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No. 6986 スターリングシルバー フィドルパターン デザートスプーン with フラワー エングレービング
長さ 17.5cm、重さ 44g、ボール部分の長さ 6.3cm、最大横幅 3.9cm、ボールの深さ 1.0cm、柄の最大幅 1.9cm、1919年 シェフィールド、John Round & Son Ltd.作、一本一万五千円、(6本あります-->5本あります)

フラワーエングレービングが可愛らしいフィドルパターンのデザートスプーンを六本セットで求めました。 作られたのは今から90年ほど前になり、当時の美しい手彫りの彫刻がなにより特徴的ですが、シルバーがしっかり使われていて持ちはかりがあり、重厚な英国銀器に仕上がっているのも好印象と感じます。 

用途としては、元々昔の時代にはデザートスプーンとして使われていた品になりますが、これだけの大きさと重さがあると、今日的にはテーブルスプーンとして使われてよいでしょう。 もちろんデザート用にもお使いいただけますので、デザート用&テーブル用と幅の広い使い方ができるサイズと思います。

花模様や縁飾りになっている二重ラインの装飾など、そのハンドエングレービングはかなり細やかな仕事で、写真では十分にその繊細さがお伝え出来ませんが、アンティークハント用のルーペがお手元にあれば、この限界的な職人技の素晴らしさを分かっていただけると思います。 お花を形作る彫りは深めのタッチで、花びらの内側には微細な多重彫刻線を施して影を付けてあります。 

メーカーのJohn Round & Son Ltd.はシェフィールドにあった有名シルバースミスの一つです。 ジョン ラウンドによって1847年シェフィールドで創業され、当初はスプーンとフォークのメーカーでした。職人技の素晴らしさとデザインの優雅さで、次第にその評価を確立して、息子のエドウィンをパートナーとして迎える頃には、銀器なら何でもこなすシェフィールドの大メーカーに成長していました。 第一次大戦を境にしてイギリスの国力が衰えていくと、多くのシルバースミスも衰退していった中で、John Round & Sonは1962年までシルバースミスとして仕事を続けていたというのも珍しい例と思います。

柄の裏面に刻印されたホールマークは順に、シェフィールドの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1919年のデートレター、そしてJohn Round & Son Ltd.のメーカーズマークです。

また、英国銀器の歴史ににおけるフィドルパターンについては、「4.イングリッシュ スプーン パターン」もご参考ください。