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スターリングシルバー アクセサリー 2へ

スターリングシルバー アクセサリー 1

No. 20050 エドワーディアン スターリングシルバー クロス Forget-me-not(忘れな草)モチーフ with ブリティッシュ ホールマーク
縦の長さ(本体部)3.3 cm、横の長さ2.1 cm、留め具の銀円環を含む縦長3.9 cm、1910年 バーミンガム アセイオフィス、16800円

今から百年以上前に作られたスターリングシルバーのクロスで、手彫りのエングレービングが繊細なエドワーディアン アンティークです。 彫刻は全般に細かくて、センターには勿忘草のワンポイントが効いています。

写真三番目に見えるように、四つのブリティッシュ ホールマークが完備しているのも、アンティーク シルバー クロスとして、なかなか得がたい特徴です。

ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガムアセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1910年のデートレターになります。 

わすれな草はヨーロッパを原産とする、薄青色の小花が可憐な一年草で、信義とか友愛のシンボルとされます。 花言葉は「Forget-me-not」そのもので、「忘れないで」です。

「Forget-me-not」はイギリスのフィールドでよく見られる花で、昔から咳止めなどの薬草としても使われてきましたので、人気があって役に立つ花です。イギリスの勿忘草は、細かく言うと四つほど種類があります。野原で一般的なのは「フィールド勿忘草」、森の中で見られる「ウッド勿忘草」はやや大型です。イエローからブルーに色が変わっていくのが「チェインジング勿忘草」で、ふさが特徴の「タフティド勿忘草」もあります。

日本語で「忘れな草」を「勿忘草」と書くと、漢文調な雰囲気で古っぽく見えて、万葉集や古今和歌集にも出てきそうな日本古来の野草のようにも感じます。実際には「Forget-me-not」が日本にやってきたのは、百年とちょっと前のことで、「勿忘草」or「わすれな草」と訳語の日本名が付けられたのは、日露戦争があった1905年のことでした。

それでは、イギリスではどうかと言うと、これまた日本と同じ事情で、実は「Forget-me-not」という名前は舶来品の訳語でありました。 「Forget-me-not」という花の名は、元々は中世ドイツの伝説が起源で、ドイツ語の「忘れないで!」というのが、根っこになって世界中に広がっていったのです。この伝説をもとにしたポエムをイギリス人のサミュエル・コルリッジが書いたのが1802年でありました。そしてこれが英語の中に「Forget-me-not」が受容されるきっかけになったのです。

ドイツ起源の「勿忘草」がデンマークやスウェーデンに伝わり、そしてフランスに伝わり、イギリスに入ってきたのが1802年、それから百年ほどして日本へ、言葉の伝播の歴史も興味深く思います。
アンティーク エドワーディアン スターリングシルバー クロス Forget-me-not(忘れな草)モチーフ with ブリティッシュ ホールマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20048 ヴィクトリアン クラウン銀貨 ペンダントヘッド with シルバーフレーム
直径 4.05cm、重さ 32g、留め具を含む縦長 5.0cm、銀のフレーム最大厚み 4mm、クラウン銀貨の鋳造年 1890年、15800円

ヴィクトリアンのクラウン銀貨がシルバーフレームに入ったペンダントヘッドです。大きくて、ずっしりしています。デザインはセント・ジョージがドラゴンを退治している様子で、反対サイドはヴィクトリア女王の横顔です。 

馬に乗ったセント・ジョージにドラゴンが踏みつけられているのは、ちょっとかわいそうですが、このドラゴンは王様の娘を生贄として食べようとした悪いドラゴンなので、仕方がありません。

セント・ジョージは古代ローマ時代の殉教者で、そのドラゴン退治伝説は元々グルジアに起源があり、キリスト教徒にとっては共通のバックグラウンドになります。歴史を紐解けば、遠く遡ること五世紀のフランク王国メロビング朝をはじめとして、いろいろな国々で守護聖人として大事にされてきました。


元祖セント・ジョージの国であるグルジア共和国に行ったことがあります。日本語ではグルジアと言いますが、英語では Georgia であって、この国名はSt. George(セント・ジョージ)そのもの。 歴史的にもセント・ジョージのドラゴン退治伝説は元々グルジア起源です。

グルジア国はトルコ共和国の東方、黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス山脈の山あいに位置しています。

首都トビリシ丘陵にある公園までケーブルカーで登って、途中にあったスターリンのお母さんのお墓だというのを見せてもらった記憶があります。当時は旧ソ連邦の民警の人が後をつけて見張っていました。

コインなのに、どこを見ても五千円とか一万円といった数字の記述がないのは不思議な気がしますが、クラウン銀貨はヴィクトリア時代の5シリング(=0.25ポンド)にあたります。 クラウン(王冠)銀貨という名前が示しているように、この銀貨はヴィクトリア時代の最高額銀貨でありました。サイズが大きく重たいので実用向きとは言えず、しまっておかれることも多かったようです。 

ヴィクトリア時代のイギリスはセント・ジョージを好んで、金貨や銀貨のデザインとして採用したり、白地に赤十字のセント・ジョージ・クロスをイングランドの国旗として採用したりしてきたので、今では他の国々より一歩抜きん出て、自由の女神がアメリカを象徴するかのように、セント・ジョージ=イングランドのような感じになって現代に至っています。

サッカーのワールドカップで、セント・ジョージ・クロス旗で応援されるイングランドチームを見せつけられると、本当はキリスト教世界の共通バックグランドであるセント・ジョージ ブランドを、やはり他の国は英国に譲らざるを得ない、そんな雰囲気でしょうか。

遠い昔の銀貨というのは、なんというか、トレジャーハントに通じるロマンを感じますし、クラウン(王冠)銀貨という名前も素敵ですし、大きくてシルバーの重みを感じさせてくれるヴィクトリアンのゴージャス感が好きです。

重くて豪華な印象からも想像はつきますが、クラウン銀貨は当時としても相当額であったようで、そのために使用頻度が低いままに保存されて今に至っている銀貨もあるようです。 ではいったい、クラウン銀貨はヴィクトリア時代にどのくらいの価値を持っていたのでしょうか、それを知るために当時と現在の物価について比較できる情報を集めてみましょう。

Roger Bootle氏の「The Death of Inflation」という本によれば、ヴィクトリア時代は長期にわたって物価が安定した時代だったようです。 例えば、ロンドンタクシーの前身である乗合馬車の初乗り運賃は1694年に1マイル当り1シリング(つまり現代の0.05ポンド)と設定され、この運賃がヴィクトリア時代を通じて変わらなかったことが紹介されています。 今日、ロンドンタクシーで1マイル乗ると、渋滞がなければ3.5ポンドほどですが、実際には5ポンドほどかかるのではないでしょうか。 この比較でみると、今日の物価はヴィクトリア時代と比べて70倍から100倍になっていると考えられます。 

また、シャーロック・ホームズの話には、ヴィクトリア時代の給料や家賃についての記述があるので検討してみると、ロンドン ロンバート街の株式ブローカーの週給が3ポンドとか、郊外のこぎれいな別荘の年間家賃が80ポンドなどとあり、この面から見てもやはり、ざっくり100倍とみてよさそうです。

