、ヴィクトリアン以来の伝統というわけです。
日本でスワンマッチを入手する方法について、お客様から以下の情報をいただきましたので、ご参考ください。
『畑様
d魔ノおわれてメールチェックが遅れましてすいませんでした。スワンマッチですが、兼松日産農林というマッチ会社が日本に輸入しております。そこはマッチ愛好家のホームページを持っていて、マッチ謔闊オい店の案内や通信販売も行っています。アドレスはhttp://www.nostalgia.co.jpです。
東京都内に販売店があるので都内の方は直接買いに行くのもいいと思います。р烽「ってみましたが、いろんなマッチがあって楽しかったですよ。店の主人と話をしてみると意外とマッチ愛好家と言うのは多いようです。愛好家が増えれば入手しやすくなると思うので宣伝どうぞよろしくお願いします。(笑)
新潟は夏から冬へまっしぐらと言う感じで、日に日に寒くなっております。晩酌の酒が、焼酎の水割りからお湯割に変わるのももうすぐでしょう。それではまた』
No.19132 グッドラック Live in The Clover
Oつ葉のクローバー モチーフ 銀製 け皿
謔チ手から取っ手までの長さ 15.0cm、横幅 7.5cm、高さ 1.7cm、重さ 63g、中央の楕円銀板の長径 5.0cm、短径 2.6cm、
Live in The Clover Oつ葉のクローバー モチーフが素敵な銀製の受け皿です。 ハ真二番目に見えるように、裏面に取り付けられた四脚で立つ構造になっています。 ホールマークはありませんが、素材は純銀で間違いありません。 イギリスにおける三つ葉のクローバーは、グッドラック モチーフの一つになっており、そうした背景があって作られた品と考えられます。
見たところ、透かしが卓越したデザインでありますが、重さが63グラムといえば、2オンス相当の銀が使われているわけで、これはけっこうな銀の量と言ってよいでしょう。 閧ノしてみると、揩ソはかりが感じられますし、しっかり作られた銀製の受け皿という印象です。
小物を入れたり、チョコレートやお菓子を出すときに使ったり、玄関に置いて鍵置き場など、用途は様々にお使いいただけるかと思います。
Oつ葉のモチーフのよさに惹かれます。 英語には「live
in the clover (安楽に暮らす)」という言い回しがあり、こうした三つ葉
クローバーの良い意味合いが、この銀製アンティークには込められています。 クローバーと安楽の繋がりについて、牧草を刈り入れしていたファーマーの方から教えていただいたことがあるので、ご紹介しておきましょう。
牧草など植物の成長には土中の窒素分が必要ですが、クローバーは進化した植物で、大気中の窒素を直接に取り込んで養分に出来るのだそうです、そのため、クローバーのある畑は肥沃になります。 また家畜の飼料としてもクローバーの繊維質とプロテインが動物たちの成長に欠かせないのだそうです。 と言うわけで、クローバーに恵まれた農場は栄え、安楽に暮らしてゆけるということでした。
No. 19130 シルバーフレーム エリザベス二世 戴冠記念 5シリング エナメルワーク コイン ペンダントヘッド
直径 4.0cm、留め具を含む縦の長さ 5.2cm、最大厚み 4mm、全体の重さ 35g、5シリングコインは1953年鋳造、
エリザベス二世 戴冠記念 5シリングコインにエナメルワークを施したペンダントヘッドとなっています。 エナメルの反射光に奥行きが感じられて、装飾性が高いので、全体として美しいペンダントヘッドに仕上がっております。 カバーガラスに覆われているので、いつまでもエナメルの美しさを保てるのもよいでしょう。 エナメルコインを取り巻くフレームの下方には、フレーム素材が銀であることを示す「SILVER」の刻印があります。
ハ真一番目と二番目に見えるように、表サイドはエリザベス女王の乗馬pです。 裏面は写真O番目のようなデザインで、中央には王冠、l方向に楯状飾りがあって、スリーライオンの盾が二つ、ライオンランパントの盾が一つ、そしてハープの盾が一つあります。 さらに盾の間に見える四つの草花は、イングランドの国花であるバラ、スコットランドのアザミ、ウェールズのリーク、北アイルランドのシャムロックであり、lつ合わせてイギリス連合王国の統合を象徴しています。
シリングとは1971年に廃~されたイギリス旧通貨制度における貨幣単位で、今ではもう存在していません。
