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No. 7484 ヴィクトリアン スターリングシルバー クリスティング スプーン
長さ 15.0cm、重さ 27g、1894年 シェフィールド、John Round & Son Ltd.作、一万三千円

柄に彫られた三つ葉模様が、この時代によく見かけるクロスのデザインのような、ヴィクトリアン後期のスターリングシルバー クリスティングスプーンです。
写真の二番目で、三つ葉の背景でシェードがかかったように見える部分も、1mm間隔に7、8本という細かさで、彫刻刀を入れて仕上げたもので、マグニファイイング グラスで見ていただくと細工の素晴らしさに驚かれると思います。

ハンドエングレービングには繊細な美しさがありますが、柄の厚みがありボール部分の銀も厚めで持ちはかりがあるのはイギリス的で、しっかりした印象のスプーンでもあります。

メーカーのJohn Round & Sonはシェフィールドの大きなシルバースミスで、アンティークとしても今日でもよく見かけるメーカーの一つです。
John Round によって1847年シェフィールドで創業され、当初はスプーンとフォークのメーカーでしたが、職人技の素晴らしさとデザインの優雅さで、次第にその評価を確立して、息子のエドウィンをパートナーとして迎える頃には、銀器なら何でもこなすシェフィールドの大メーカーに成長していました。
日本との繋がりもあったメーカーのようです。1904年の業界紙にはアイボリーハンドルを日本で彫刻加工させていたことが伝えられています。
また、1962年まで会社が存続していたと言うのも珍しい例と思います。