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No. 6973 Goldsmiths & Silversmiths Company ヴィクトリアン シルバープレート コーヒーポット
蓋のつまみまでの高さ 19.0cm、注ぎ口先端からハンドルまでの長さ 17.7cm、底面の直径 9.7cm、蓋の直径 7.4cm、重さ 455g、1Pint(=570ml)、Goldsmiths & Silversmiths Company作、1880年から1898年までの英国製、二万九千円

シルバープレートの品ですが、木製ハンドルのシェイプのよさに魅せられ、有名メーカーである「Goldsmiths & Silversmiths Company」の作であることにも惹かれて求めました。 シルバープレートウェアについては、アンティーク情報欄 「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事をあわせてご参考ください。

蓋は蝶番式ではなくて、キャップのように取り外しが出来るタイプです。 温かみのある木製ハンドルは指かけがあって扱いやすく、お湯切れもよくて、使いやすいポットです。 元々はコーヒー用になりますが、ティーに使ってもよいと思います。

容量は英国風な 1Pint(=570ml)を意識して作られています。 アンティークのポット一般に言えることですが、大きくて重たい品が多く、そこへさらにティー or コーヒーが入るとなると、重くて持つのが大変です。 このポットの容量ですと、英国アンティーク ポットとしては小振りになりますが、日本の急須の感覚から言えばそれでも十分に大きく、一人か二人で日常使いするにはちょうどよい大きさと思います。 「大は小を兼ねる」ということでお一人用、あるいは普通にはお二人用としてお使いいただけるでしょう。

裏面には、「Goldsmiths & Silversmiths Company」のメーカー名と、所在地のリージェント通り112番地の刻印があります。 リージェント ストリートは、東京の銀座通りのようなもので、ヴィクトリア時代にあってもロンドンで最もポッシュな界隈であったわけで、そこに店を構えていたこと自体が、「Goldsmiths & Silversmiths Company」の規模の大きさを示していると言えます。 エドワーディアンの時代には、クライアントはふかふか絨毯とダーク マホガニーの階段を上って、その先の素晴らしく豪華な専用ティールームに案内されたということで、当時のゴージャスな雰囲気を伝えるエピソードです。

「Goldsmiths & Silversmiths Company」は1880年創業のシルバースミスですが、銀製品の他にゴールドやジュエリーの分野でも名を馳せていて、チャールズ・ウォーラル氏のように40年以上にわたって人気を博したデザイナーも抱えていました。 また、この会社のビジネスはそれだけに止まらず、ウォッチやクロックのメーカーでもありましたし、さらには貴金属やダイヤモンドのトレーディングも手がけていました。 「Goldsmiths & Silversmiths Company」という名前から、ちょっと普通の銀工房ではないような、大きなビジネスの規模を感じるのですが、それはまさにその通りであったわけです。

また、この銀工房は1898年に会社組織の改変があって、Limited Liability Companyとなりましたので、それ以降は会社名の表示方法が変わっています。 そのために、ポット裏面に「Goldsmiths & Silversmiths Company」とあることが、この品は1880年から1898年までに作られたヴィクトリアン アンティークであることの目印にもなっています。











Goldsmiths & Silversmiths Company ヴィクトリアン シルバープレート コーヒーポット