1971年までのイギリスでは、1ポンド=20シリング=240ペンスでありました。 こんな十進法でない通貨体系で千年ほどやってきたイギリスであったのです。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。
そんな背景があって、今ではもうないシリングという言葉の響きにノスタルジーを感じるイギリス人が多いようです。
エナメルワークとは日本語で言うと「オ宝焼き」のことで、金属にガラスソv縉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後、オ宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア梠繧フ英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治政府の岩倉g節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。
英吉利物屋ではヴィクトリアンの品を扱うことが多いので、五十年前というと新しい感じもするのですが、当桙振り返ってみると、やはりずいぶんと古い歴史の中の時代であることが分かります。
この品が作られた当桙フ英国相は、第二次大戦を勝ち抜いたあのチャーチル相です。 そしてこの頃にロンドンで起こったのが有名な「Great
Smog」でした。 1952年12・日、ロンドンでは折りからの寒さの中、風が止み濃い霧がたち込み始めました。 この霧はそれから3日間ロンドンを覆うことになります。 寒さで人々が石炭ストーブをどんどん焚くものですから、霧の原因となる微粒子核が撒き散らされて、霧がどんどん深くなっていったのです。 ものすごい霧で、2〜3メートル先はおろか、伸ばした自分の指先さえはっきり見えなかったと伝えられています。 映画館や劇場でもドアの隙間から霧が入り込んで、スクリーンや舞台が見えず、キャンセルが相氓ャました。 そして濃霧による交通事故や不清浄スモッグによる呼吸器障害のために、ロンドンで四千人もの死メが出る大惨魔ニなったのです。
昔からロンドンと言えば、霧の街として有名でしたが、「Great
Smog」は長いロンドンの歴史の中でも最悪の出来魔ニなりました。 そしてこれを契機に数年後の1956年には清浄空気法が定められることとなったのです。 石炭ストーブ梠繧フ「Great
Smog」のエピソードは今日では考えられない出来魔ナすが、この品が作られた時代に思いをいたす面白い手掛かりにはなるでしょう。
イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。
昔、サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年になってようやく旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。
この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times
Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。
このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。
No. 18912 マルティーズ クロス シルバー ブローチ
縦の長さ 4.3cm、最大厚み(留め具含まず) 4.5mm、重さ 5g、
フィリグリー(金や銀などの線条細工)が美しい、銀のマルティーズ クロス ブローチです。 繊細なつくりで、大きめサイズであることから、ゴージャスな印象のクロスと思います。 銀素材ですので色変わりがありますが、銀磨き液に少し浸けていただくと、元通りの銀の輝きを簡単に取り戻すことが出来ます。
このクロスをご覧いただくと、中央から四隅までが等距離で、中央から放射状のデザイン、そしてクロスl隅の先端部が「V」嚮`をしており、これはマルティーズ クロスの特徴を備えております。
マルティーズ クロスとは、十嚮R遠征時代に作られたマルタ騎m団の紋章です。
以前にマルタ騎m団の方と会ってお話を伺ったことがあります。 世界jの教科書に出てきた騎m団の人が現代にもいるなんて、初めはジョークかと思いましたが、そうではないことを知りました。