それから、『特命全権大使 米欧回覧実記(二)(英国編)』によれば、バーミンガムのペン製造工場について以下のような記述があります。 「ウェルス氏会社のペン製造場に至る。...中略...職人に婦人多し、その給料は一日に平均2シリング半、」

そうしますと、クラウン銀貨とは比較的高給なロンドンのサラリーマンが一日働けば二枚得られる金額で、ペン工場の事例で言えば二日分の日給に当たる金額になります。

『特命全権大使 米欧回覧実記(二)(英国編)』については、英国アンティーク情報欄の「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の記事後半の解説もご参考ください。

百年以上昔の金銀複本位制とはどんなものか、もう少し考えてみましょう。

ヴィクトリア時代にはクラウン銀貨、ハーフクラウン銀貨、シリング銀貨などが流通していました。 ここで1クラウンは5シリング(=0.25ポンド)にあたります。 それぞれの重さはクラウン銀貨28.28グラム、半クラウン銀貨14.14グラム、シリング銀貨5.66グラムです。 すなわちクラウン:半クラウン:シリング=5:2.5:1の関係がありました。 つまりは、ヴィクトリア時代のマネーは銀の重さによって、その価値が直接保証されていたのです。

さらに、高額貨幣であった金貨を通じて外国との関係を見てみましょう。 ヴィクトリア時代のイギリスでは、1ポンドの英国金貨は7.32グラムのゴールドとして定義されました。 そして米国の1ドルは1.50グラムのゴールドと1837年に決められました。 そうすると、金本位制を採用する英米二国間においては、1ポンドが4.88ドルとなって為替レートは固定されます。

この金本位制の仲間に、マルクやフランや円も加わることによって、国際金本位通貨体制が出来ていました。 ノーベル経済学賞のマンデル教授は、その本質を分かりやすく表現しています。 「国際的な金本位制のもとでは、ポンド、フラン、マルク、円、ドル等々は、特定の重さのゴールドの名前にすぎない。」

現代では主要な通貨間では変動為替相場が一般ですが、ヴィクトリア時代の国際社会においては、ゴールドをアンカーにした固定為替相場がスタンダードであったのです。 
ヴィクトリアン クラウン銀貨 ペンダントヘッド with シルバーフレーム


No. 20043 スターリングシルバー &マザー オブ パール クロス ペンダントヘッド
上部の留め具を含む縦の長さ 5.3cm、クロス本体の縦 4.6cm、横 3.6cm、厚み 2mm、重さ 14g、14800円

スターリングシルバーのフレームに、マザー オブ パールがはめ込まれた細工です。 写真二番目に見えるように、裏面には素材がスターリングシルバーであることを示す「925」刻印があります。

手にした感じは、かなりしっかりした銀塊という風情です。 写真三番目のように、サイドから見ても、かなりの厚みが感じられるのがお分かりいただけるでしょう。 また眺める角度の違いによって、マザー オブ パールから温かみのある輝きがこぼれるように見えてくるのが特徴的です。

マザー オブ パールという素材はミルクホワイトの輝きが内側からこぼれてくる感じで、光に当たると見えてくるうっすらとした虹色の輝きが綺麗です。 

マザー オブ パールの品をお買い上げいただいたお客様から、次のようなお便りをいただきましたので、ご紹介させていただきましょう。
『取手の白蝶貝のうっすらとした輝きがとても綺麗です。 まるで、嵐が来る前の空のようだと思いました。 上空を凄い速さで白い雲が流れていく中、時折、空全体がぱあっと明るくなる様子を髣髴とさせます。』

イギリスは一日の中でもお天気の移り変わりが激しくて、さっきまで晴れていたかと思うと、一転してにわかに雲が天を覆うことも多く、お客様からの文章にあったような光景をしばしば目にいたします。 なるほどと、マザーオブパールをとてもよく形容しているように思いました。

『私はキリスト教の信仰者ではありませんが、何故かクロスにとても惹かれます。』というお便りをいただきました。 

英吉利物屋ではアンティークのクロスを扱っておりますので、関心のある方から、そういうお話があるのは珍しいことではないかも知れません。 けれども、クロスに惹かれるという話はこれが初めてというわけでなく、多くの方からお聞きしてきましたし、私もそう感じることがあるので、なぜだろうかと考えたくなるのです。

英国アンティーク情報欄にあります「40. 何故かクロスにとても惹かれます。 その理由を英吉利物屋風に考えてみました。」もご覧いただければ幸いです。

スターリングシルバー &マザー オブ パール クロス ペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)スターリングシルバー &マザー オブ パール クロス ペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20041 透かしハート シルバーフレーム ジョージ五世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド
ハート横幅 2.5cm、ペンダントヘッド最大厚み 3.5mm、重さ 5g、銀貨は1922年鋳造、チェーンは付属しません、8800円

ウェーブパターンの透かしハートが美しく、銀のやわらかな輝きに惹かれる 『数字の3に王冠 &英国王ジョージ5世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド 』と思います。 付属のチェーンも純銀で、留め具部分には素材がスターリングシルバーであることを示す「STERLING」刻印があります。 透かしフレームにホールマークはありませんが、フレーム素材も銀で間違いないでしょう。

中央に見えるのは1922年の3ペンス銀貨です。 コインの表には英国王ジョージ5世の横顔、裏面は数字の3に王冠デザインです。 

波模様のウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフで、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代に好まれ、現在に至っています。

また、ハートは現代でも馴染み深いデザインですが、その歴史をたどりますと、英国におけるハートのモチーフはジョージアンの頃登場し、ヴィクトリア期に大流行した経緯があります。

イギリスでは銀貨のペンダントヘッドを時に見かけます。 3ペンスは直径1.6センチと小さいですが、やはり銀貨であるところは嬉しいものです。 

ジョージ五世は1910年から1936年までの英国王で、その王妃がドールハウスでも有名なQueen Maryです。 メアリー王妃はアンティークや刺繍が趣味の奥方でした。 

ヴィクトリアンからエドワーディアン以降しばらくは、大はクラウン銀貨に始まって、いろいろな銀貨が使われましたが、3ペンス銀貨は銀貨としては最小額になります。 最少額とは言えども銀貨であるわけで、そのあたりに面白さを感じます。 

「3」という数、日本でもそうだと思いますが、英語ではラッキーナンバーに通じるものがあって、縁起物ではよく出会う数字です。 ホースシューでご紹介したことがある「Three Horseshoes」もそうですし、チェスター アセイオフィスの「Three Wheat Sheaves(3つの麦束)」も同様でしょう。 

キリストが生まれた時に訪ねてきたという「東方の3賢人」の例もあります。 マクベスの「Three Witches」はどうでしょうか、これはなにかと「3」だと、おちつきがよいということかも知れません。 日本でも「3度目の正直」、「仏の顔も三度」、「二度あることは三度ある」など馴染み深いもので、「3」にこだわる意味合いには納得感がありそうに思うのです。
透かしハート シルバーフレーム ジョージ五世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)透かしハート シルバーフレーム ジョージ五世 3ペンス銀貨 ペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20040 ケルティック モチーフ スターリングシルバー クロス with ブリティッシュ シルバー ホールマーク
クロスの縦(留め具含む) 2.9cm、横 2.3cm、重さ 6g、最大厚み 2.5mm、1976年 バーミンガム アセイオフィス、8800円

