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No. 6640 ヴィクトリアン スターリングシルバー オールドイングリッシュ パターン デザートスプーン with コート オブ アームズ
長さ 17.5cm、重さ 52g、ボール部分の長さ 6.4cm、ボール部分最大幅 3.8cm、深さ 1.05cm、1899年 ロンドン、Josiah Williams & Co.作、一万五千円

今から百年以上前の19世紀末に作られたスターリングシルバー デザートスプーンで、柄先に彫られた紋章が印象的なヴィクトリアン アンティークです。

長さが17.5センチというのはデザートスプーンのサイズですが、重さは52グラムとテーブルスプーンほどの持ちはかりがあります。 ボール部分は銀が厚めな感じで、柄も最大で4ミリ強の厚さがあって、銀がしっかりと使われた重厚な作りになっています。

写真二番目のホールマークは順に、「Josiah Williams & Co.」のメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、ロンドン レオパードヘッド、そして1899年のデートレターです。

一般にヴィクトリア時代創業のシルバースミスが多い中にあって、この品を作ったJosiah Williams & Co.はジョージアンの時代に始まった老舗の一つになります。 1800年創業のJosiah Williams & Co.はブリストルのメーカーで、地方では最大のシルバースミスでした。 メーカーズマークは当時の共同パートナーであった二人、George Jackson & David Fullertonの頭文字GJDFが刻まれています。 今日でも中世の街並みや大聖堂が美しいブリストルは、16世紀にはエイボン川河口の貿易港として栄え、その後はイングランド南西部の主要都市として発展しました。 しかし大きな都市であったがゆえに、第二次大戦中の1940年11月24日にはドイツ軍による空襲を受け、Josiah Williams & Co.も工房を失い、残念ながら140年の歴史に幕を閉じました。

アンティークのシルバーウェアは現代のものよりサイズが大きいので、昔のデザートスプーンは、今日的にテーブルスプーンとして使うとちょうどよいのではないかと思っています。
もちろんあの大きなテーブルスプーンをメインに使うのがいいという方もあろうかと思いますが、毎日の普段使いとしてはアンティークのデザートスプーンをメイン使いにされるというのは如何でしょうか。

オールドイングリッシュ パターンについては、英国アンティーク情報欄にあります「4.イングリッシュ スプーン パターン」の解説記事を、またこの品が作られた頃の時代背景については、「14.Still Victorian」もご参考ください。