元々は12世紀頃に巡礼者保護の目的でエルサレムで活動をはじめた聖ヨハネ騎m団でしたが、16世紀には地中海のロードス島に領土を持ち、その後はマルタ島に移ったことから、マルタ騎m団と名前を変えて現在まで続いているのです。 18世紀にはナポレオンとの戦いに敗れて、領土を失っております。 面白いのは、その後も国際法上の主体として認知され、活動を続けていることです。 現在でも国際連合のオブザーバーであり、蛯ニして医療活動に従魔オているとのこと。
お会いしたのがベルギーはリールという街にある、昔の巡礼宿を改装したコンポステールというレストランでした。 マルタ騎m団の人が、21世紀の今でもいるんだ、お話を伺って、なんだか、遠い巡礼の昔、十嚮R梠繧ノタイムスリップしたような気分になりました。
ちなみに、中世ヨーロッパの三大騎m団とは、上記の聖ヨハネ騎m団の他に、テンプル騎m団とドイツ騎m団を含めた三つを言います。
ついでに、『十嚮R騎m団 (講談ミ学術文庫)橋口
倫介著』は、中世の騎mの暮らしぶりなど分かって興味深い本です。
No.18081 銀の花 ピアストワーク シルバー ペンダントヘッド
楕円の長径 2.15cm、短径 1.65cm、最大厚み 2mm縺Aスターリングシルバー チェーン一周の長さ 47cm、
大きな銀の花一輪、小花の可愛らしさに惹かれました。 凝ったつくりでメインの大きな花は、花びらが二重の細工になっています。
側面から見ると、銀フレームは2ミリの厚みがあって、しっかりした作りと思います。
裏面のフレーム上部には、素材がシルバーであることを示す「SIL」刻印があります。 刻印面が狭いので文字の上部が切れていますが、これは「SIL」刻印で間違いないでしょう。
No. 18109 スターリングシルバー&マルカジット 飾り留め
長さ 3.7cm、重さ 7g、飾り部分の銀の最大厚み 3mm、最大厚み 6mm、大きいマルカジットの直径 2mm強、
透かしのスターリングシルバーにマルカジットがいっぱいです。 バネの効きがよくてパチンと気揩ソよく開閉して留まります。 ハ真二番目のように、透かし銀フレームの裏面には「STERLING
SILVER」の刻印があります。 ばね板はシルバー素材ではありませんが、この方が銀より硬い素材なので、バネがよく効き、かつ丈夫で安心でしょう。
マルカジットは丸い粒の表面が六角錐になった鉱物で、マーカサイトと発音されることもありますが、рフ周りのイギリス人は皆マルカジットと発音するので、それに従っています。 光沢のある六角錐状の表面が、光を様々な方向に反射して美しい為に、古くから装飾品に多く使われてきた素材です。
以前に英吉利物屋のお客様と以下のような遣り取りがあり、「マルカジット」というと、いつもそのことを思い出します。
お客様からのメール:
『もう15年ほど前になりますが、母から、イギリスの1950-60年頃のデットストックだというシルバーの指輪をもらったことがあり、その指輪に、「マルカジット」という石が使われていたのです。 日本語で聞くとなんだか可笑しな名前なので、母が聞き間違えたのではないかと思い、鉱石の本で調べたり知人に聞いたりしたのですが、はっきり分からず、アクセサリーを扱うお店などでも、同じ石が見つからず、いつしか諦めていました(当桙ヘ、まだインターネットなどありませんでしたし)。 そこで、そちらで扱われていらっしゃるアクセサリーに、はっきりと「マルカジット」と書いてあり、久しぶりに、母がくれた指輪のこと、そして可笑しな名前の石のことを思いだしたのです。』
рゥらの返信:
『「マルカジット」のお話、興味深く拝読させていただきました。 Marcasiteは「白鉄鉱」ですが、日本で発音するときは「マーカサイト」と言われる場合が多いようです。英語辞書で発音記号を見ても「マーカサイト」に近いのですが、イギリス人の発音は「マルカジット」に聞こえます。 アメリカ英語とイギリス英語で発音が違うのだと思います。р烽アちらでは皆「マルカジット」と言うので、それに倣っています。お母様が聞かれた発音も「マルカジット」だったのでしょう。』
No. 18853 スターリングシルバー フレーム入り ジョージ六世 ラッキーシリング エナメルワーク ペンダントヘッド
縦の長さ(留め具含む) 3.4cm、直径 2.45cm、厚み3mm、重さ 7g、シリングは1951年鋳造、
「シリング(Shilling)」という、今では廃~されてしまってもうない貨幣単位のノスタルジックな響きと、エナメルワークの美しさに惹かれました。 シリングを囲んでいるフレームはスターリングシルバーで、「SILVER」の刻印があります。
