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No. 5892 スターリングシルバー ティーキャディー スプーン with シェル & ゴールドギルト
長さ 9.5cm、重さ 18g、最大幅 3.65cm、ボール部分の長さ 4.8cm、ボールの深さ 0.7cm、1933年 バーミンガム、James Schomberg & Sons作、二万四千円

今から七十五年前の1933年に作られたスターリングシルバーのティーキャディー スプーンです。 シェルパターンのボール部分はうっすらとゴールドギルトされています。 

ティーキャディー スプーンというのは、少しお上品に過ぎるためか、イギリスで探してもそれほど品数が多くなくて、どちらかというとレアものアンティークの範疇に入ります。

柄の裏面には写真二番目で見えるように、四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり刻印されているのもよいでしょう。 ホールマークは順に「James Schomberg & Sons」のメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1933年のデートレターです。

シルバースミスの「James Schomberg & Sons」はヴィクトリア時代創業の銀工房で、ロンドンのコベントガーデンに近いロングアーカー通り10番地にありました。 かつては青果市場であったコベントガーデンは、今では有名ブティックやレストランが軒を連ね、その中心のザ・マーケットは大道芸人のパフォーマンスで有名ですし、月曜日と水曜日にはアンティークフェアも開かれますので、ロンドン観光で立ち寄られる方も多いでしょう。 ロングアーカー通りは地下鉄のコベントガーデン駅が隣接している通りになります。

ボール部分のシェルパターンは、12世紀にスペインの聖地 St.ジェイムス オブ コンポステラへ向かう巡礼者たちが、彼の紋章であったシェルを身につけて旅したことから、クリスチャンシンボルとして、シェルが取り入れられていったのが始まりです。 15世紀以降はセラミックスやシルバーの分野で、このシェルモチーフが繰り返し取り上げられて今日に至っています。

写真のティーキャディー スプーンが作られた頃の出来事と言えば、日本が国際連盟から脱退、ドイツではヒトラーが首相就任などあって、世界的な経済不調が政治的な動乱に転がり始めた時代でありました。 

百年の時を経るまでに、あと四半世紀かかりますので、正式なアンティークに昇格する為には次世代へ受け継ぐ必要がありそうですが、やはり七十五年という年月の経過はたいしたもので、これからも楽しみなアンティークと思うのです。

スターリングシルバー ティーキャディー スプーン with シェル & ゴールドギルト


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