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No. 6176 ヴィクトリアン スターリングシルバー クロス
クロス本体の縦(丸い留め金含まず) 4.3cm、横 2.5cm、厚さ 4mm、1900年 バーミンガム、二万二千円

ヴィクトリア時代最後の年に作られたホロー(中空)構造のスターリングシルバー クロスです。 意図して作られた細工なのか分かりませんが、中に小さな金属片が入っているらしく、振ってみると、コロコロカラカラと可憐な音がするのは鈴のようで、このクロスの不思議な魅力になっています。

クロスの両面に彫られたアイビーはヴィクトリアンの頃に好まれたデザインで、蔦がしっかりと絡まることから、Fidelity(忠実ないしは誠実)、Friendship(友情)、あるいはMarriage(結婚)を象徴するモチーフとされます。 また、いつも緑であることから、Immortality(不滅)や Eternal Life(永遠の魂)を表すこともあります。

四つのブリティッシュ ホールマークが刻印されていて、製作年がきっちり分かるのも、アンティークとして優れた特徴と言えるでしょう。 側面部分にはメーカーズマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1900年のデートレター、そしてバーミンガムアセイオフィスのアンカーマークが刻印されています。

ヴィクトリア時代とは1837年から1900年までの64年間ですが、ヴィクトリア女王は在位期間が長かったことと、その時代は英国の国力が格段に伸張した時期と重なっていた為に、イギリス史の中でも特にポピュラーな国王となりました。 アンティークの分野にあっても、この時代の物品を指すヴィクトリアーナ(Victoriana)という言葉もあって、ヴィクトリア時代を専門とするコレクタターが大勢います。

このクロスが作られた当時の時代背景については、「英国アンティーク情報」欄の「14.Still Victorian」の解説記事もご覧ください。