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No. 6655 ヴィクトリアン スターリングシルバー バターナイフ
長さ 21.4cm、重さ 56g、ブレード部分の最大幅 2.7cm、1849年 バーミンガム、Hilliard & Thomason作、二万六千円

エングレービングにも勢いがある、大きなシルバーウェアで、その圧倒的な存在感に惹かれます。 今から百五十年以上も前のヴィクトリアン アンティークですが、当時の時代の勢いというものをよく反映しているように思います。

ブリティッシュ ホールマークはどれもしっかり刻印されており、左から順に、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ヴィクトリア女王の横顔はデューティーマーク、1849年のデートレター、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、そして「Hilliard & Thomason」のメーカーズマークです。

メーカー名は一流で、当時の最高峰の一つと言ってよいでしょう。 「Hilliard & Thomason」は1837年にバーミンガムで、John Hilliard によって会社が起されました。 1840年にはJohn Thomasonとパートナーを組んで、以降はH&Tのメーカーズマークを使っています。 初めの頃は、スナッフボックス、ビネグレット、ワインラベル等の品で人気があったようですが、次第に商品の幅を広げていきました。 1851年の万国博覧会には、ナイフ、フォーク、スプーン等のフラットウェアも出展しています。 当時から評判も上々で、「極めて美しく、そして上品に仕上がっており、デザインも巧妙かつ強い印象を与える。」との賛辞を得ています。

ヴィクトリア時代については、英国アンティーク情報欄にあります「31. 『Punch:1873年2月22日号』 ヴィクトリアンの英国を伝える週刊新聞」の解説記事もご参考ください。