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No. 6984 ヴィクトリアン スターリングシルバー キングスパターン バターナイフ
長さ 17.7cm、重さ 46g、ブレードの最大幅 2.2cm、柄の最大幅 2.0cm、柄の最大厚み 3mm、1898年 ロンドン、一万七千円

かなり古いアンティークですが、よく磨き上げられていて、大切に使われてきた品であることが伝わってくる、ヴィクトリアンのスターリングシルバー キングスパターン バターナイフです。 

このバターナイフは柄の最大厚みが3mmもあり、ブレードもしっかり厚めで、46グラムと持ちはかりがあります。 シルバーがたっぷり使われた重厚さはアンティークとして好ましいですし、普段使いとしていっても銀の感触が心地よいでしょう。

英国アンティーク情報欄の 「4.イングリッシュ スプーン パターン」で解説しているハノーベリアン、オールドイングリッシュ、そしてフィドルパターンに続く主要なパターンとして登場したのがキングスパターンでした。

キングスパターンは今日でも作られ続けているパターンで私たちも見慣れているので、このバターナイフを見ても、そんなに古いアンティークには見えないのですが、実は今から百年以上前の19世紀の終わりに作られた品です。 キングスパターンがイギリスで最初に登場したのは19世紀初めですので、二百年に及ぶキングスパターンの歴史の中で、1898年に作られたこのバターナイフは中期の品と言うことになります。

キングスパターンデザインの中で大きな役割を果たしているシェルモチーフの歴史はかなり古いことが知られています。 12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、St.ジェイムスの紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとしてのシェルが次第に確立していきました。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

写真三番目で裏面のホールマークは順に、メーカーズマーク、1898年のデートレター、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そしてロンドン レオパードヘッドとなります。

この品が作られたヴィクトリアンの頃の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」や、「14. Still Victorian」の解説記事もご参考ください。



裏面の様子


裏面の様子