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No. 5351 アール・デコ スターリングシルバー  ピアストワーク コーヒースプーン 六本セット、箱入り
長さ 9.5cm、重さ 6g、ボール部分の最大幅 2.0cm、柄の最大幅 8mm強、1937年 バーミンガム、三万五千円

箱が手に入ったので、六本セットを収納してみました。 写真の木箱は元々のケースではありませんが、スプーンと同じくらいに古いもので、不思議とスプーンとの相性というか収納した時のフィット感も良いようです。

今から70年前に作られたスターリングシルバー  コーヒースプーンで、アール・デコの直線的なデザインが特徴的です。 ピアストワークは内側のみならず、外側にも糸鋸を引いたギザギザ跡が残っており、外回り部分も糸鋸で切り取った作りとなっているのは珍しく、手間のかかった品であることが分かります。 元々はコーヒー用ですが、ティースプーンとされてもよいでしょう。

それぞれボール裏面には四つのブリティッシュ ホールマークがしっかり深く刻印されているのも良いでしょう。 ホールマークは順にメーカーズマーク、バーミンガム アセイオフィスのアンカーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1937年のデートレターになります。

1920年代から30年代はアール・デコの時代ですが、ヴィクトリアンあるいはエドワーディアンの伝統的で凝ったシルバーデザインとは大きく異なる変更が、この時代にあったことは、とても興味深いと思います。 ある解説によれば、このデザイン上の大きな断絶を生み出した最大の要因は第一次大戦だったと言われています。 当時の人たちはヴィクトリアンとエドワーディアンの輝かしい伝統の延長上に世界大戦が起こったことに大きなショックを覚え、ポストワーの時代には、昔の時代から距離を置きたいと望む風潮が強く、そこにアール・デコがぴたりとはまったというわけです。 

アール・デコについてはいろいろな説明がありますが、この解説はかなり言いえているように思います。 イギリスを隅々まで旅してみて、どんな小さな田舎の村にも、第一次大戦の戦没者を悼む記念碑が建っているのを知りました。 英国人の暮らしを根底から揺るがした出来事であったことが想像されるのです。








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