No. 6240 ヴィクトリアン スターリングシルバー バターナイフ with マザー オブ パール ハンドル
長さ 20.2cm、重さ 53g、ブレード部分の最大幅 2.9cm、マザー オブ パールの最大幅 2.0cm、最大厚み 0.95cm、1874年 シェフィールド、Hilliard & Thomason作、三万二千円

バターナイフは元々バタースペードという鏝状(こて状)のシルバーウェアから発展してきた経緯があります。 このバターナイフは写真三番目にありますように、ブレードと柄のつなぎ部分に、こて状バタースペードの面影を残し、湾曲したブレードを持つヴィクトリアン中期の品で、バターナイフの歴史的発展過程を示しており、博物館的な興味を感じさせてくれるアンティークと言えましょう。

裏面に四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻んであるのも好印象です。 Hilliard & Thomasonのメーカーズマーク、ヴィクトリア女王の横顔でデューティーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、そして1874年のデートレターが刻印されています。

メーカー名は一流で、当時の最高峰の一つと言ってよいでしょう。 「Hilliard & Thomason」は1837年にバーミンガムで、John Hilliard によって会社が起されました。 1840年にはJohn Thomasonとパートナーを組んで、以降はH&Tのメーカーズマークを使っています。 初めの頃は、スナッフボックス、ビネグレット、ワインラベル等の品で人気があったようですが、次第に商品の幅を広げていきました。 1851年の万国博覧会には、ナイフ、フォーク、スプーン等のフラットウェアも出展しています。 当時から評判も上々で、「極めて美しく、そして上品に仕上がっており、デザインも巧妙かつ強い印象を与える。」との賛辞を得ています。

バターナイフの歴史について詳しくは、英国アンティーク情報欄の9.トラディショナル イングリッシュ バターナイフをご覧ください。