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No. 7931 ヴィクトリアン スターリングシルバー サービングフォーク
長さ 13.2cm、重さ 13g、最大横幅 2.6cm、1899年 バーミンガム、一万二千円

今から百年以上前、ヴィクトリア時代の最後の頃に作られたスターリングシルバー サービングフォークです。 柄先に少しへこみが感じられますが、全体としては美しい品ですので、お使いいただける方があればと思います。

横幅があって、彫刻面が広くとれるので、優雅なエングレービングがたっぷり楽しめる作りになっています。 エッジ部分をダブルビーズ パターンで囲み、内側の花模様と渦巻きパターンは美しい彫刻です。 手彫りのエングレービングの背景部分には、写真で見て、色合いが濃くなっているところがありますが、これは微細な彫刻線で影をつけた細工で、1ミリ間隔に十本ほどの彫刻線が刻まれている様子が、マグニファイインググラスでご覧いただくと分かり、今日ではとても真似の出来ないとても細かなヴィクトリアンの職人芸です。

柄の「ねじり」パターンはデザイン的な美しさを追求すると同時に強度をアップする為の構造で、先のタイン部分や彫刻部分も1ミリほどの厚みがあって、見た目の繊細さの割にはしっかりしたサービングフォークになっています。

裏面には、メーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1899年のデートレターが刻印されています。

この品が作られた頃の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄の「14.Still Victorian」の解説記事もご覧ください。