ソリッドなスターリングシルバーのクロスです。比較的近年の銀製品になりますが、それでも今から四十年以上前の1976年に作られていることが、ブリティッシュ シルバー ホールマークを読み取ることから分かります。 クロスの中央が一段高くなった構造で、この辺りが最大厚みの2.5ミリとなっています。 ソリッド(solid)とは、このクロスがホロー(中空)構造ではなくて、中まですべてが銀の稠密構造であることを言います。

クロスのセンターにある輪の部分がデフォルメされたデザインで、一般に、このタイプのクロスも広くケルティック クロスと呼ばれます。 

遠く歴史をたどりますと、このケルティック クロスのモニュメントは英国西部のコーンウォール地方からウェールズ、スコットランド西方諸島、そしてアイルランドに分布していて、千二百年以上前のケルト人によって建てられたものです。 

ケルティックとは「ケルト人の」という意味です。 英国史においてケルト系の人達とは、もともとのイギリス先住民で、民族大移動によって欧州大陸方面からノルマン系住民が流入して支配的な地位を占めるようになると、次第に辺境の地へ追いやられていった人たちです。 彼らが追われた辺境とは、スコットランド、ウェールズ、英国西部のコーンウォール、そしてアイルランド等でした。 とは言っても、支配と被支配という関係だけではなく、結局は婚姻などで入り混じって今日のイギリス人が出来あがっています。 ちなみにロンドンという地名やテムズ川の名前はケルトの名称だそうですし、今日の英国人は自分たちのことをブリトンと呼びますが、このブリトンとは元々ケルトの一部族の部族名でした。

イギリスにおけるケルト諸族の歴史については、英国アンティーク情報欄にあります「32. ウェルシュ ボーダーの Weobley村」の解説記事もご覧ください。

それからついでに、円卓の騎士アーサー王は、コーンウォールで生まれたとされる伝説的なケルトの王様です。
アーサー王伝説については、「28. Tintagel アーサー王伝説の村」の記事もご参考まで。

写真二番目で見えるように、裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順に「AH」のメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1976年のデートレターです。

メーカーズマークの「AH」が目立つので、イニシャルが「AH」の方に持っていただいたら、面白いだろうと思います。
ケルティック モチーフ スターリングシルバー クロス with ブリティッシュ シルバー ホールマーク


No.20039 ナショナル トラスト どんぐり 銀メダル ロイヤルミント製 オリジナルケース入り
直径 3.9cm、重さ 26g、厚み 2ミリ強、1976年 ロンドン アセイオフィス、15800円

ロイヤルミントとは、英国王室造幣局です。 側面部分にはブリティッシュ ホールマークが刻印されています。 また、Cicely Elizabeth Perringの刻印もあります。

どんぐりのデザインが可愛らしい銀でありますが、このどんぐりには、歴史および文化的な背景からイギリスでは、なかなかに深遠な意味合いが含まれており、こうしたモチーフのよさがポイントになる銀と考えています。

どんぐり3つのスリーエイコーンは、繁栄を象徴するクリスチャンモチーフで、教会のステンドグラスなどでも、よく見かけます。

エイコーン(Acorn=どんぐり)は古代ローマまで遡れるモチーフの一つで、ケルティックやスカンジナビアン アートにおいても、Life(生命)、Fecundity(豊かさ、生産力)、Immortality(永久になくならないこと)を表象するモチーフとして好まれてきました。 そして繁栄をシンボライズするクリスチャンモチーフとして、今日にも引き継がれています。

英語には、『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』という諺があって、一粒の小さなどんぐりで、樫の大木をシンボライズしているケースもしばしば見受けます。

「3」という数、日本でもそうだと思いますが、英語ではラッキーナンバーに通じるものがあって、縁起物ではよく出会う数字です。 ホースシューでご紹介したことがある「Three Horseshoes」もそうですし、チェスター アセイオフィスの「Three Wheat Sheaves(3つの麦束)」も同様でしょう。 

キリストが生まれた時に訪ねてきたという「東方の3賢人」の例もあります。 マクベスの「Three Witches」はどうでしょうか、これはなにかと「3」だと、おちつきがよいということかも知れません。 日本でも「3度目の正直」、「仏の顔も三度」、「二度あることは三度ある」など馴染み深いもので、「3」にこだわる意味合いには納得感がありそうに思うのです。
ナショナル トラスト どんぐり 銀メダル ロイヤルミント製 オリジナルケース入り


No. 20036 スターリングシルバー ペンダントヘッド with ブリティッシュ ホールマーク
インゴットの縦(留め具含まず) 3.6cm、横 1.6cm、厚さ 2mm弱、重さ 11g、1978年 バーミンガム、11800円

このペンダントヘッドは大きなブリティッシュ ホールマークが刻印されているわけではないので、インゴット型の本流と呼べるかどうか分かりませんが、本体部分の形状や作られた年代から考えると、インゴット型の派生系シルバー アクセサリーと言ってよいでしょう。

植物模様とウェーブパターンの融合デザインはオーソドックスな英国風と感じます。 手彫り彫刻の背景部分には微細な彫刻線も見られ、手間のかかった仕事になっております。 上部のクルッとした飾りや、留め具に施された三箇所の透かし細工も凝っていて、ハンドエングレービングと合わせて綺麗なペンダントヘッドと思います。

波模様のウェーブパターンは、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)を象徴するクリスチャンモチーフであって、ヴィクトリアンやエドワーディアンの時代から好まれて現在に至っております。 

裏面の下のほうにはメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1978年のデートレターが刻印されています。 ホールマークは通常版の小さなタイプで、ライオンパサントの横幅は2ミリほどになります。

ひとつ不思議に思うのは、このタイプのインゴット型ペンダントヘッドは、1970年代に作られたものがほとんど大半で、それ以前の1960年代では見かけませんし、それ以後の1980年代にも見かけないことです。 

そういえば、ブリティッシュ ホールマークの刻印された銀のアクセサリーには、ある特定年代にかたまって見られる傾向のある品が他にもあります。 例えばグッドラック ホースシューのペンダントヘッドを見かければ、それはまず1930年代から40年代の作で間違いなしですし、銀ボタンなどは1900年を中心とした前後10年にかたまっています。

ホールマークを判読することなしに、その品物のおおよその製作年代が即座に言い当てられるわけですから、おもしろいことだと思います。 英国で作られた銀製品の特徴として、頭の片隅に記憶を留めておかれてもよさそうです。
スターリングシルバー ペンダントヘッド with ブリティッシュ ホールマーク


No. 20029 フランス製 シルバー Hope, Charity & Faith 三種セット クリスチャン モチーフ ペンダントヘッド
長さ 2.7cm、留め具を含む縦長 3.0cm、最大横幅 1.65cm、最大厚み 6mm、19世紀終り頃のフランス製、12800円
ハート、アンカー、クロスの三種セットは、クリスチャンモチーフの組み合わせになり、ハートにはCharity(思いやり)、アンカーにはHope(希望)、そしてクロスにはFaith(誠実)の意味合いがあります。

ホロー(中空)構造をしていて、写真二番目に見えるように、かなり立体感があり、手にしてみると厚みを感じるHope, Charity & Faith三種セット クリスチャン モチーフ ペンダントヘッドに仕上がっています。 

