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No. 6693 シルバープレート コーヒー or ティーポット
蓋のつまみまでの高さ 19.8cm、注ぎ口先端からハンドルまでの長さ 19.0cm、底面の直径上から見た最大直径 10.3cm、重さ 582g、容量 1Pint(=570ml)、Harison Brothers & Howson作、三万二千円

シルバープレートの品ですが、582グラムと持ちはかりがあって、素材が厚めでしっかりした作りになっており、さらには装飾性も高いので、クォーリティーの良さを感じます。 蓋やヒンジの細工は良く、優美な木製ハンドルにつながる部分の細工も素晴らしくて気に入りました。 注ぎ口に向かう筒部分も凝ったデザインで、全体としてよく考えて作られた品と思います。

基本的にはコーヒーポットですが、ティーポットとしてもお使いいただけます。 容量は目一杯で600mlと少し入りますが、この品もやはり英国風な 1Pint(=570ml)を意識して作られているようで、570ml程度で使うのが適当でしょう。 大きめサイズでゴージャスな雰囲気の品になります、「大は小を兼ねる」ということでお一人用、あるいはコーヒーでしたら数人でお使いいただいてもよいでしょう。

実際に使用してみても使い勝手の良い品で、木製ハンドルには指かけもありますので扱いやすく、注ぎ口は大きめで、ポットのお湯残量が多い時でも少ない時でも、すっきり気持ちよくお湯切れします。 ボディーには若干のへこみやキズもあって新品同様とはゆきませんが、これはアンティークの味わいの範囲でしょう。

裏面にはHarison Brothers & Howsonのメーカーズマーク、「HB&H」がしっかり深く刻印されています。

シルバースミスのHarison Brothers & Howsonはヴィクトリア時代初期の1847年にシェフィールドで始まった銀工房です。 1866年にはロンドンのハットンガーデンにショールームを開設しています。 その後1941年当時にはホルボーンにロンドン支店がありました。 品物を納入していた先には、エルキントンやアスプレーの名前もありますので、評価の高い銀工房であったことが分かります。

シルバープレートウェアについては、アンティーク情報欄 「10.エルキントン社のシルバープレート技術と明治新政府の岩倉使節団」の解説記事もご覧ください。