トップページへ戻る

No. 6780 スターリングシルバー Masonic the Square and Compasses ティースプーン ペア
ティースプーンの長さ 11.1cm、重さ 11g、ボール部分最大幅 2.4cm、ボールの深さ 5mm、透かし柄の最大幅 1.45cm、1922年 バーミンガム、一本 七千円

ちょっと珍しいアンティークを見つけましたのでご紹介いたしましょう。 今から八十年以上前に作られたフリーメイソンのスターリングシルバー ティースプーン ペアで、透かし細工は糸鋸を使った手仕事になっています。

透かし柄にある“コンパス”と“直角定規”はフリーメイソンのシンボルで、コンパスは「道徳」を、そして直角定規は「真理」を表象しています。 このシンボルはニコラス・ケイジの映画『ナショナル・トレジャー』の中で、宝探しの手掛かりとしてたびたび登場していたので、これまでなじみがなかったとしても、映画を見た方はとても印象に残ったことと思います。

フリーメイソンとはイギリスで発生し世界に広まった秘密結社です。 日本語では秘密結社との言われ方が多いようですが、アメリカではフリーメイソンのメンバーはごく普通にどこにでもいるので、“秘密”というニュアンスはなくて、いわば親睦団体のようなものと言ってよいでしょう。 『大辞林』によれば、「博愛・自由・平等の実現を目指す世界的規模の団体。中世以来の熟練石工組合を母体として一八世紀初めイギリスで結成。啓蒙主義精神を基調とし、多くの名士を会員に含むとされるが全容は明らかでない。」とあります。

『ナショナル・トレジャー』では、フリーメイソンがストーリーの根幹を成しており、アメリカにおけるフリーメイソンの位置付けを知るよい手掛かりになります。 アメリカの独立戦争を指導したリーダーの多くはメイソンだったり、その後も歴代大統領の多くがメイソンだったということです。 映画のシーンにもありましたが、1ドル紙幣に描かれた「ピラミッドと一つ目の絵柄」も『万物を見通す目』というメイソンのマークの一つで、アメリカ的価値とフリーメイソンには分かち難い関係があるようです。

さらに言えば、日本の戦後10年を主導した歴代首相の多くはフリーメイソンだったこともあり、日本とも大いに関係があります。

柄の裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり刻印されており、順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1922年のデートレターとなっています。