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No. 7921 ヴィクトリアン ジュビリー スターリングシルバー コイン ブローチ
コインの直径 2.4cm、ブローチの最大厚み(ピン含まず) 5mm、ピンも含んだ最大厚み 1.0cm、重さ 8g、銀貨は1887年製、一万四千円

ヴィクトリア女王戴冠50周年のジュビリー記念銀貨を使ったブローチです。
シールドリバースのエンブレムが素敵で好きなこともあって、特に注意している為か、最近いくつか手に入った品の一つです。

クイーン ヴィクトリアが若干18歳の若さで英国王位を継承したのは1837年のことで、この年から六十余年に及ぶヴィクトリア時代が始まり、戴冠50周年のジュビリー イヤーには、盛大なお祝いが行われました。 ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリス史の中でも特にポピュラーな国王となりました。

ヴィクトリア女王時代に好まれたシールド リバースがブローチ表側のデザインに採用されています。 描かれているのは、右上にライオンの立ち姿でライオンランパント、左下にはハープ クラウンド、そして三頭のライオンは『ライオンハート(獅子心王)』の愛称で知られる12世紀の英国王リチャード一世時代からのエンブレムです。 銀貨の下部には1887年の数字が見えます。

余談ですが、リチャード一世は十年間の治世中に国内にいたのがたったの六ヶ月という王様で、海外での戦いに明け暮れた英国王でした。 戦いで名を馳せ、ライオンハートの称号を得て、その勇気と生きざまは騎士の模範とされています。 そして現代ではサッカーのイングランド代表が使うエンブレムが、まさにこのスリー ライオンなのです。

ブローチ裏面はヴィクトリア女王の横顔です。 女王の若かりし頃はナショナル ポートレートギャラリーにある肖像画でご覧いただけるのですが、以下に写真がありますのでご参考まで。 「英国アンティーク情報、14.Still Victorian

周りの粒々装飾はグラニュレーションと呼ばれ、ヴィクトリアンの時代によく見かける銀装飾の手法です。 銀貨が作られたのは1887年ですが、ブローチとして加工されたのもおそらく同じ年ではないかと思われます。 グラニュレーションを用いた装飾手法からみてもヴィクトリアンの品と言えそうですし、さらに、やはりジュビリーものというのは一番賑わう当年に作られたとみるのが一般だからです。