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No. 6307 アール・デコ スターリングシルバー テーブルスプーン
長さ 21.8cm、重さ 76g、ボール部分の長さ 7.8cm、最大横幅 4.8cm、深さ 1.2cm、柄の最大幅 2.1cm、1936年 シェフィールド、一本 二万円 (4本あります-->3本あります。)

直線的なアール・デコの幾何学デザインは、このテーブルスプーンが作られた1936年という時代をよく反映しています。 76グラムと持ちはかりがあって、大きくしっかりしたスプーンですから、テーブルスプーンとしてはもちろんのこと、サーバーとしてもお使いいただけると思います。 四本ともコンディションが良好なこともよいでしょう。 

裏面のホールマークは順に、メーカーズマーク、シェフィールド アセイオフィスの王冠マーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1936年のデートレターで、どの刻印もはっきりしています。 また、柄のボールに近い方には、「MADE IN ENGLAND」とも小さな文字で表記されています。

英国における1936年という年は、エドワード八世とシンプソン夫人を巡って国中が大揺れした年であったことは、覚えておかれてもよいでしょう。 当時の時代状況については、「No. 6264 エドワード八世 ブラスのお裁縫セット」の説明記事もご参考ください。

テーブルスプーンではジョージアンやヴィクトリアンの品の扱いが多いので、1936年と言うとなんだか新しいようにも感じますが、よく考えてみれば70年も前のことで、日本では二・二六事件が起こった年になります。 東京で陸軍の青年将校らが反乱を起こし、首相官邸などをおそって、高橋是清らの大臣のほか多くの政府高官を暗殺したり重傷を負わせたりしたと聞けば、やはりずいぶんと昔の品だとあらためて思うのです。

1920年代、30年代はアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 





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