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No. 5290 スターリングシルバー スウィーバル フォブ ペンダントヘッド with アーガイト(瑪瑙)
縦の長さ(留め具含む) 2.7cm、最大横幅 1.8cm、スウィーバル部直径 1.5cm、厚み 7mm、瑪瑙の直径 1.4cm、1923年 チェスター、一万三千円

今から八十年以上前に作られたスターリングシルバー スウィーバル フォブです。 シルバーフレームにアーガイト(瑪瑙)が入っていて、指で弾くとクルクルまわる仕掛けになっています。 表側の瑪瑙は深緑色に紅が混じっていて、裏側に入った瑪瑙は深紅色です。 

表と裏で色合いが違っていて二通りに使えますし、胸元でフォブが揺らゆらするのも嬉しくて、何はなくとも回してみたりと、こういう仕掛けものアクセサリーは楽しめます。 スウィーバル機能もバランス良く出来ていて、クルクルと軽快にまわるのが好ましく思えます。

写真三番目にあるように、フレームの側面部分にはブリティッシュ ホールマークが、しっかり深く刻印されているのもこの品のよい特徴です。 ホールマークは順にメーカーズマーク、チェスター アセイオフィスのシティーマーク、スターリングシルバーを示すライオンパサント、そして1923年のデートレターになります。 また、写真一番目のアーム部分右側にもスターリングシルバーを示すライオンパサントが刻印されていて、この品のクォーリティーの高さを示しています。

チェスター シルバーというのも希少価値があってポイントとなりましょう。 英国各地のアセイオフィスで検定を受けたスターリングシルバーのおそらく9割以上は、ロンドン、シェフィールド、バーミンガムのいずれかの品で、チェスターは数が少ないのです。 このペンダントヘッドからはチェスター アセイオフィスのシティーマークがくっきりと読み取れますが、写真三番目で左から三つ目に見えるチェスターのマークは「Three Wheat Sheaves(三つの麦束)」のデザインです。 このホールマークは1686年から使われてきましたが、1962年にチェスターアセイオフィスが閉鎖となったので、今はもうありません。

ウィート シーフ(麦束)とは、豊穣、生産力(Fecundity)、肥沃さ(Fertility)のシンボルで、英国ではラッキーモチーフとして好まれる縁起物です。

そもそも小麦はギリシャ神話に出てくる「農業、豊穣、結婚の女神デーメーテール」を象徴しています。 以前にミントン美術館で見た「ウィート シーフを抱えた少女の絵皿」にとても惹かれ、この少女の顔立ちはデーメーテールを意識したのかしらと、妙に気になったのを覚えていて、それ以来どうも私はこのウィート シーフというモチーフに惹かれるのです。

ミントンの絵皿については、「英国アンティーク情報」欄の「13. 英国陶器の街、ストーク オン トレント」の解説記事に写真がありますのでご覧ください。








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