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No. 5325 ヴィクトリアン スターリングシルバー ティースプーン with フラワーエングレービング
長さ 11.5cm、重さ 12g、ボール部分の長さ 4.0cm、最大横幅 2.4cm、ボールの深さ 0.5cm、柄の最大幅 1.15cm、1888年 ロンドン、George Maudsley Jackson作(=Josiah Williams & Co.作)、一本 六千円、(6本あります-->5本あります-->4本あります-->3本あります-->2本あります-->1本あります--SOLD)

ヴィクトリアン後期に作られたスターリングシルバーのティースプーンで、フラワーエングレービングの美しさがポイントになっています。 今から百二十年も前に作られたという古さは、やはりアンティークとしての魅力になりますが、コンディションも素晴らしいヴィクトリアーナです。

彫刻はかなりレベルの高い手仕事で、テーブルウェアというよりは、ヴィクトリアンのアクセサリーに見られるような水準を誇っていると思います。 お手元にルーペがあれば、当時のシルバースミスの仕事振りがより楽しめて、実用品というよりも飾って眺めて満足できるアンティークであることが感じられると思います。

写真三番目のホールマークは順に、「GMJ (=George Maudsley Jackson)」のメーカーズマーク、ロンドン レオパードヘッド、スターリングシルバーを示すライオンパサント、1888年のデートレター、そしてヴィクトリア女王の横顔マークです。 

George Maudsley JacksonはJosiah Williams & Co.の共同パートナーの一人であったことから、GMJはJosiah Williams & Co.と実質同体と考えてよいシルバースミスになります。
ホールマークのガイドブックである『JACKSON'S HALLMARKS』によれば、「GMJ」についてのコメントは「Wide range of particularly good flatware.」とありますので、GMJ単体の評価もかなり高いのですが、Josiah Williams & Co.も有名シルバースミスの一つです。

一般にヴィクトリア時代創業のシルバースミスが多い中にあって、Josiah Williams & Co.はジョージアンの時代に始まった老舗の一つになります。 1800年創業のJosiah Williams & Co.はブリストルのメーカーで、地方では最大のシルバースミスでした。 今日でも中世の街並みや大聖堂が美しいブリストルは、16世紀にはエイボン川河口の貿易港として栄え、その後はイングランド南西部の主要都市として発展しました。 しかし大きな都市であったがゆえに、第二次大戦中の1940年11月24日にはドイツ軍による空襲を受け、Josiah Williams & Co.も工房を失い、残念ながら140年の歴史に幕を閉じました。

それから、この品のデートレターをご覧いただくと、その形が盾状をしていて特徴があります。 ロンドンアセイオフィスにおける19世紀のほぼ第四四半期にあたる1877年から1895年までのデートレター サイクルは「盾」と覚えておかれると、アンティークハントの時には便利です。 この時代はイギリスの国力が大いに伸張した時期にあたることから、今日においてもこの頃のアンティークに出会う可能性も高いのです。 デートレターをすべて暗記することは難しくても、「ロンドンの盾はヴィクトリアン後期」と知っておく価値はあると思います。








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