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No. 6753 スターリングシルバー ティーポット
蓋のつまみまでの高さ 13.4cm、注ぎ口先端からハンドルまでの長さ
22.1cm、重さ 445g、容量 1Pint(=570ml)、1915年
シェフィールド、Walker & Hall作、十万八千円
どちらかというと小振りなティーポットの範疇に入りますが、銀が厚めな為にサイズの割には持ちはかりがあり、スターリングシルバーの適度な重みが心地よい品と思います。 オーソドックスなデザインと相俟って、全体として重厚な雰囲気に仕上がっていることに惹かれて求めました。 今から九十年以上前に作られた品なのに、あまり使われた形跡がなく、ポットの中身に茶渋がついていません。 アンティークのティーポットでは、大半は茶渋が残っている方が普通なので、これは珍しいと言ってよいでしょう。
蓋のつまみとハンドルは木製で温かみがあります。 大きめのハンドルには指かけもありますので、使い勝手がよく、ポットのお湯残量が多い時でも少ない時でも、すっきり気持ちよくお湯切れします。 四脚構造に出来ているのもポイントです。 蓋のつまみは、お手入れする際には取り外しが可能に出来ています。 通常の状態ではしっかりと締まっていて、木製ハンドルと合わせてぐらつきがなくしっかりした作りです。
容量は目一杯で650ml 入りますが、英国風な
1Pint(=570ml)を意識して作られているようで、570ml程度で使うのが適当でしょう。 アンティークの銀製品一般に言えることですが、ティーポットも大きくて重たい品が多く、そこへさらにティーが入るとなると、重くて持つのが大変です。 このポットの容量ですと、英国アンティーク ティーポットとしては小振りになりますが、日本の急須の感覚から言えばそれでも十分に大きく、一人か二人で日常使いするにはちょうどよい大きさと思います。
「大は小を兼ねる」ということでお一人用、あるいは普通にはお二人用としてお使いいただけるでしょう。
ホールマークは二箇所に刻印されていて、まず蓋の裏側にスターリングシルバーを示すライオンパサントと「Walker
& Hall」のメーカーズマークがあります。 そして写真で見て裏側には、胴体なかほどにシェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、ライオンパサント、1915年のデートレター、メーカーズマークが刻印されています。 ホールマークはどれもしっかり深く刻印されていて完璧です。
このティーポットを作ったシルバースミス「Walker
& Hall」のメーカーズマークは、三角フラッグの中に「W&H」と書かれたマークで、とても特徴があるので、一度見ると忘れられないマークです。 印象的なのはメーカーズマークばかりではなく、この銀工房の歴史をたどってみると、歴史も長く、評価の高いシルバースミスであったことが分かります。
Walker & Hallは1845年にジョージ ウォーカーによって創業され、ヴィクトリアン、エドワーディアンの時代を通じて有望なメーカーに成長しました。第一次世界大戦を境に大英帝国の最盛期が過ぎると、多くのシルバースミスも衰退する運命をたどりましたが、ウォーカー&ホールは第二次大戦後までもずっと仕事を続け、その技術は高い評価を受けていたことから、1970年代に至ってマッピン&ウェッブに買収されました。
英国でアンティークという言葉を厳密な意味で使うと、百年以上の時を経た品物を指します。 このティーポットが作られたのは1915年ですから、あと九年経つと正式なアンティークになるというわけです。 気に入った古いものを使っていくうちに、その品が自分の手元で‘アンティーク’になっていくことは、コレクターの喜びとも言えますので、このティーポットには、そんな楽しみ方もあるわけです。
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