写真三番目は裏面の様子になりますが、上部の円環部分には、フランス製シルバーのスタンダードマークである「いのししの頭」マークが刻印されています。

小さなホールマークを手掛かりにフランス製と分かることは、この銀アクセサリーの興味深いところと思います。 一般にフランス製シルバーにはデートレターの定めはありませんが、刻印や全体の作りや雰囲気からみて、この銀製品が作られたのは、19世紀の終り頃からイギリスで言えばエドワーディアンの頃だろうと思います。

フレンチシルバーのホールマークはその小ささが特徴で、ちょっと見ただけでは分かり難いのですが、アンティークハント用のルーペがあれば、とても小さな手掛かりを読み取ることで、フランス製であることが解読できます。 この機会にフランスのホールマークについて少し解説しておきましょう。

1838年に導入されたフランス製シルバーのスタンダードマークにはいくつかの種類があります。 大きめな銀には知恵と武勇の女神、ミネルバの横顔マークを、そして比較的小さな銀には「いのししの頭」あるいは「蟹」のマークが刻印されます。 

ただ、問題は「いのししの頭」と「蟹」のマークの大きさが、1.25mm*1.75mmと小さいので判読が難しいことです。 まず、マークサイズが小さいので見翌ニしがちになり、ホールマークからこの品はフレンチらしいと気付くのに時間がかかります。 そしてさらに、小さな刻印の中に描かれた図柄まで識別するには、刻印の表面をクリーニングする必要も出てきますし、やはりルーペの助けが必要にもなるのです。
フランス製 シルバー Hope, Charity & Faith O夋Nリスチャン モチーフ ペンダントヘッド

No. 20028 ミレニアム クロス シルバーホールマーク 刻印 スターリングシルバー リング もともと三つありましたが、今はあと一つあります。
リング内径1.7 cm、リング外径2.3 cm、銀の厚み2.5 mm~3 mm、リングの帯幅5 mm、重さ10 g、2000年 ロンドン アセイオフィス、12800円

リング内側のホールマークとは反対サイドに、製造番号が彫られています。 

製造番号「75」、「155」、「201」の三つの手持ちがあります。-->現在は「155」一つの手持ちがあります。

西暦2000年と関係ある方におすすめです。『2000の文字をあしらった十字架マーク』=ミレニアム デートレターと、伝統的なライオン刻印のコラボとなる純銀リングです。

ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)の導入は1544年。歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサントにも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって使い続けて今日に到っています。

ゴロンとした銀塊のような風情に惹かれました。リングであることはもちろんですが、このタイプの銀リングですと、イギリスではペンダントヘッドとして身に着けている方もいらっしゃいます。そういう使い方も素敵だなと思います。

見る方向によって、銀リングの表情が変わってきますので、いろいろな楽しみ方があるのはポイントです。写真二番目に見えるように、手前で捩じれて交錯しております。その反対サイドは写真三番目にあるように、エッジが尾根状に盛り上がった二つ山のフォルムです。一つ一つの山が千年のミレニアムを表しています。

そして、そのミレニアムどうしが交錯するのが、西暦2000年ちょうどであり、ミレニアム シルバー ホールマークで記念しているのだと聞きました。

銀リングのデザインに意味合いがあると知れば、また楽しみが増すように思います。

写真一番目に見えるように、リングの内側には六つのブリティッシュ シルバー ホールマークがしっかり深く刻印されているのも、この銀リングの優れた特徴になっています。六つのホールマークのうち、2000の文字をあしらった十字架形のマークは、通常年のデートレターと異なり変わった形をしていますが、これが特別なミレニアムのデートレターです。

ブレティッシュ ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、スターリングシルバーを示す「925」マーク、ロンドン アセイオフィスのレオパードヘッド マーク、2000年のデートレター、そしてさらに2000年のデートレターとなるミレニアムマークとなっています。

ブリティッシュ ホールマークは銀の純度を保証し、製作年等を記録するという実用目的で、中世の時代に始まった制度ですが、ライオンマークなどは装飾性が高いこともあって、いつの頃からか、ホールマークのデザインそのものを楽しむ趣向の銀製品も作られるようになりました。

横歩きライオンの刻印が英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークになりますが、このライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。

この歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から五百年ほど前の1544年のことになります。これは当時チューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけなのです。

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っています。


ところで、写真のような銀はいつどこで出来たのでしょうか。
石見銀山とか聞いたことあるし、地球の内部で出来たのだろうと思いがちですが、それは違います。 地球のようなヤワな環境では銀は生まれません。 太陽の中でさえ銀は生まれません。もっと大きい星が必要です。 遠い昔に宇宙で起こった超新星爆発の途方もないエネルギーの中で銀ができたのです。 

だから、写真の銀が出来たのは、地球が生まれるよりもずっと前のことです。 そして、運が良ければ、もうすぐ銀が生まれる大イベントが目撃できるかもしれないと言われています。 オリオン座の一等星ベテルギウスの大爆発がいつ起こってもおかしくない時期に差し掛かっているからです。 

ベテルギウスの寿命は一千万年、そしてそろそろ一千万年が過ぎようとしています。 ただし、誤差としてたったの0.1%爆発時期がずれたとしても、それは一万年、人間にとってはどうしょもないほど長い年月になっちゃいます。 だから運がよければ。。


地球が生まれた45億年前より、さらに昔に起こった超新星爆発で出来た銀です、悠久の時の流れに思いをいたすきっかけに如何でしょう。

ミレニアム ブリティッシュ シルバー ホールマーク刻印 スターリングシルバー リング 


No.20002 スターリングシルバー GOOD LUCK ホースシュー ペンダントヘッド SOLD
ホースシューの横の長さ 2.4cm、縦 2.3cm、最大厚み 3mm、1941年 バーミンガム、13800円 SOLD

この品はSOLDとなりましたが、同等品を入手すべく、心当たりをあたっております。 ご興味の方は先行してご予約を承りますので、ご連絡くださいませ。 店主

銀のホースシューにはいくつかタイプがありますが、こちらのホースシューは写真二番目に見えるように、『GOOD LUCK』のレリーフ文字付きという特徴があります。 

このスターリングシルバー ホースシュー(馬の蹄鉄)のペンダントヘッドが作られたのは今から八十年ほど前の1941年です。 銀地金の雰囲気がよく出たリアルな蹄鉄のデザインになっています。 ライオンパサントの横の長さは3ミリほどあって、大きめなホールマークが刻印されているのは、ホールマーク自体を見て楽しむという作り手の意図を反映しているのでしょう。

裏面には「GOOD LUCK」の文字をはじめとして、デザイン登録したレジスター番号と、「ENGLAND」の刻印が見えています。 裏面に見えるホールマークは順にHG&Sのメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1941年のデートレター「R」になります。 

ヴィクトリアンやエドワーディアンの作ではありませんが、それでも1941年作といえば、かなり古い品であることがお分かりいただけると思います。 

ホースシューはイギリスではグッドラックの意味があって人々に好まれます。 縁起のよさが好まれ、パブの看板に蹄鉄3つが描かれて、「Three Horseshoes」なんていう名前のパブもありますので、「ホースシュー=幸運」の連想はイギリス人の暮らしに深く根ざしていることが分かります。