大きな王冠の上に両手に剣を持ったライオンが座っています。 ライオンの頭上にもクロスの付いた王冠があり、赤いエナメルで装飾されています。 下部の大きな王冠はゴールド、赤、青、黄色、茶色のエナメル装飾です。 両サイドのシールドは黄色と黄緑のエナメルです。 背景部分は黒エナメル、そしてライオンと「ONE
SHILLING」や「1951」の文字や数嘯ヘゴールド エナメルになっています。
ハ真二番目で裏面に見えるジョージ六世の横顔はゴールド エナメルで、背景部分は表と同様な黒エナメルとなっています。
肖像は現女王エリザベス二世の父君にあたる英国王ジョージ六世です。 「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が劇的な退位を遂げた後に、急膀、英国王になったのがジョージ六世でした。 ご本人も自分が国王向きなパーソナリティーであるとは思っていなかったようで、それまでに国王になる準備がまったく出来ていなかったこともあって、初めのうちは周囲からも大丈夫だろうかと心配されました。
ところがその後の対ドイツ戦争中に、側近たちがバッキンガム宮殿からの疎開を進言したのに、それを拒んで、爆撃を受けるロンドンから執務を続けたことで、国民の人気が上がりました。 戦争中のロンドンはしばしばドイツの爆撃機が来たり、さらにはV1やV2と呼ばれるミサイルまでもが飛んでくる危険な状況でありました。 そんな中でロンドンにあって英国民を鼓舞し続けたジョージ六世の評価が上がったのは当然と言えば当然でしたが、さらには王妃や子供たちを大切にする理想的な家庭の夫であったことも、「良き王」として英国民の尊敬を集める理由となったのでした。
イギリスにおけるシリングは1920年にスターリング純度925から純度500に変更となって、それが第二次大戦後の1946年まで続いております。 ハ真の品は1951年鋳造なので、銀貨ではありませんが、ラッキーシリングというモチーフのよさと、エナメルワークの組み合わせはポイントになりましょう。
『裸の王様』、『みにくいアヒルの子』、『人魚姫』などで有名なアンデルセンの作品の中に、19世紀半ばに書かれた『シリング銀貨』というおとぎ話があります。 外国旅行に出かけた英国紳mの財布にあった一枚のシリング銀貨が、異国の地で財布からこぼれてしまい、いろいろな人たちを巡りめぐって、最後には元々の持ち主であった英国紳mのもとに戻ってくるというストーリーです。
物語の中で、シリングに穴をあけて糸を通し「Lucky
Shilling」として身に着けるという話が出てきます。 シリングは大き過ぎず、小さ過ぎず、ペンダントヘッドにちょうど良いサイズであることとも遠いヴィクトリアンの時代よりラッキーシリングとして好まれてきた背景であるようです。
いつもヴィクトリアンやエドワーディアンの品をご紹介することが多いので、六十年ほど前の品というと、新しいようにも感じるのですが、この品が作られた時代を振り返ってみると、やっぱりずいぶん昔だと思えてきます。 ハ真の品が作られた頃に起こったのが、有名なロンドンの「Great
Smog」であります。
1952年12・日、ロンドンでは折りからの寒さの中、風が止み濃い霧がたち込み始めました。 この霧はそれから3日間ロンドンを覆うことになります。 寒さで人々が石炭ストーブをどんどん焚くものですから、霧の原因となる微粒子核が撒き散らされて、霧がどんどん深くなっていったのです。 ものすごい霧で、2〜3メートル先はおろか、伸ばした自分の指先さえはっきり見えなかったと伝えられています。 映画館や劇場でもドアの隙間から霧が入り込んで、スクリーンや舞台が見えず、キャンセルが相氓ャました。 そして濃霧による交通事故や不清浄スモッグによる呼吸器障害のために、ロンドンで四千人もの死メが出る大惨魔ニなったのです。
昔からロンドンと言えば、霧の街として有名でしたが、「Great
Smog」は長いロンドンの歴史の中でも最悪の出来魔ニなりました。 そしてこれを契機に数年後の1956年には清浄空気法が定められることとなったのです。
石炭ストーブ梠繧フ「Great Smog」のエピソードは今日では考えられない出来魔ナすが、この品が作られた六十年ほど前という時代に思いをいたす面白い手掛かりにはなるでしょう。
エナメルワークとは日本語で言うと「オ宝焼き」のことで、金属にガラスソv縉薬を焼き付ける装飾技法です。 元々は古代エジプトに起源を持ちますが、奈良時代には日本にも伝来しました。 その後、オ宝焼きは日本で技術的な発展を遂げ、ヴィクトリア梠繧フ英国では、逆に日本の技術が大いに研究もされました。 このあたりの経緯は、「英国アンティーク情報」欄の「10.エルキントンミのシルバープレート技術と明治政府の岩倉g節団」後半に解説がありますので、ご参考まで。
