No. 8455 エルキントン ヴィクトリアン シルバープレート ジャムスプーン SOLD
長さ 15.7cm、1880年 Elkington & Co作、一万二千円

以前に英国アンティーク情報欄、10.エルキントン社のシルバープレート技術 と 明治新政府の岩倉使節団  で1870年代、80年代オーセンティック ムーブメントの潮流についてご紹介しましたが、当時のエルキントンの仕事をよく伝える興味深い品が手に入りましたのでご紹介します。
当時、英国シルバーウェア業界に日本の伝統的なモチーフとして蝶などの虫、飛翔する鳥、扇、竹、さくら等のデザインが取り入れられていきましたが、この品はまさに当時のジャポ二ズムを伝えています。
Elkingtonは英国19世紀を代表するシルバースミスです。 スターリングシルバーの作品も多く残していますが、この会社の歴史上の名声は電気めっき法を完成させたことによります。
銀製品の電気めっき法は、19世紀初期には開発されていましたが、これを完成度の高い技術にまで仕上げたのがElkington & Co.でした。
1840年に特許を取り、めっき銀器の分野で他社を圧倒する勢力になると、競争相手を次々と買収して、当時最高の技術を持ったクラフツマンを擁する会社に成長しました。
当時最高の技術集団の一つであった為、シルバープレートの製品とはいえ、Elkingtonにはデザインや加工技術の優れた品が多いのが特徴です。
またシルバープレートの製品は製作年が分からないのが普通ですが、Elkingtonは自社のプレート製品に独自の年次記号を採用しており、製作年を追及できるのも楽しみの一つです。
写真の4枚目、柄の裏側中央に菱形マークが見えますが、これがデートレターとなっており、この品は1880年の作であることが読み取れます。