ついでながら、シャーロック・ホームズの『白銀号事件』を読んでいましたら、ホームズの「I think that I shall put this horseshoe into my pocket for luck.(このホースシューは幸運があるように、私が貰っておきましょう。)」という台詞に出会いました。 この探偵小説は1892年12月に発表されていますので、少なくともヴィクトリアンの頃には、「ホースシュー=グッドラック(幸運)」の連想があったことが分かります。 シャーロック・ホームズ シリーズには、アンティークなヴィクトリアンの暮らし向きが読み取れる場面が豊富なので、注意して読むと面白いようです。

それから、蹄鉄の滑り止めはカルカン(Calkin)と呼ばれるのですが、ちょっと注意して見てみると、このホースシューのカルカンは上側に三つと下側に四つの合わせてラッキーセブンになっています。 ホースシューが本来持っている幸運の意味合いに、カルカンのラッキーセブンが掛け合わされて、ラッキーの二乗になっていることから、より効果のありそうなホースシューに作られているのです。 

それでは、なぜホースシューが好まれるようになったのか。 ヴィクトリア時代に書かれた『The Horse Shoe, The True Legend of St. Dunstan and The Devil』 という書物には、ホースシューにまつわる伝説が書かれています。 その概要をご紹介してみましょう。

後にカンタベリー大司教になったセント・ダンスタンは、ハープを弾くのが上手で鍛冶屋の仕事もこなす器用な人でした。 ダンスタンが夜にハープを奏でていると、デビルがやって来て邪魔をするようになりました。 デビルの悪戯に困ったダンスタンは一計を案じて、蹄鉄を取替えに来たデビルの蹄足にホースシューの留め釘を深く打ち込んだのでした。 

痛がるデビルにダンスタンはこう言います。 「これからは礼拝の邪魔をしないこと、音楽を奏でる邪魔をしないこと、そしてホースシューを掲げた家には寄り付かないこと。 これを守るなら直して進ぜよう。」 デビルはダンスタンと契約をかわし、以降はホースシューが魔除けの役割を果たすようになり、さらには Good Luck をもたらすお守りとされるようになったのでした。


写真二番目で見て、右から三つ目にあるライオンの刻印が、英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークになり、重要な刻印です。 このライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。 

横歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から500年ほど前の1544年のことになります。 これは当時のチューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。 歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。 日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。 

銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。 そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけです。 

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っております。

スターリングシルバー GOOD LUCK ホースシュー ペンダントヘッド スターリングシルバー GOOD LUCK ホースシュー ペンダントヘッド


No. 20013 ライオン ランパント (立ち姿ライオン) ピアストワーク スターリングシルバー フォブ ペンダントヘッド with ライオン パサント 銀円環
縦の長さ(留め具含む) 4.3cm、最大横幅 2.4cm、本体の厚み 1mm強、重さ 5g、1920年代の英国製、11800円

イギリス人のライオン好きが背景にあるという意味で、とても英国風なシルバーアクセサリーと思って見ております。 英国王室の紋章にライオン、イングランドのサッカーチームのエンブレムにもライオン、そしてアンティークなシリング銀貨にもライオン等々、イギリスとライオンは切っても切れない関係にあります。

透かしの銀フォブにライオン・ランパント(立ち姿のライオン)のデザインです。 写真で見て色合いが濃いめに見えるシェード部分は、とても繊細なエングレービングで、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影をつけていった仕事です。 ルーペで詳細に見ていかれると、ハンドエングレービングとしては限界的な職人技が施されているのが分かり、より楽しめるアンティークであることがお分かりいただけるでしょう。 

ライオンを取り巻く楕円状のフレーム部分には、「T.H.S. SPORTS 1929」と浅めな彫刻文字が見えます。 また、写真二番目に見えるように、裏面にはメーカーズマークと、スターリングシルバーを示す「STERLING」の刻印があります。 

英国シルバーにおいて 92.5%の銀純度を示すスターリングシルバー マークは、普通はライオンが歩いている刻印で「ライオン・パサント(Lion Passant)」と呼ばれます。 ロンドン、シェフィールド、バーミンガム等のシルバーウェアをお持ちの方なら、おなじみのマークと思います。 ところがスコットランドはグラスゴーとなりますと、ライオンは歩いた姿ではなくて、立っていて、これが「ライオン・ランパント(Lion Rampant)」と呼ばれるのです。 

上部の銀円環には「横歩きライオン」の刻印が、しっかり深く刻まれているのもグッドポイントです。

この銀円環に刻印されたライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)は、英国製スターリングシルバーの銀純度を保証するマークになり、重要な刻印です。 ライオンパサントの歴史について少し解説しておきましょう。 

横歩きライオンのマークが初めて導入されたのは今から460年ほど前の1544年のことになります。 これは当時チューダー朝のヘンリー八世が行った低品位銀貨の鋳造と関係があります。 歴史上どこの国でも財政が逼迫してくると、悪貨を鋳造することがひろく行われてきました。 日本の江戸時代にも同じようなことがあったと思います。 

銀貨と銀器がほぼ同等な価値を持っていた昔の時代にあっては、お上の定める低品位銀貨の価値でもって、高品位な銀器と交換されてしまっては、損してしまうことになります。 そこでその銀器が92.5%の銀純度であることを保証するマークとして、ライオンパサントが導入されたわけです。 

歴史や伝統に格別なこだわりを持つイギリス人は、ライオンパサント(=横歩きライオンの刻印)にも特別な愛着があって、五百年の長きにわたって、この刻印を使い続けて今日に到っております。

イギリスの数多いパブの中にあって、もっとも多い名前が「Red Lion」で、英国人のライオン好きを示しています。 この国には約六万軒パブがありますが、そのうちで一番多いパブの名前は「Red Lion」で、六百軒のレッドライオンがあると言われます。 英国中のパブのうちほぼ百軒に一軒はレッドライオンという計算です。 これまでにご紹介した中にも以下のレッドライオンがありました。

「26.クロベリー村」の Red Lion

「32. ウェルシュ ボーダーの Weobley村」のRed Lion Inn

「33. Avebury村」の Red Lion

ライオン ランパント (立ち姿ライオン) ピアストワーク スターリングシルバー フォブ ペンダントヘッド with ライオン パサント 銀円環


No.20005 ヴィクトリアンor エドワーディアン ウェーブパターン スターリングシルバー クロス
クロス本体の縦(丸い留め金含まず) 2.35cm、横 1.45cm、厚さ 1.5mm、Francis Barker & Son Ltd作、ヴィクトリアン終り頃の1894年からエドワーディアンの1908年までに作られた英国製、8800円

小振りな品ながら手彫りのエングレービングは素晴らしい出来栄えで、昔の時代ならではの丁寧な仕事がしてあるアンティーク クロスと思います。 写真では奥行きが分かりづらいですが、厚さが1.5ミリのホロー(中空)構造をした、純銀製クロスです。 

彫刻のモチーフはウェーブパターンです。 波模様モチーフには、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)という意味合いが象徴されており、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたクリスチャンモチーフのデザインです。

波模様の基本デザインは、深めなタッチで彫られています。 その背景に色合いが濃く見える部分も微細な彫刻で影を付けた細工です。

アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、このクロスに施された手仕事の素晴らしさも分かっていただけると思います。 ウェーブの基本デザインの背景に色合いが濃いめに見えるシェード部分は、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を走らせた、ハンド エングレービングとしては限界的な仕事になっています。 また、そうした背景部分の繊細さはもちろんですが、基本デザインの深めな彫りも丁寧な手仕事で、じっくり観察していくと、彫りの跡から彫刻刀を振るった向きまでもが窺い知れ、銀職人さんの息遣いが伝わってくるところにも惹かれる品と思います。

裏面には「F.B&S」のメーカーズマークと、スターリングシルバーを示す「STG」の刻印があります。 デートレターがないので製作年を一年刻みで特定することは難しいのですが、ウェーブパターンは百年ほど前の時代に流行ったデザインであることに加えて、ホロー(中空)構造であること、そして手彫りのエングレービングの見事さからみて、ヴィクトリアン終り頃からエドワーディアン頃の英国製で間違いないでしょう。

あらためてメーカーズマークから製作者の情報を調べなおしたところ、以下のことが分かりました。
メーカーの「Francis Barker & Son」はヴィクトリア初期の1848年に、Richard Groves と Francis Barkerという二人の共同パートナーがロンドンで始めた「Groves & Barker」という工房が前身です。二人のパートナーシップは1865年に解消されましたが、同年にフランシス バーカーは息子と共に「Francis Barker & Son」として工房を引き継ぎました。エドワーディアン後期の1908年にはリミテッドカンパニーに改組され、以後1960年まで「Francis Barker & Son Ltd」の社名でゴールド&シルバースミスとして仕事を続けています。

このクロスに刻印された「F.B&S.」のメーカーズマークは、1894年にアセイオフィスに登録され、工房が家族経営から会社組織に変わった1908年まで使われたマークですので、このクロスが作られた年代はデートレターがなくても、ヴィクトリアン末期の1894年からエドワーディアンの1908年にかけての十数年の間に作られた品だと分かるのです。
ヴィクトリアンor エドワーディアン ウェーブパターン スターリングシルバー クロス(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 20034 フランス製 シルバー 船舵 ペンダントヘッド SOLD
最大外直径 3.4cm、銀の最大厚み 3mm強、重さ 13g、19世紀終り頃のフランス製、SOLD

かなり持ちはかりがあって、しっかりした銀の質感が心地よいフランス製シルバー 船舵 ペンダントヘッドです。 ホイール最上部の銀円環につながる取り付け部にはフランス製のシルバーであることを示すホールマークが刻印されています。

フランス製シルバーホールマークや、モチーフ、そして細工の様子から見て、フランスやイギリスで海浜リゾートブームがあった19世紀終り頃に作られた銀と思います。 

モチーフとしての舵=ホイールはTime(時の経過)、Fortune(運勢、幸運、財産)、Sun(太陽)等をシンボライズするデザインです。 また、クリスチャンモチーフとしての意味合いにおいては、St.キャサリンを表象するデザインとされます。 そうした中で特に中世の昔にあってはFortuneの意味合いが重視されていました。 パリのノートルダム寺院やアミアン大聖堂のゴシック建築に見られる中世の円形窓は、Wheel of Fortuneを表現していると言われます。

時をくだって、船舵のデザインはマリンモチーフが流行った頃の影響が出ているとも考えられます。 19世紀終り頃から20世紀の初頭にかけて、イギリスやフランスの海浜リゾートが賑わって、ロープや船の舵、波、シーガル、ヨットといったマリンモチーフが人気となったのです。 そしてマリンモチーフの中でも船舵デザインは、未知の海原に途を切り拓いていくポジティブイメージを示すデザインとして好まれたものです。

さらに、シルバーという素材は幸福に通じることから、銀の船舵でダブルGood Luck となっています。

フランス製 シルバー 船舵 ペンダントヘッド


No. 19381 ハート飾り スターリングシルバー ブレスレット
楕円内周の長径 6.2cm、短径 5.2cm、重さ 21g、ハート横幅 2.2cm、ハート厚み 4mm、ブレスレット帯幅 5mm弱、11800円

ソリッドなスターリングシルバーで、ハート飾りは銀の厚みが4ミリと厚みがあって、しっかり感のある銀です。 ちなみにソリッド(solid)とは、このブレスレットがホロー(中空)構造ではなくて、中まですべてが銀の稠密構造であることを言います。

ハートの裏側と、ブレスレットの内側には、素材がスターリングシルバーであることを示す925刻印があります。 またメーカーズマークのTSも読み取れます。

現代でも馴染み深いハートのデザインですが、その歴史をたどりますと、英国におけるハートのモチーフはジョージアンの頃登場し、ヴィクトリア期に大流行した経緯があります。 

どちらかと言うとプレーンタイプの純銀ブレスレットとなりましょうが、ふっくら品のよいフォルムは感じがよくて美しく、磨きぬかれたソリッドシルバーの輝きを楽しむのも、またよいのではと思わせてくれる銀製品と思います。

お客様から、なるほどと思わせていただいたお話がありますので、ご紹介させていただきましょう。 
『先日北海道では珍しい大型台風が通過し、短時間ですが停電となってしまいました。夜、仕方がないので古い灯油ランプを持ち出し屋内の照明としたのですが、以前手配いただいたティースプーンをランプの光にかざしてみたところ、ほの暗い明るさの中、スプーンのボウル内や彫刻の輝きにしばし見とれました。銀のアンティークには点光源の古い照明が合うようです。また昔の貴族が銀器を重用したのもうなずける気がします。』

私はアンティーク ランプ ファンで、早速に試してみたのですが、シルバーにアンティークランプの灯がほんのりと映って揺れているのを見ていると、なんだか心が落ち着くものでした。

ハート飾り スターリングシルバー ブレスレット(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ハート飾り スターリングシルバー ブレスレット(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 19370 グッドラック 六ペンス銀貨&スモールキー ペンダントヘッド
六ペンス銀貨の直径 1.95cm、鍵の長さ 2.6cm、鍵ハンドル部分の最大幅 1.2cm、全体の重さ 6g、六ペンス銀貨の鋳造年 1935年、7800円

六ペンス銀貨とスモールキーのペンダントヘッドです。 鍵のサイズが小さく、可愛らしくて気に入りました。 小箱の鍵と考えられますが、鍵だけですと紛失しやすいのでキーホルダーとして使われたか、あるいはフォブのような役割の実用&装飾だったと思います。 銀貨とキーが触れ合ってコロコロと音がするのも楽しいものです。

これがサマセット・モーム『月と六ペンス』に言われる六ペンス銀貨なわけですが、六つのどんぐりモチーフも興味深いと思います。

エイコーン(Acorn=どんぐり)は古くはローマ時代にまで遡れるモチーフの一つで、ケルティックやスカンジナビアン アートにおいても、Life(生命)、Fecundity(豊かさ、生産力)、Immortality(永久になくならないこと)を表象するモチーフとして好まれてきました。 そして繁栄をシンボライズするクリスチャンモチーフとして、今日にも引き継がれています。

英語には、『Every oak must be an Acorn.(樫の大樹も元々はみなどんぐり)』という諺があって、一粒の小さなどんぐりで、樫の大木をシンボライズしているケースもしばしば見受けます。

あるいはまた、マザーグースのナーサリーライムに、花嫁が身につけると幸せになれるといわれるサムシング・フォーに続いて、以下のように一節があり、六ペンスが好まれる背景になっています。

Something old, something new, 
something borrowed, something blue, 
and a sixpence in her shoe. 