イギリスの昔のお金についてですが、1ポンド=20シリング=240ペンスなので、「1シリング」=「12ペンス」になります。 ポンド、シリング、ペンスと三つの単位を持っていた英国の旧通貨単位はなんだかとても複雑で、十二進法が混じっているので計Zするのも億劫です。
昔、サマセット・モームの「撃ニ六ペンス」の題名を初めて見た時に、なぜ六ペンスなのかと思ったものですが、十二進法の通貨単位では、ちょうどきりがよい数嘯ナもあるのです。
1971年には旧通貨制度が廃~され、1ポンド=100ペンスのすっきりした十進法の制度に代わって現代に至っています。
この十二進法梠繧フ名残が、今日の英国人の暮らしにまだ残っていることに、先日気が付きました。 娘が通ったイギリスの小学校では、掛け算の九九のことを「Times
Table」と呼んで、低学年の子供たちは日本と同じように暗唱するまで練習します。 ところが日本と違うのは「一の段」から始まる九九が「九の段」で終わらないのです。 イギリスの九九は12*12まで覚えます。 日本の九九は81通りですが、英国の九九は12*12=144通りです。 今日の十進法の暮らしなら「十一の段」や「十二の段」は不要なはずですが、ずいぶん昔の名残が未だに残っていて、先生たちも「十二の段」まで教えないと翌ソ着かないのでしょう。
このややこしい12進法の呪縛をイギリス人にかけたのは、一千年近く前にイングランドを征服してノルマン王朝を開いた、元々はフランス貴族のノルマンディー公ウィリアム(=ウィリアム一世)だったことが知られています。 彼がやってくる前のサクソン梠繧フイングランドでは、「1シリング」=「5ペンス」だったものを、この新しい征服メが「1シリング」=「12ペンス」にせよと定めたのでした。 そしてその後、お金の単位については1971年までウィリアム一世の定めが守られてきたわけで、そしてまた、今でも21世紀の子供たちが「十二の段の九九」を習っているわけなのです。
No. 18852 ウェーブパターン ハンドエングレービング スターリングシルバー クロス
縦の長さ(留め具銀円環含む) 3.7cm、クロス本体の縦長 3.2cm、横の長さ 2.05cm、銀の厚み 2mm、
No.19101 一粒銀 ふっくら ハート スターリングシルバー ペンダントヘッド
ハートの横幅 1.4cm、留め具を含む縦長 2.1cm、ハートの最大厚み 6.5mm、
フォロー(中空)構造をした一粒銀のペンダントヘッドです。
ハ真二番目にあるように、サイドから見ると、ハートのふっくら感はかなりのもので、愛らしい銀のハートです。
留め具の部分には素材のスターリングシルバーを示す「925」刻印があります。
No. 18864 ヴィクトリアン スターリングシルバー ブライトカット バックル
with ブリティッシュ ホールマーク
縦の長さ 2.2cm、横の長さ 2.8cm、厚さ 1mm、1900年 バーミンガム アセイオフィス、
今から百十年以上前に作られたヴィクトリアンのスターリングシルバー バックルです。 未使用品のようでコンディションが良好です。 縦横方向にタイプの違ったブライトカットが施され、光の反射e畉麗です。
こういう美しいアクセサリーをシルバー素材、かつハンドエングレービングで作っていたヴィクトリア梠繧ノは、感心せざるをえません。 タ用品でありますが、お手入れして銀の輝きを眺めているだけでも楽しい気分になれるヴィクトリアーナと思います。
ブライトカットは18世紀の終わり頃から、英国においてその最初の流行が始まりました。 ファセット(彫刻切面)に異なった角度をつけていくことによって、反射光が様々な方向に向かい、キラキラと光って見えることからブライトカットの呼び名があります。 この装飾的なブライトカット技術が初めて登場したのは1770年代でしたが、それは良質の鋼(はがね)が生産可能となってエングレービングツールの性能が向上したことによります。
ブリティッシュ ホールマークがどれもしっかり深く刻印されているのも、この品のよい特徴です。 ハ真O番目に見える裏面のホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、そして1900年のデートレターになります。
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