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No. 6570 スターリングシルバー ティースプーン
長さ 11.4cm、重さ 12g、ボール部分の長さ 3.3cm、最大横幅
2.6cm、ボール部分深さ 7mm、1912年 バーミンガム、French
Brinton & Co作、一本 四千円、(三本あります。)
今から九十年以上前、エドワーディアンの時代が終わった頃に作られたスターリングシルバーのティースプーンです。 デザイン性の高い柄先は、その幅が1.55mmと大きめで、ゴージャスな雰囲気が気に入りました。
ボール裏面にはブリティッシュホールマークが刻印されていて、メーカーズマーク、バーミンガムアセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1912年のデートレターが完備しています。
この品のメーカーズマークはAJBと刻印されていて、Alfred
Jacob Bartholomewの略です。 そしてAJBというメーカーズマークは、French
Brinton & Coという工房が使っていたいくつかのメーカーズマークの一つです。
French Brinton & Coはゴールドスミスでもありましたが、シルバースミスとしてもシルバーウェア全般を扱うメーカーでありました。 ゴールドのジュエリーなども手がけていたと言うことが、この品のデザインがよい理由の一つになっているようにも思います。
1821年創業のこの工房は以下のように何回か名前を変えています。
Jacob French 1821-1841
Jacob French & Sons 1841-1869
John & George French 1869-1870
John French & Co 1870-1890
French, Brinton & Co 1890-1925
創業者のJacob Frenchから次第に息子たちの代に移り、1869年には親父さんのJacobが引退し、1890年には新たにBrinton氏を共同経営者に迎えた銀工房の歴史が見て取れるかと思います。 Alfred
Jacob Bartholomew は1875年にこの工房のパートナーとなっています。 1909年頃には工房を支えていたのは、Brinton氏だったようですが、その後は第一次大戦のため職人を失い事業は縮小していったようです。