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No. 6914 エドワード八世 スターリングシルバー アノインティング ティースプーン
長さ 8.9cm、重さ 8g、ボールの最大幅 2.1cm、ボールの深さ 4.5mm、1936年 ロンドン、一万円

このスプーンが作られたのは今から七十年前の1936年で、英国王エドワード八世の戴冠の年にあたります。 国王の即位式で使われるクラウンジュエリーの一つにアノインティング スプーンがあり、コロネーション(戴冠式)を記念して、それを模したティースプーンが作られました。 オリジナルのアノインティング スプーンは12世紀から伝えられてきた英王室の三種の神器のような品であって、戴冠式で新国王に聖油をつけるのに使われます。

ボール部分の内側に、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1936年のデートレターが刻印されています。

在位期間があまりにも短かったエドワード八世ものは、アンティークとしてはレアものの範疇に入ると言ってよいでしょう。

チャールズ皇太子がカミラさんと再婚したことで、「王位を賭けた恋」で有名なエドワード八世が時を経て再び話題の人となりました。 エドワード八世は1936年に英国王になりましたが、その年の12月には退位を宣言し、この年は英国中が大揺れとなりました。 それというのも、エドワード八世は当時41歳の独身で王位につき、英国民はさて次はお妃探しと盛り上がったのですが、彼には皇太子時代からシンプソン夫人という愛人があったのです。 シンプソン夫人はアメリカ国籍で、夫のある身、さらには離婚歴もありということで、英国国教会や当時の英国政府が黙って見過ごせることではなかったわけです。 不倫を解消せよと迫る世論に対して、国王が下した決断は王位を捨ててシンプソン夫人をとるというものでした。 エドワード八世はアメリカや日本を含めた諸外国では、「王位を賭けた恋」を成就させた王様として人気があります。 彼は晩年に至るまで一度も自らの決断を後悔したことはなかったと伝えられています。

ちなみにヴィクトリア女王の時代が終わって20世紀に入ってからの英国王は、1901年のエドワード七世、1910年のジョージ五世、1936年のエドワード八世、1937年のジョージ六世、そして1952年から現在のエリザベス二世になります。