トップページへ戻る

No. 6559 スターリングシルバー ケルティック クロス with チェーン
クロスの縦 6.3cm、横 3.65cm、厚み 1mm、重さ 13g、スターリングシルバー チェーンの長さ 、1971年 バーミンガム、一万五千円

かなり大きめなスターリングシルバーのケルティッククロスで、縁辺部にはブライトカットが施されていて、光の反射を誘います。 クロスの縦横に彫られた螺旋模様は、ケルティック デザインのベーシックモチーフです。 そしてクロス中心の周りに四つの小さな円形の穴が抜いてありますが、これは四つの穴を含めて全体でより大きな円をイメージしたものと考えられます。 

裏面にはブリティッシュ ホールマークが四つ刻印されているのは、この品のよい特徴で、順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1971年のデートレターが刻印されています。

ケルティッククロスについて解説するサイトがありましたので、ご参考まで。 (このサイトは図柄も豊富で参考になるのですが、残念ながら現在は休止中のようです。再開したらご覧になってください。)
http://www.celtic-art.net/Symbols/Page43.htm

詳しくは上記サイトの解説をご覧いただくとして、概略だけ申し上げますと、このケルティック クロスのモニュメントは英国西部のコーンウォール地方からウェールズ、スコットランド西方諸島、そしてアイルランドに分布していて、千二百年以上前のケルト人によって建てられたものです。 今日的感覚では墓標のように思いますが、そうではなくて、ミーティング ポイントとして建立されたとあったのは面白いと思いました。

最後になりましたが、ケルティックとは「ケルト人の」という意味です。 英国史においてケルト系の人達とはもともとのイギリス先住民で、民族大移動によって欧州大陸方面からノルマン系住民が流入して支配的な地位を占めるようになると、次第に辺境の地へ追いやられていった人たちです。 彼らが追われた辺境とは、スコットランド、ウェールズ、英国西部のコーンウォール、そしてアイルランド等でした。 とは言っても、支配と被支配という関係だけではなく、結局は婚姻などで入り混じって今日のイギリス人が出来あがっています。 ちなみにロンドンという地名やテムズ川の名前はケルトの名称だそうですし、今日の英国人は自分たちのことをブリトンと呼びますが、このブリトンとは元々ケルトの一部族の部族名でした。

また、円卓の騎士のアーサー王はコーンウォールで生まれたとされる、伝説的なケルトの王様です。
アーサー王伝説については、英国アンティーク 情報欄、「28. Tintagel アーサー王伝説の村」の記事もご覧になってください。