それから、写真二番目に見えるのは英国王ジョージ五世のポートレートです。 ジョージ五世は1910年から1936年までの英国王で、その王妃がドールハウスでも有名なQueen Maryになります。 メアリー王妃はアンティークや刺繍が趣味の奥方でした。

余談ながら、『月と六ペンス』という対比的な題名になんとも惹かれるのですが、皆さん如何でしょうか。 この小説を読むと六ペンス銀貨を持ってみたい気がしてくるように思うのです。 ちなみにモームは「幻想と現実」を表象する二つのものとして月と六ペンスを選んだようです。
六ペンス銀貨とスモールキーのペンダントヘッド(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 19325 ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ
縦 3.9cm、横(留め具含まず) 3.2cm、厚み 1.1cm、重さ 18g、1899年 バーミンガム アセイオフィス、23800円
写真の品はヴェスタと言って、スターリングシルバーのマッチケースです、スワンマッチという特別なマッチを入れて使います。 小花や葉っぱの植物文様やウェーブパターンのエングレービングが素晴らしく、背景部分の彫刻も繊細そのものと言えましょう。 スワンマッチの長さを切り揃えて収納する手間がかかりますが、そうした少しの世話というのがまたアンティークを扱う楽しみとも思うのです。

写真一番目で見て、中央に盾状部分がありますが、ここは本来ですとイニシャルなど刻むスペースです。 何も刻まれていない状態ですので、新しいオーナーの方がネームを入れることも出来るでしょう。

縦の長さが 3.9センチあって、持ちはかりは18グラムの銀ですので、いつも持ち歩く銀としては、しっかりぎゅっとした銀塊の風情を醸しております。 しかし、ヴェスタとしては、小振りな銀であり、スモールサイズの銀製ヴェスタはあまり見かけないことから、レアものアンティーク シルバーと言ってよいでしょう。

両面に施された手彫りの彫刻レベルは素晴らしく、百年以上前の銀職人さんの匠の技が堪能できる、そんなヴィクトリアーナの銀であります。 

クイーン・ヴィクトリアが若干18歳の若さで英国王位を継承したのは1837年のことで、この年から1900年までの64年間がヴィクトリア時代にあたります。ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリスの中でも特にポピュラーな国王となりました。アンティークの分野にあっても、この時代の物品を指すヴィクトリアーナ(Victoriana)という用語もあって、ヴィクトリア時代の品物を専門に集めるコレクタターが大勢いるわけなのです。

スワンマッチはそのまま入れると、ちょっと長いので、3ミリほど切り揃えが必要で、収納できるマッチは十数本です。こういう世話は、身の周り品として面倒ではないかと思われるかも知れませんし、マッチの切り揃えは、無駄な時間の使い方のようにも思えますが、またそれが楽しくもあります。ほっと一息できるときに、アンティークと一緒にゆっくり時間を過ごしてみる、そういう昔道具ではないかなと思っております。 

マッチを入れて、ヴェスタを振るとシャカシャカと音がして気分がいいし、彫刻が綺麗な一級品、かわいらしい銀製ボックスです。エングレービングが美しい品なので、見ているだけで楽しく、そして百年以上前のアンティークになりますが、今でも実用に問題なしです。ヴェスタのエングレービングにもいろいろありますが、この品の彫刻の繊細さはかなりレベルが高いと思います。 

蓋を開けると、ブリティッシュ ホールマークが刻印されているのが分かります。ホールマークは順にメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1899年のデートレター、そしてバーミンガム アセイオフィスのアンカーマークになります。 

深めなタッチで彫られた植物文様やウェーブの背景に影のように見える部分は、1ミリ間隔に何本もの細かさで彫刻線を引いた仕事です。それがほぼ全面にわたって施されている訳で、時間と手間のかかったアンティークであることが分かります。ルーペを使って鑑賞いただくと当時の限界的な手仕事のレベルの高さに驚かれると思います。

スワンマッチはマッチ箱で擦るのではなく、映画などで見たことがあると思いますが、靴の裏などザラザラしたところに擦りつけて発火させるマッチで、日本ではロウマッチとも呼ばれます。ヴェスタの底はギザギザになっているので、スワンマッチならこのギザギザ底での摩擦で火がつくのです。

私はタバコは吸いませんが、アンティーク ランプやキャンドルの灯火を見ていると落ち着いた気分になれるので、これが日課のようになっていて、灯を入れるにはやはりヴェスタがよろしくて、そのため必需品になっています。また、ロウマッチをシュッと擦ると映画の主人公みたいな気分にもなれるので、何は無くとも火をつけてみたりもします(少し変ですが。)。 

以前にヴェスタをお買い上げいただいたお客様からは、「アクセサリーとして使用しますが、スワンマッチを収納させておいてサプライズを楽しもうと考えています。」ということで、タバコ以外の使い途という点で私と同じだったのは嬉しく思いました。

スワンマッチは英国では簡単に手に入ります。 ニュース エージェントやスーパーマーケットでも売っていることからして、愛好家が多いのだろうと思います。スワンマッチの箱には「since 1883」とありますので、ヴィクトリアン以来の伝統というわけです。

日本でスワンマッチを入手する方法について、お客様から以下の情報をいただきましたので、ご参考ください。
『畑様
仕事におわれてメールチェックが遅れましてすいませんでした。スワンマッチですが、兼松日産農林というマッチ会社が日本に輸入しております。そこはマッチ愛好家のホームページを持っていて、マッチ取扱店の案内や通信販売も行っています。アドレスはhttp://www.nostalgia.co.jpです。
東京都内に販売店があるので都内の方は直接買いに行くのもいいと思います。私も行ってみましたが、いろんなマッチがあって楽しかったですよ。店の主人と話をしてみると意外とマッチ愛好家と言うのは多いようです。愛好家が増えれば入手しやすくなると思うので宣伝どうぞよろしくお願いします。(笑)
新潟は夏から冬へまっしぐらと言う感じで、日に日に寒くなっております。晩酌の酒が、焼酎の水割りからお湯割に変わるのももうすぐでしょう。それではまた』

いつも英吉利物屋をご贔屓いただくお客様からの最新情報によりますと、兼松日産農林のマッチ部に問い合わせたところ、スワンマッチが販売終了になっているそうです。イギリスではどこでも手に入るようなマッチでありますことから、日本の販売店が入手することも難しいことではないように思います。日本でもどこかで取り扱いがあるよう願っています。国際郵便ではマッチをお送りすることは出来ませんが、スワンマッチの画像もご参考まで。
ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)ヴィクトリアン スターリングシルバー ヴェスタ(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)



No. 19372 スターリングシルバー ケース
縦の長さ 9.0cm、横の長さ 6.4cm、厚み 1.4cm、重さ 51g、1918年 バーミンガム アセイオフィス、24800円
百年前の美しい銀です。 蓋の開け閉めについても良好なコンディションで、パッチリしっかり開閉できます。

英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 この美しいシルバーが作られたのは1918年ですから、正式な‘アンティーク’に晴れて昇格しようという品ということになります。 

一言に百年といっても、やはりそれだけの時の経過は大変なことと思います。 ちなみにこの頃の歴史年表を眺めてみますと、1912年:タイタニック号氷山に衝突して沈没1917年:ロシア革命、1918年:日本では米騒動とか、出てきます。

