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No. 6846 William Bateman スターリングシルバー フィドルパターン ティースプーン
長さ 14.2cm、重さ 20g、ボール部分長さ 4.9cm、横幅
2.9cm、ボールの深さ 7mm、1814年 ロンドン、William
Bateman作、一本 九千円 (6本あります-->5本あります。)
もうすぐ二百年の時が経とうとしている品でありながら、コンディションはまず良好なジョージ三世時代のアンティークで、William
Batemanの作になります。
ホールマークのガイドブック 『Jackson's Hallmarks』によれば、William
Batemanについて 「Very good (best of the
Batemans)」 とコメントされており、この品の場合はやはりシルバースミスの名前が大きなポイントになっています。
数多いシルバーウェアの中でもベイトマン ファミリーの品は別格に扱われることが多いようです。 一つには二百年近い年月を経ているということがあるでしょう。 しかしそれでも、なぜ?と思われる方も多いはずです。 手にとって直に見てみると、ボール部分が先細なタイプで品の良さを感じ、柄の曲線のなんとも言えない優雅さ、手仕事のみが生み出す暖かさが多くの人を惹きつけてきた要因であることがわかります。
そうは言っても、ベイトマン以外のフィドルパターン ティースプーンの品とここがどうしても違うとは私は思わないのですが。 結局のところベイトマンがアンティークシルバーにおいて別格なのは、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、コレクターの需要が強いからということになるのでは、と思います。
ホールマークは順に、「William Bateman」のメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1814年のデートレター、そしてジョージ三世の横顔マークはデューティーマークです。
それから、柄先にホールマークを刻印することをトップマーキングと言いますが、1800年前後にロンドンで作られたティースプーン等の小物シルバーウェアのトップマーキングにおいては、ロンドン レオパード ヘッドの刻印を省略することが当時流行っていました。 このティースプーンにもロンドン アセイオフィス マークがありませんが、同時期に作られたロンドン物ではよく見かける傾向なのです。 おそらくロンドン中心思考がこうした習慣を生んだと思われますが、1830年ぐらいから以降は改まりきっちり刻印されるようになっていきます。
ベイトマン ファミリーの系譜については、 「19.ベイトマン ファミリーのメーカーズマーク」の解説記事もご参考ください。 William Batemanはファミリーの系譜の中で、その最後にあたります。 また、フィドルパターン パターンについては、「4.イングリッシュ スプーン パターン」を、そしてデュティーマークについては、「5.シルバーホールマークとジョージアンの国王たち」解説記事の後半もご覧ください。