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Bateman
ベイトマンファミリーのメーカーズマークについてご紹介します。

英国アンティークシルバーの世界では、Eliza Godfrey や Hester Bateman 等の女性有名シルバースミスが目立ちます。 へスター ベイトマンは、間違いなくその一番手でしょう。 ベイトマンのファミリービジネスにおいては、いくつかのメーカーズマークが使用されてきましたが、ここではベイトマン家の系譜と合わせて、そのメーカーズマークの変遷を追ってみたいと思います。

ヘスターベイトマンのメーカーズマーク「HB」は、1761年から彼女が引退した1790年まで使われました。
(写真1、2)はへスター ベイトマン1781年作のオールド イングリッシュパターン デザート スプーンです。 ホールマークは上から順にHBのメーカーズマーク、スターリングスタンダードを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1781年のデートレターです。

(写真1)
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

(写真2)
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

ヘスターは1790年に引退し、彼女の二人の息子達であったピーターとジョナサンによってファミリービジネスは引き継がれました。 ところが翌1791年にはジョナサンが亡くなってしまいます。 ジョナサンの奥方であったアンがご主人に代わり、ピーターとビジネスパートナーを組み、「PB,AB」(ピーター、アン ベイトマン)のマークで工房は引き継がれました。
(写真3、4)のテーブルスプーンは1795年の作ですから、この頃の品ということになります。ホールマークは左から順にライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、1795年のデートレター、納税済みを示すデューティマーク、そしてPB,ABのメーカーズマークです。

(写真3)
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

(写真4)
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

その後、アンと亡くなったご主人ジョナサンの息子であったウィリアムが大きくなって新たにパートナーに加わり、「PB,AB,WB」(ピーター、アン & ウィリアム ベイトマン)のマークが導入されました。(写真5、6)のブライトカット ティースプーン(1799年、ロンドン アセイオフィス)ではこの新しいメーカーズマークが刻印されています。 そしてアンは1805年をもって現役を引退しています。


(写真5)No. 19366 Peter, Ann & William Bateman ジョージ三世 スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン ブライトカット ティースプーン 
長さ 12.3cm、重さ 12g、ボール部分の長さ 4.3cm、最大幅 2.5cm、ボールの深さ 6mm、柄の最大幅 1.2cm、1799年 ロンドン、Peter, Ann & William Bateman作
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

(写真6)
ベイトマンファミリーのメーカーズマーク(英国 アンティーク シルバー 英吉利物屋)

ベイトマンファミリーの作で目にする機会が多いメーカーズマークは以上の三つでしょう。
細かく言えば1790年から1年間はヘスターの二人の息子が共同パートナーであり、別のメーカーズマークが存在したりもしますが、期間が短かったことから、今日見かけることはまずないようです。

200年以上前の品々ですが、こうして並べてみて、ファミリービジネスの系譜と突き合わせてみることが出来るのも、英国アンティークシルバーの楽しみの一つと思います。

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