このアンティークが作られた時代というのは、そうとうな昔であったことがお分かりいただけるでしょう。 こうしたアンティークを手にしながら、その昔の時代に思いを馳せるのはアンティーク好きの楽しみであろうと思うのです。


英国におけるアンティークという言葉の厳密な使い方については、英国アンティーク情報欄にあります「14.Still Victorian」の解説記事もご参考ください。

彫刻のモチーフは渦巻きとウェーブパターンの融合デザインです。 波模様モチーフには、Continuation(続いていくこと)や Eternity(永遠)という意味合いが象徴されており、ヴィクトリアンからエドワーディアンの頃に好まれたクリスチャンモチーフのデザインです。

「Spiral=渦巻き、螺旋」というのは、とても重要なケルティックモチーフで、渦巻きは太陽を象徴し、そこからGrowth(成長)、Expansion(拡大)、Energy(活力)の意味合いが導かれます。 イギリスにおけるケルティック リバイバルの潮流の中で渦巻き様のウェーブパターンが流行っていった経緯があります。

基本デザインの渦巻き様のウェーブパターンは、深めなタッチで彫られています。 その背景に色合いが濃く見える部分も微細な彫刻で影を付けた細工で、両面に施された手彫りのエングレービングが、この銀のアンティークをかなりの工芸品にしています。 

波模様の背景に影のように見える部分は、1ミリ間隔に何本もの彫刻線を引いて影を付けていった細工です。 マグニファイイング グラスで鑑賞いただくと当時の限界的な手仕事のレベルの高さに驚かれると思います。 

開くと内側には写真三番目のように、ゴールドギルトが施されています。 標準サイズの綺麗な銀ケースと思います。 内側には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されています。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1918年のデートレターです。 内側反対サイドにもスターリングシルバーを示すライオンパサントと、1918年のデートレターがあります。 

いつも英吉利物屋をご贔屓いただいているお客様から、アンティーク シルバーケースの使い方について情報をいただきました。 普段私が言っている薬入れや裁縫セット入れといった使い方とはまた違ったアンティーク活用法で興味深いので、皆様にもご紹介させていただきましょう。

『最近、アンティークのシガーケースの自分なりの使い方として、タバコの変わりに板ガムを入れてみました。丈夫に出来ていて、ズボンのポケットにもスッポリ入ります。友達にも自慢(?)してみようと思います。 T.K. 』

T.K.様、情報提供ありがとうございました。 お客様との情報交換を通じて、英国アンティークへの理解をお互いに深めていけたら嬉しく思います。

スターリングシルバー ケース(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No.19361 Forget-me-not (勿忘草) &バスケット ローズゴールド デコレーション スターリングシルバー ブローチ with ブリティッシュ シルバー ホールマーク
横の長さ 4.6cm、最大縦長 2.0cm、留め具ピンを含む最大厚み 8mm、1917年 バーミンガム アセイオフィス、16800円

今から百年ほど前に作られたスターリングシルバーのブローチです。 ほとんど使われることなく現在に至っているようで、コンディションのよいアンティークです。

写真二番目のように裏面には、下部の左に三つ、右に一つのブリティッシュ シルバー ホールマークが、どれもしっかり深く刻印されています。 ホールマークは右から順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1917年のデートレターになります。

バスケットの左右には、繊細な小花の彫刻が施してあります、花の様子からみてForget-me-not (勿忘草) でありましょう。 

ローズゴールドとシルバーのコントラストが楽しめるのもポイントになっています。 バスケットの飾り部分はローズゴールドの薄板が載ったつくりです。 

9カラットゴールドは金含有量が37.5%の合金ですが、金以外には銅を多く含む場合には、その色あいは赤みがかかっていて、イギリスではローズゴールドと呼ばれます。 英国にはバラの花が好きな人たちが多いので、ゴールドにおいてもローズゴールドが好まれるのでは?と思えます。 金純度の高いイエローゴールドよりも、温かみがあってVery Britishな装飾素材と思います。

ローズゴールド部分のエングレービングは彫刻線の強弱がよく効いて美しい仕上がりになっています。 ブライトカット様の深めな彫りは光を美しく反射し、また微細な直線カットを重ねた彫りやジグザグカットの配列など、様々な技巧が施されていて、アンティークハント用のルーペが一本あれば楽しみも増すと思います。 

フラワーバスケットに勿忘草というデザインは、当時の定番モチーフの一つと言ってよいでしょう。

わすれな草はヨーロッパを原産とする、薄青色の小花が可憐な一年草で、信実とか友愛のシンボルとされます。 花言葉は「Forget-me-not」そのもので、「忘れないで」です。

「Forget-me-not」はイギリスのフィールドでよく見られる花で、昔から咳止めなどの薬草としても使われてきましたので、人気があって役に立つ花です。 イギリスの勿忘草は、細かく言うと四つほど種類があります。 野原で一般的なのは「フィールド勿忘草」、森の中で見られる「ウッド勿忘草」はやや大型です。 イエローからブルーに色が変わっていくのが「チェインジング勿忘草」で、ふさが特徴の「タフティド勿忘草」もあります。

日本語で「忘れな草」を「勿忘草」と書くと、漢文調な雰囲気で古っぽく見えて、万葉集や古今和歌集にも出てきそうな日本古来の野草のようにも感じます。 実際には「Forget-me-not」が日本にやってきたのは、百年とちょっと前のことで、「勿忘草」or「わすれな草」と訳語の日本名が付けられたのは、日露戦争があった1905年のことでした。

それでは、イギリスではどうかと言うと、これまた日本と同じ事情で、実は「Forget-me-not」という名前は舶来品の訳語でありました。 「Forget-me-not」という花の名は、元々は中世ドイツの伝説が起源で、ドイツ語の「忘れないで!」というのが、根っこになって世界中に広がっていったのです。 この伝説をもとにしたポエムをイギリス人のサミュエル・コルリッジが書いたのが1802年でありました。 そしてこれが英語の中に「Forget-me-not」が受容されるきっかけになったのです。

ドイツ起源の「勿忘草」がデンマークやスウェーデンに伝わり、そしてフランスに伝わり、イギリスに入ってきたのが1802年、それから百年ほどして日本へ、言葉の伝播の歴史も興味深く思います。
Forget-me-not (勿忘草) &バスケット ローズゴールド デコレーション スターリングシルバー ブローチ with ブリティッシュ シルバー ホールマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)


No. 19040 MADE IN ENGLAND スターリングシルバー コンパクト ケース
縦の長さ 6.3cm、最大横幅 6.9cm、最大厚み 0.8cm、重さ 80g、英国製、21,800円

ケースの表面にキズがほとんどないので、あまり使われることなく、現在に至っている品のように思います。 

小振りなわりには、閧ノしてみると、銀の重さがずっしりしていて、いい感じです。 

留め具のポッチ部分にスターリングシルバーを示すライオンパサントの刻印があります。 蓋を開けると、鏡の上側に「MADE IN ENGLAND」の刻印が見えます。 

鏡に一部に少し黒い部分がありますが、それを割り引いても、十分に美しい銀製コンパクト ケースと思います。
スターリングシルバー コンパクト ケース

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